リトグラフ / ニセコ在住 画家 府川 誠

画家・府川誠さんは、神奈川県平塚市の出身。1991年、ご家族で札幌市に移住し、喜茂別町にアトリエを構えた後、2006年にニセコにアトリエを移転。昆布温泉地区にあるギャラリー「風山菴」を訪ね、リトグラフや羊蹄山麓での制作活動のこと、作品に込めた思いなどを伺いました。
 
 
---府川さんがリトグラフの道に入られたきっかけというのは?
油絵をやりたくて進学した美術学校の授業で版画と出合いました。当時は絵本をつくりたかったこともあって、版画なら複数のものができるのではないかと考えて始めたんです。思った色合いを表現できるリトグラフは自分に合っていて、どっぷり浸かっちゃいましたね。大学の頃から数えると、この世界に入って40年になります。
 
---絵のタッチも色も、とても優しいですよね。
リトグラフは、水と油の反発を利用した技法で、平版と呼ばれるものです。私はダーマトを使って絵を描いていますが、そのタッチがそのまま表れるのがリトグラフの特徴です。透明感のあるインクを使い、色を重ねていくことで、柔らかい表情が出てくるんですね。
 
 
 
--- なぜ北海道に移住されたのでしょうか? また、ニセコの地を選んだのは?
私は神奈川県の平塚出身で、田んぼ、地平線が広がり、遠くに山が見えるところで育ちました。北海道に来たことはなかったんですが、向こうにいたときから、私の描く風景は北海道っぽいといわれていまして、それなら、行かなくちゃ、と(笑)。
道内をいろいろ見て回った中で、ニセコは気に入っていました。美しい山、田舎の風景、そして好きな温泉もあって(笑)。それと、このエリアには美術館や記念館が多かったことも選んだ理由です。
 
 
--- 作品に描かれているのは羊蹄山? 後ろ姿の子供を描き込んだ作品も多いですね。
私は風景をスケッチしたり、写真を撮ったりということはしていなく、自分が見てイメージするものを絵の中につくっています。子供の頃に見て遊んでいた風景も自ずと重なります。今は自分の中でこの地がしっくりきていて、羊蹄の形が多いですが、ここがどこの場所、というのはないんですね。後ろ姿の子供も同じで、その子は絵を見てくれる人自身かも知れません。“こんな風景、あったよね”、そんなふうに感じてもらえたら嬉しいですね。
 
 
 
--- 府川さんが大切にされていること、伝えたい思い、教えてください
地球というちっちゃな星を大事にして、きれいなまま次の世代に残したいですね。絵の中にもごちゃごちゃしたものは入れず、もとのままの自然を描くようにしています。北海道と南の方は、まだまだ自然がきれいだなあと思います。
 
府川さんは還暦を機に、水彩画も手がけ始めたそうです。「北海道に住んでいるので、北海道を感じられるものを作っていきたい」とも話してくれました。
 
 
ギャラリー「風山菴」には、道内外からファンが訪れています。また、府川さんの奥様が営むFREE SPACE 「風」(札幌市)でも、作品を展示しているそうです。今年は倶知安町にて個展も開催。北海道の地で、府川さんが描き出す世界にふれてみてください。
 
 
 
※作品の取扱店は、札幌市「大丸藤井セントラル」、「松山額縁店」、旭川市「梅鳳堂」ほか。詳しくは府川誠オフィシャルウェブサイトをご覧ください。
 
○個展情報
府川 誠 版画展 --- いつか見た風景
会期:2013年5月23日(木)~7月15日(月)
9:00~17:00(火曜休館)
会場:小川原 脩記念美術館
倶知安町北6条東7丁目1  TEL.0136-21-4141
 
●府川 誠 ギャラリー 風山菴
ニセコ町ニセコ404-30 TEL.0136-59-2211
※休館日不定のため、来館の際は必ず事前に電話確認を。
府川 誠オフィシャルウェブサイト
http://www.fukawamakoto.jp
 
●FREE SPACE 風
札幌市南区石山2条7丁目12-32 TEL.090-6267-4351
営業時間/11:00~18:00 定休日/水曜
 
(取材・文/北海道Likers ライター chikki、撮影/北海道Likers フォトライター めがね)