2017年01月18日 | チバタカコ

透明なガラスにガラスを重ねてできる滴、「氷滴(ひょうてき)」

札幌スタイル認証「氷滴」

札幌スタイルにも認証されたガラスのお皿「氷滴(ひょうてき)」。ガラスの上に滴がぽたぽたと落ちたようなデザインは、とても繊細でロマンチック。この作品をつくった、札幌在住の作家、吉田絵里子さんに会ってきました。

 

デザイナー志望から、ものづくりへ

「氷滴」をつくっているのは、札幌で「Rikospoppo(りこずぽっぽ)」という工房を構えている吉田絵里子さんです。北海道出身で武蔵野美術大学に進学し、入学当初はデザイナーを志していましたが、ガラスや陶芸、金属などの工芸を学ぶうちに「ものづくり」の楽しさに目覚め、専攻学科を決める時に「ガラス」を選択。「自分の手でモノをつくるのが楽しいと思いました。ガラスを選んだのは、透明な素材に魅かれて」と吉田さん。
 
 
「Rikospoppo」の吉田絵里子さん▲「Rikospoppo」の吉田絵里子さん
 

ガラスというと、北海道に住む私たちは小樽の北一硝子に代表されるような「吹きガラス」をイメージする人が多いと思います。吉田さんが手掛けているのはキルンワークと言われるもので、板ガラスを電気炉の中で溶かしてつくるフュージングという技法をメインに、お皿や照明、装飾品などを制作しています。
 

工房で製作をする吉田さん▲工房で製作をする吉田さん

 
大学卒業後、福井県のガラス工房で創作活動をしていましたが、2014年年末にUターンし、2015年、札幌に「Rikospoppo」を立ち上げました。

 

2016年札幌スタイル認証製品「氷滴」

吉田さんが「氷滴」を思いついたのは、ガラスに水をかけた時にできた滴がとてもきれいだと気付いたのがきっかけだとか。そして、板ガラスにガラスを重ねて乗せ、滴のようにデザインした「氷滴」にたどり着きました。

 
水滴が丸くぽとん、ぽとんと落ちたようなデザインの氷滴▲水滴が丸くぽとん、ぽとんと落ちたようなデザイン

 
やがて、吉田さんはお母さんから札幌スタイルのことを聞き、2015年に澪工房で開催された札幌スタイルのコラボショップで、さまざまな札幌スタイル認証製品を見て、自分の作品もこの仲間に入れたらいいな…と思うようになったそうです。
実は、北海道Likersが「氷滴」を初めて手に取って見たのは、吉田さんが「仲間になりたい」と思った翌年の2016年6月、澪工房で開催された札幌スタイルのコラボショップでした。
2015年は一人の客としてコラボショップへ出かけ、翌年は札幌スタイルの認証を受けて、そこに作品を並べる作家になって参加していたのです。
 
「澪工房さんのイベントに参加して、いろいろな人と出会うことができ、アドバイスやヒントもたくさんもらいました。富山県の高岡クラフトの大先輩から、色ガラスではなく全部透明なガラスでつくってみたら?と言われて、実は色を使わない透明な作品をやってみたいと思っていたところだったので、その一言で背中を押してもらいました」と吉田さん。
 
 
色ガラスを使った氷滴▲色ガラスを使った氷滴。淡い色調が、優しくて柔らかい印象
 

透明なガラスだけの氷滴-透-▲大先輩の助言から、全部透明ガラスでつくった「氷滴-透-」。色がないと、よりエレガントで大人っぽい雰囲気に。これは工芸都市高岡2016クラフトコンペで、金屋町楽市賞を受賞しました

 

ガラスを切って、重ねて、1日半

吉田さんの工房には、ガラスを焼成する窯が二つありました。一つは大学在学中に自分でつくったもので、もう一つは工房を構えた時に導入したもの。氷滴はこれらでつくられているのですが、1回につくれる枚数はそう多くはありません。
 

