ここにあるのは「青い冬」-千歳・支笏湖氷濤(ひょうとう)まつり

※この記事は2013年のものです。
 
最新情報については公式サイトをご確認ください。
http://www.1000sai-chitose.or.jp/
 
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日本最北の不凍湖・支笏湖。透明度が高く、近年の水質調査では全国No.1に認定されるほどの湖のほとりで、35年前から続く氷の祭典があります。千歳・支笏湖氷濤(ひょうとう)まつり。
 
大小さまざまな氷のオブジェが立ち並び、北海道の冬を凝縮したような美しさと荘厳さが織混ざったその空間は、足を踏み入れた人を幻想の世界へ誘ってくれるに違いありません。
 
雪氷を生かしたまつりはさっぽろ雪まつりをはじめとして数多くありますが、氷に特化したまつりはそれほど多くはありません。その数少ない氷の祭典のなかでも、千歳・支笏湖氷濤まつりは、その湖水の透明度と相まって、特に澄みきっていて表情も繊細な氷像たちが一面を埋め尽くす、極めて美しい祭りと言えます。

 

 
 「支笏湖ブルー」と表現されるその青さは、言葉にするよりも実際にその目で見ていただくのが一番。キンと張った冷たい空気の中、日の光を浴びて青く輝く氷像の姿は、北海道に住む人間にとってもどこか静謐で荘厳な印象を抱かずにはいられません。雪や氷に慣れ親しんでいない地域から来た方なら、10メートルを超えるものもある巨大な氷像たちに囲まれて、あたかも異世界に紛れ込んだような気持ちになると思います。
 
35年前の第1回から製作し続けている支笏湖近隣の「苔の洞門」を模した氷の洞穴や、今年が初となる支笏湖の湖底から湖面を見上げる様子をイメージした「湖底の散歩道」など、それぞれに特徴を持った多様な氷像たちが、昼は日光を受けて澄んだ光を拡散し、夜はライトアップで色鮮やかに彩られ、昼夜でそれぞれ違った感動を見る者に与えてくれますよ。

 
 

 

 

 
この祭りは、支笏湖に魅せられ、愛する地元の人たちによって支えられています。氷像の製作に携わっているのはわずか11人。支笏湖をフィールドとして、夏場はカヌーガイドや遊覧船運転手などをしている地域の有志が中心となっています。
 
氷像づくりはなんと11月から開始。祭り開始の3ヶ月も前から準備が始まります。秋口から土台組みを始め、冷え込みが厳しくなる時期から土台に少しずつ湖水を汲み上げ、霧状に散布。少しずつ、少しずつ氷像を高く、大きくしていくのです。

 

 
支笏湖は新千歳空港からわずか40分の距離にあり、氷の祭典を行う地域としては比較的暖かい気候です。そのため、氷像を凍らせていくプロセスも、層雲峡氷瀑まつりのように短時間でダイナミックに仕上げていく作り方とは異なり、時間をかけてゆっくりと静かに氷の層を上乗せしていくスタイルとなっています。
 
氷が青く見えるヒミツもここにあります。気泡の多く入った氷は白っぽくみえますよね。これは光が気泡を通して乱反射するためです。でも、じっくりと静かに時間をかけて凍らせることで気泡が発生しにくくなり、氷の純度が高くなって透明度が増します。氷は太陽光の様々な波長の中でも赤色の光を吸収するため、透明度の高い氷を通過すると、青い波長の光のみが反射して目には青みがかって映るのです。
 
氷が厚ければ厚いほど、赤い波長は吸収され青みを増していくことから、巨大な氷像ほどその「青さ」が増していくわけですね。もちろん、支笏湖の湖水の透明度や、時間を惜しまず丁寧に吹きつけを行うスタッフの努力も、この幻想的な青色の世界を生み出すことに一役買っています。

 

 
 冒頭に紹介した「湖底の散歩道」や「苔の洞門」も、“しっかりとした準備を行い、じっくりゆっくりと凍らせていく”ことで、透明感のある氷の像となり、また繊細な細工を行うこともできるため、青や緑が際立った美しい世界観の表現につながっています。特に今年は寒波の影響もあって、氷像製作はとても順調に進んだとのこと。例年以上にクオリティの高い氷像がみなさんを待っていますよ!

 

 
このすばらしい氷の祭典が、北の玄関口・新千歳空港から車で気軽に行ける範囲で開催されているというのが、北海道のすばらしいところ。このためだけに北海道に来るだけの価値のある祭典が、なんと仕事のついでや、他の場所の観光などと一緒に楽しめてしまいます。そう、氷濤まつりは道外の方でも無理なく体感できるイベントなのです!
 
で、せっかく会場にきたらやってほしいこと。大人だからと言って恥ずかしがらずに、氷のすべり台を滑っていってください!なんとなく子どもの遊びのように思うかもしれませんが、大人になるとなかなかそんな遊びから遠ざかって童心を忘れてしまうもの。ここはファンタジーな世界の中なんですから、童心に戻って思いっきり滑ってみてください。久しく忘れていた無垢な笑顔を取り戻せる、かも?(笑)

 

 
 
週末の夜はライトアップだけではなく、花火も打ち上げられるそうです。ただし、大変混雑するようですので、ゆっくりと氷像を楽しむなら日中か平日の夜がよさそう。できれば、昼夜をともに楽しんで、それぞれの良さを体感してもらいたいです。
 
 

2013千歳・支笏湖氷濤まつり

http://www.1000sai-chitose.or.jp
・開催日時 / 2013年1月25日(金)~2月17日(日) ※ライトアップは午後4時半~午後10時まで主催
・支笏湖まつり実行委員会(千歳観光連盟内)
・電話 / 0123-23-8288
・開催場所 / 北海道千歳市支笏湖温泉
・入場料 / 無料