2016年09月01日 | T・H

「旭橋」旭川市:北海道遺産シリーズ(28)


旭橋

道北の中心都市、旭川市にある「旭橋」は、川のまち旭川に架かるたくさんの橋の中でも最も歴史があり、市民に親しまれている橋です。1892(明治25)年、現在の橋の位置に土橋が架けられたのに始まり、その後、1904(明治37)年、材料を海外から輸入するなど、当時の最新素材と技術をもって鋼鉄の橋がつくられました。
 

旭橋の概要が刻まれている橋歴板▲橋の入り口には旭橋の概要が刻まれている橋歴板も見えます
 

旭橋のアーチ部分▲1932(昭和7)年から姿を変えていない旭橋は昭和初期の技術の遺構として貴重な存在

 
やがて鉄道が開通し、陸軍「第7師団」が設置され交通量が増えると、師団方面へ路面電車を通すため橋の架け替えが必要になりました。1932(昭和7)年、北海道大学工学部長・吉町太郎一博士の設計指導のもと、寒暖の温度差が激しい旭川の気候に適応できるよう伸縮対策を施すなど当時の最新工学を集結させて、旭川のシンボルとなる美しい橋が完成しました。この昭和初期の土木技術を伝える貴重な遺構として、旭橋は北海道遺産に選定されています。
 
旭橋は、札幌の豊平橋、釧路の幣舞橋とともに北海道の三大名橋と呼ばれましたが、現在これらは架け替えられ、昭和初期の姿が残っているのは旭橋だけとなっています。
 
 
旭橋に遺るレリーフ▲路面電車が通っていたことを伝えるレリーフ
 

橋桁を支える部分に使われた沓座石の展示▲橋桁を支える部分に使われた沓座石(しゅうざいし)。旭橋近くの常磐公園に展示されています
 

今年84歳(橋寿)を迎えた旭橋は、もちろん戦争時代のまちも見てきました。戦車も渡れる強さでつくられた橋はかつての軍都旭川を象徴するものでしたが、戦況が厳しくなると金属を軍に提供するため、照明灯がなくなり、鉄製の手すりも木製にかわったこともありました。
 
みんなが誇りに思う最新式鋼鉄橋の完成に沸いた時も、戦地に向かう兵士を送った時も、旭川のまちとそこに暮らす人々をずっと見守ってきた旭橋は、世代を超えて旭川の人々の心に寄り添っています。
 

豆本「旭橋」▲市民団体・旭橋を語る会が旭橋70周年を記念してつくった豆本「旭橋」。小さい冊子の中には旭橋の歴史と市民の思い出話がぎゅっとつまっています
 

「旭橋を語る会」は、そんな旭橋に想いを寄せる人々が集まった市民団体です。旭橋のふもとで事務局を運営する海老子川(えびしがわ)さんに、旭橋の見どころを語っていただきました!
 
「旭川に住む私たちの日常に旭橋があります。荘厳な姿は気持ちに緊張感を与えてくれるので、試験前やここ一番の頑張り時など、旭橋を渡って気を引き締めて行きます。大雪連峰を背景にした迫力ある橋の姿が、見る人に勇気を与えてくれているのではないでしょうか。若い世代が地元を離れても、旭橋とまちの思い出を頑張る力にできるよう、旭川の歴史と魅力を伝えていきたいです。橋からの景色や構造の美しさはその場でより強く感じられるもの。ぜひ眺めるだけでなく旭橋を歩いて渡ってみて下さい!」


旭橋を語る会の海老子川さん▲旭橋を語る会の海老子川さん。事務所を兼ねた福吉カフェから旭川の魅力を発信しています


地元のおやつ「ときわ焼き」▲昔からあった地元のおやつ「トキワ焼き」も復刻させました。旭橋の形をした焼型は昔と同じものを譲り受けて使っているそう

 
戦争が終わり、市民の願いで照明灯も手すりも鉄製に復元され、現在は平和のシンボルになった旭橋。道北を訪れる際は旭橋と一緒にまちを眺めて、旭川の歴史と平和を想ってみては。
 

現在の旭橋とまちの景色 
 

関連リンク

北海道遺産「旭橋」
旭川市HP「旭橋」
福吉カフェ旭橋本店(FBページ)

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