Rikospoppoの手づくり窯▲大学在学中につくった小さい窯
 

Rikospoppoの窯▲小さいものより二回りくらい大きな窯
 

ガラスは高熱で溶かしたり、融着させたりして、形をつくります。高温になったガラスをすぐに動かしたり、触ったり、熱いガラスを急に冷ますと割れてしまうため、ゆっくり温度を下げる必要があります。そのため、この窯の中で冷えて固まるまでそのままにしておかなければなりません。その時間は約1日半。ガラスの作品ということから吹きガラスのイメージが強かったので、高温で手早くちゃちゃっとつくって、ささっと冷やして出来上がり!と簡単に考えていましたが、いやはやとんでもない。とても手間と時間がかかるものでした。

 
板ガラスを切る道具とシート▲専用シートの上で、板ガラスを切ります
 

ガラスを加工する吉田さん▲丸く切り口を付けてから、パキン、パキンと型抜きのようにふちを取っていきます。時々、失敗することもあるそう
 

ガラスを小さく丸く切るところ▲小さな丸は、専用のペンチにような道具で、ふちをパキパキ割ります

 
そして吉田さんによると、氷滴シリーズがもしかしたらつくれなくなるかも!?という危機に直面しているそう。原材料にしているのはアメリカ製の板ガラスなのですが、その会社が廃業してしまい、もう入荷することができないとか。「この色が好きで取り寄せていたんですけど…ひとまず、まだ在庫はありますが、なくなったらどうしましょう…」。今ある氷滴の色彩が好きだわ!という方は、今のうちにGetしておくことをおすすめ!

 

イメージは夏だったが、実は冬こそ氷滴が似合う

北海道Likersが初めて氷滴を見た時は、「なんてさわやかで涼しげな夏らしいお皿なんだろう!」と感じ、これはぜひ夏シーズンに北海道Likersで紹介しよう!と思いました。が、気づいたらどっぷり冬に…。さて、タイミングを逃したなぁ…と思いながら、改めて「氷滴」を見た時に、道産子魂にビビビ!と触れました。夏に見た時は、夏の北海道によく似合うと思ったのですが、毎日雪が降り積もり、氷点下の寒い季節に突入した、いま、まさに冬こそ「氷滴」がしっくりと馴染むではありませんか!
 

氷滴シリーズ
 
透明なガラスに描かれた滴は、まるで湖に張った薄氷のよう。薄淡い色ガラスは、冬の凛とした空や樹木にしばれついた樹氷の色が、つららや窓に張った霜に写り込んだようにも見えます。吉田さんも「私も最初は夏のイメージだったのですが、季節が冬になって、あれ?これは冬の方が似合うかも、と思いました」と話してくれました。
 

氷滴シリーズの一輪挿し▲氷滴シリーズの一輪挿し
 

工房の一角には、札幌スタイルや工芸都市高岡2016クラフトコンペなどの受賞歴▲工房の一角には、札幌スタイルや工芸都市高岡2016クラフトコンペなどの受賞歴が
 

氷滴シリーズは、お皿だけではなく、ランプや一輪挿しなどもあります。実物を見てみたいという人は、札幌スタイルショップ澪工房に行くと、手に取って見ることができます。
そして関東エリアの皆さんに朗報。2017年3月15日(水)~21日(火)、東京の日本橋三越本店本館4階で吉田さんの個展があり、そこに氷滴シリーズも登場します。ぜひ、立ち寄ってみてください。

 

関連リンク

Rikospoppo facebookページ

\もっと知って欲しい!と思ったら「なまらいいね!」/

この記事をSNSでシェアしよう!
  • 透明なガラスにガラスを重ねてできる滴、「氷滴(ひょうてき)」
  • Google+

FacebookのIDを利用して、北海道Likersへ登録します。

北海道Likersは、北海道を愛する皆さんと北海道を盛り上げるコミュニティです。

  • 利用規約に同意の上ご登録ください。
  • FacebookのIDで簡単に登録できます。登録は無料です。
  • Facebookに設定しているメールアドレスを登録します。お客様のメールアドレスは、北海道Likers運営からの連絡に利用いたします。
Title
Close