2016年11月17日 | チバタカコ

上川郡美瑛町のカラマツで、美瑛町でつくるプロダクト。「キトテ工作」

美唄町キトテ工作「Tikka」

上川郡美瑛町産のカラマツを使い、美瑛町内の廃校を拠点に、「やり続けることで見えてくるものがある」と、家具をつくる工房があります。その名は「キトテ工作」。「木」と「手」でつくるそのプロダクトを訪ねてみました。

 

地域産材の活用に取り組む、美瑛町という町との出会いがスタート

全国的にも美しい丘陵の町として知られている上川郡美瑛町は、旭川市と富良野市のほぼ真ん中に位置し、町の面積は東京23区の広さに匹敵。そして、その70%以上を山林が占めています。林業が盛んな地域では、林業や木材産業の取り組みとして、計画的な育成や伐採を行っています。山林の多くが人工林の美瑛町も同様で、計画的な伐採を行いながら山林を手入れしています。その伐採で出てきたカラマツを利用して家具づくりをしているのが「キトテ工作」です。


美瑛町のカラマツ▲美瑛町のカラマツ


キトテ工作代表の砂澤(さざわ)雄太さんが、美瑛町に拠点を構えたのは2010年。それは、美瑛町という町との出会いがきっかけだったと言います。「道内の家具制作会社に勤めていましたが、そこでものづくりの楽しさを覚え、美瑛町が地域産材の活用に取り組んでいることを知り、家具としての活用に取り組むことで、美瑛町にも貢献できるのではないか、と思ったことがきっかけで、美瑛町で独立しました」と砂澤さん。
独立当初は一人だけでしたが、2013年に会社名を「キトテ工作」とし、旭川の東海大学でデザインを学んだ浅野敬祐さんも加わり、現在は2人で家具の企画、デザイン、制作を行っています。

 

美瑛町生まれ、美瑛町育ちの箱入り娘が「キトテ工作」の家具

キトテ工作が材料にしているのは、美瑛町産のカラマツ。一般的にカラマツは、ねじれる、割れやすい、フシがある、松脂が出るなど、木材としては家具材には向かないと言われています。そんなカラマツを選んだのは、美瑛町の地域課題に「参加して、取り組んで終り」にするのではなく、「やり続けることで見えてくるものが必ずある」という考えがあったから。「カラマツは確かに松脂が出ますが、丸太から製材する時に、関わる人たちが『この木は家具になる』と意識してくれるようになると、松脂はかわせるんですよ。木こりがカラマツを切って丸太にして終り、製材屋が製材して終りではなく、特に何も産業連携をしているわけではないですが、こういう一連の流れを意識してやり続けることで、見えてくるものがあると思うんです」と砂澤さんは語ってくれました。


美瑛町キトテ工作工場全景▲ 美瑛町の廃校を利用したキトテ工作


美瑛キトテ工作工場全景▲体育館が工房です


キトテ工作でつくられる家具たちは、全て「美瑛町」が見えるものばかり。どこで採れた木なのか、誰が製材したのかわからない木材ではありません。砂澤さんは「木材のプロフィールとしては、うちのカラマツは一番胸が張れる」と自信を持って言い切ります。生まれてから家具になるまで、一歩も美瑛町から出たことのない、ある意味「美瑛町の箱入り娘」みたいな家具が、キトテ工作の家具なのです。
 
 

はしごが家具になる?釘もネジもいらない、でも組み立てられる

キトテ工作がつくっている家具は、ソファや収納棚のような大型のものではなく、コンパクトな椅子やデスクの「Cervi(チェルビ)」シリーズとベースが「はしご」で2015年にデビューした「Tikka(ティカ)」。


美瑛町キトテ工作Cervi-chair ▲Cervi-chair(サイズW370 D420 H740 SH400)。「Cervi(チェルビ)」とはイタリア語で「子鹿」の意味。一般的なものより、少しだけコンパクトで、カタチもシンプルなのが特徴


美瑛町キトテ工作Cervi-desk▲Cervi-desk(サイズW1000 D500 H660)


美瑛町キトテ工作Cervi-light▲Cervi-light(サイズW42 D182 H270)。手元を照らすデスクライト。「Cervi」や「Tikka」の色はベーシックなものと、トマト(赤)、インゲン(緑)、ゴボウ(こげ茶)の3色。カラーリングは、美瑛町の農産物をイメージしているそうです
 

今回、北海道Likersが注目したのが「Tikka」。これは、釘やネジは一切使わないで、はしごに天板や棚板などを掛けたり、吊るしたりすることで、空間や目的に合わせて自由に組み替えることができるというもの。キトテ工作がこの「Tikka」を考えたきっかけは、「引っ越しや結婚などライフスタイルの変化で、捨ててしまうなど、あきらめられる家具をたくさん見てきたから」と砂澤さん。「今時の収納家具は建築の仕事になっていると思うんです。そこで、自分たちなりの収納を提案したいと思いました。まず移ろいがある人の暮らしの中で変化ができること、そして釘やネジを使うと使い方が限定されてしまうので、それらを使わないことが重要でした。そしてこのカタチなら、レイアウトや用途自体を変えることができ、暮らしが変化しても最後までおつきあいできると考えました」(砂澤さん談)。


美瑛町キトテ工作Tikkaシリーズ▲「はしご」をベースにした「Tikka(ティカ)」シリーズ。「Tikka」はフィンランド語のTikkaat(はしごという意味)からきているそうです。「Tikka」は、重すぎない、組み替えやすいなど、女性が扱いやすいことにも配慮しています
 

今現在(2016年11月取材時)、キトテ工作はショールームを持っていません。実物は、美瑛町のキトテ工作に行かなければ見たり、触ったりできないのですが、「我が家に置いたらどんな感じ?」「部屋のインテリアとの相性を確認したい」という場合は、「Tikka」を現場まで持って行って、洋服の試着のように試すことがでる「フィッティングサービス」を行っています。
「ハイエース1台に、ご用命の品だけではなく、うちの家具を全部詰め込むことができるので、お客さんのところに行って実際に置いてみます。つまりお客さんの家までショールームを持って行けるという感じですね。皆さん、とても楽しんでくださっています」と砂澤さん。 
美瑛町のカラマツの「木」にこだわり、美瑛町で「手」つくり、人の生活に寄り添うように変化していく家具をつくるキトテ工作。素朴であったかい、美瑛町の箱入り娘を自宅に迎えてみませんか?

 

関連リンク

株式会社 キトテ工作
株式会社 キトテ工作facebookページ

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