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公開 | うずらはしちあき

情熱の仕事人。渡米25年。可能性に挑み続ける。ジャズピアニスト「野瀬栄進」

小樽出身、ニューヨーク在住のジャズピアニスト野瀬栄進さん

単身渡米してジャズピアニスト・作曲家への道を切り開いてきた、野瀬栄進さん。ニューヨークに拠点を置き、日本と行き来しながら活動しています。故郷の小樽で話をうかがいました。

 

20歳で小樽からアメリカへ

記事トップの写真、野瀬さんが手を添えるのは、1912年製のニューヨーク・スタインウェイ。自らプロジェクトを立ち上げて支援者を募り、アメリカから小樽へ運んできました。この音色を北海道に日本に届けたいという思いとともに、海を渡ってきたピアノです。


ニューヨークで1912年に作られたピアノ、ニューヨーク・スタインウェイ▲スタインウェイピアノにはアメリカ・ニューヨーク製とドイツ・ハンブルク製があり、ニューヨーク製はほとんど日本に入ってこないという


「エキサイティングでエネルギッシュ。やりたいことが決まっていて行動すれば、つながりが広がっていく」。ニューヨークという街をそう語ります。自身も“やる”という意志を持って、世界中から挑戦者が集まるジャズの街でキャリアを積み上げてきています。


小樽出身、ニューヨーク在住のジャズピアニスト野瀬栄進さん▲野瀬栄進さん ジャズピアニスト・作曲家 ニューヨーク在住:1971年生まれ、小樽市出身。小樽潮陵高校卒。Mannes College of Music, New Schoolジャズ科卒。ジャッキー・バイヤード、リッチー・バイラークなどの各氏に師事。ヘルマン・ディエス氏にクラシックピアノを師事。2009年、日本とアメリカで活躍するアーティストに贈られる「S&R Washington Award」受賞


ピアノを始めたのは4歳のとき。けれど、クラシックの練習曲につまらなさを感じて9歳で中断。その後、クラリネットを習い始め、10代は地元・小樽のオーケストラのメンバーとして活動しました。
 
好きな音楽を楽しむ一方、バスケットボールにも夢中でした。テレビ観戦を通して生まれた、アメリカへの憧れ。そこへどうしたら行けるのかと、考えるようになっていました。


ニューヨークで1912年に作られたピアノ、ニューヨークスタインウェイ

ジャズのライブが繰り広げられたポートフェスティバル、音楽好きが集まっていたジャズクラブ・BeeJay。小樽ではジャズに触れる機会がありました。
 
19歳のときです。友人から贈られたジャズのアルバムを聴いて、「ジャズピアノをやりたい」という気持ちが湧き上がりました。それまでの音楽体験やアメリカに対する憧れも重なって、「どうせなら本場で」と決意。自由な考え方を持つ高校時代の友人たちや幼なじみの“無言の応援”も力にして、1992年、野瀬さんは20歳で日本を飛び出しました。

 

ニューヨークで本格的にジャズの勉強を開始

ビルが林立するニューヨークの街並み▲ニューヨークの街並み 撮影:野瀬さん


渡米して最初の2年間は、カリフォルニアのコミュニティカレッジのジャズ専攻に在籍。誘いを受け、ピアニストとしてビッグバンドとボーカルグループで演奏しました。
「自分のように何もわからない状態であっても、受け入れる雰囲気がカリフォルニアはあった。はじめからニューヨークではたぶん無理でした」と振り返ります。
 
その後、ニューヨークに居を移し、マネス音楽院、そしてニュースクール大学のジャズ科に学びます。そこは、「弾けて当たり前。天才的な人が集まっていた」という世界。「僕はジャズを覚えるのと同時に、ピアノ自体をやり直しました」。ひたすら目の前のことに没頭しました。


ニューヨークの街、建物の落書き▲撮影:野瀬さん


ライブハウス、レストラン、教会、施設への慰問。有名無名を問わず数多のジャズミュージシャンがそうであるように、野瀬さんも様々な場所で演奏してきました。
 
2003年からは、名門クラブのブルーノート・ニューヨークにも出演。数々の著名ミュージシャンと共演を重ね、現在は同じくニューヨーク在住のパーカッション奏者・武石聡さんと結成したデュオユニット「THE GATE」での活動も展開しています。


南米キューバの街並みとクラシックカー▲キューバにて 撮影:野瀬さん


音楽に専念できるようになったのは、初の日本ツアーを果たした後の2002年から。それまでずっとアルバイトをしながらの活動でした。
 
小樽をはじめ全国各地にちらばる同級生や先輩後輩、多くの友人たちが野瀬さんを応援しています。「音楽1本になった最初のころは、そうした人たちに食べさせてもらったようなものです。地元の支援や協力がありがたい」と気持ちを込めます。

 

自身の音楽表現と北海道

アメリカで生まれておよそ100年。ジャズは時代の流れの中で変化し続けています。
 
野瀬さんはジャズをベースにしながらも、自分のからだを通して湧き出る、枠に収まらないより自由な表現を追い続けています。30歳からつい数年前までは、キューバのクラシックのピアニストから教えを受け、表現する技術にも研鑽を積んできました。


ニューヨーク・スタインウェイピアノで演奏する野瀬栄進さん▲2016年5月、100年以上弾き継がれてきたニューヨーク・スタインウェイで演奏するソロコンサートを小樽マリンホールで開いた 写真提供:中村祐介さん


新たなプロジェクトにも挑戦しようとしています。「今、弦楽器のアレンジを書き進めています。ピアノとパーカッションのTHE GATEにオーケストラを入れて、コンサートを開くのが目標です」。

ヨーロッパや南米へも演奏活動を広げたい。ニューヨークでもっと自分を磨きたい。ピアノを置いて創作活動やレコーディングをする場所を北海道に持ちたい。やりたいことは、まだたくさんあります。


ジャズピアニスト野瀬栄進さんのCD▲これまでに15枚のアルバムをリリース。手前右は新作で初のソロバラードアルバム「HEAVEN'S DREAM」。友人で写真家の故・宮本敬文さんへのトリュビュート盤。ピアノはニューヨーク・スタインウェイ。小樽で録音した16曲を収録


北海道に戻って過ごす時間を大切にしている野瀬さんは、「北海道の大地、自然から受け取るものは、自分が創り出すものに影響している」と話します。
 
アメリカと日本、都会と自然、ジャズとクラシック…。境界を越えて表現の可能性を広げていく野瀬さん。その足下には、北海道の大地がありました。渡米から四半世紀。野瀬さんは止まることを知りません。

 

■4月に茨城、東京、北海道、5月に九州でライブ!

4月6日から16日にかけて、水戸、東京・新宿、札幌、小樽、名寄、5月9日から12日にかけて、佐賀、福岡、佐世保で野瀬さんのライブが行われます。お近くの方はぜひ。
スケジュール、会場、予約・問い合わせ等の詳細は野瀬さんのホームページをご覧ください。

 

関連リンク

野瀬栄進さんホームページ
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