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公開 | 孫田 二規子

四季の色彩に溢れた美瑛の丘「前田真三写真ギャラリー 拓真館」

車で富良野から約35分、JR美瑛(びえい)駅から15分。美瑛町の「前田真三写真ギャラリー 拓真館」は、今年(2017年)で開館30年。春夏秋冬の色に彩られた美瑛の丘の風景の美を、写真を通して感じることができます。


美瑛の拓真館の看板
 

丘のまち・美瑛の産みの親

見渡す限りの丘のなかにぽつんと立つ同館には、風景写真家の故前田真三氏がライフワークで撮りためた「美瑛の丘」の写真が展示されています。

建物は元小学校を再利用しており、写真は体育館だった場所に。季節毎に分かれ、玄関で靴を脱いで入ると、入口から春、夏、秋…と進み奥の2階が冬のコーナー。周囲に広がる美しい光景が写真になって凝縮されたユニークな場所です。


美瑛の拓真館の春の写真

美瑛町が丘のまちとして世間に広まった契機は、前田真三さんがその魅力を発見して、写真で発表したことが大きいといわれています。

そのきっかけのひとつが、ポテトチップスのパッケージ。昭和50年代、前田さんが撮影した白い花と黄色い屋根の小屋の写真が使われたことがあり、これが多くのひとの心に美瑛のイメージを植え付けました。


美瑛の拓真館の冬の写真

展示作品は60近くにも及び、なかには今となっては見られない風景も。昔の美瑛を知っているひとには、懐かしいと感じる写真があるはずです。

 

懐が深くてやさしかった前田真三氏

美瑛の丘シリーズの代表3作は、ひときわ大きなサイズのパネルで飾られています。

麦が燃えるように赤く色づく「麦秋鮮烈」、ドラマチックに焼けた空と塔を写した「夕焼けの塔」、朝陽に照らされ金色の霧に包まれた「朝霧の丘」。


美瑛の前田真三写真ギャラリー 拓真館の麦秋鮮烈など▲写真は上から時計回りに「麦秋鮮烈」「夕焼けの塔」「朝霧の丘」。写真の前に立つ男性が大谷さん


まさに〝鮮烈〟な色彩の写真ばかりですが、「これはリタッチなどまったくしていません。その時に見えた色そのままなんです」と、同館館長の大谷時男さん。

「前田さんは生前、〝目で見た景色がいちばんいい〟と語っていましてね。一瞬の出合いのその見たままを写真で再現することに、思い入れがあったんです」。


前田真三写真ギャラリー拓真館のフロント

また、畑の撮影をするときには、事前に持ち主である農家さんにことわりを入れていたそうですが、それでも「せっかく耕した畑の中深くまで入るのは忍びないと語っていた」といい、例えそこで撮りたい絵があっても、使うレンズを工夫をするなどして入らなくてすむようにしていたといいます。

「懐が深くて、やさしいひとでした」と、大谷さんは振り返ります。


写真家前田真三さんが生前使っていたカメラ▲前田さんが使用していたカメラの展示もあります


実は同館は入館料無料なのですが、それは「前田さんは、自分の撮った写真を〝見せてやる〟ではなく〝見ていただく〟という考えだったので」。そんなエピソードからも、前田さんの謙虚な人柄が垣間見られるようです。

 

周囲の自然も楽しんで

1,000坪に及ぶ敷地には、白樺の回廊やラベンダー畑があり、春から秋にかけては花が木々が色づきます。


前田真三写真ギャラリー拓真館の花畑▲(写真提供/前田真三写真ギャラリー 拓真館)


一方、冬は純白の世界となり、息を吹くとふわふわと飛ぶほどに軽いアスピリンスノーと呼ばれる雪が降り積もります。

雪面には丘の影がきれいにうつり、うつくしいブルーや紫色に。そんな氷点下10℃~20℃の世界が楽しめます。

四季折々の自然の景色や写真の美を味わい、心の癒やしとしてください。


前田真三写真ギャラリー拓真館の外観▲11月初旬、ちょうど雪が降り始めた時期の「前田真三写真ギャラリー 拓真館」
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