「雨竜沼湿原」雨竜町:北海道遺産シリーズ(27)



北海道は「湿地の宝庫」と言われるほどさまざまなタイプの湿地があります。
地平線が見渡せるような低地にある、道北のサロベツ湿原や道東の釧路湿原がよく知られていますが、「雨竜沼(うりゅうぬま)湿原」は標高約850mの台地にある山岳型高層湿地。ゲートパークから2時間ほど登山をして、やっと出会える湿原です。大小あわせて数百の池塘(ちとう)と呼ばれる沼が点在する独特な景観と、春の雪解けから秋までに150種以上の花や植物を観察することができます。
 


 

雨竜沼湿原のなりたちは今から200万年以上も昔、活発な火山活動によって1,000m級の山々が誕生し、それによってせきとめられた川が湖になり、やがてミズゴケなどの植物が茂って湿地に変化していったといわれています。植物が枯れてできた泥炭は、スポンジのように水を吸収しながら長い時間をかけて少しずつ成長し続け、水面よりも高く盛り上がって発達し、現在のような姿に。雨竜沼の泥炭層は、最も深い部分で約1万5千年の歴史があるそうです。
 



 
湿原の成り立ちやそこに生息する動植物は学術的にも大変貴重で、1964(昭和39)年北海道天然記念物に、北海道遺産には2004(平成16)年に選定されています。また、2005(平成17)年には、山岳型高層湿地としては世界で初めて、ラムサール条約の登録湿地に認定されました。

 

山地湿原の「雨竜沼湿原」に出会うには、まず登山から!

低地にある湿地と違い、標高約850mの台地にある雨竜沼湿原を見に行くには登山が必要です。ゲートパークで入山届を済ませ、滝を見上げながらに山道を歩き、2つの吊り橋を渡っておよそ2時間、約4㎞の登山を経て湿原入り口にたどり着きます。
雪が積もると足元が悪くなり入山できないので、登山道に入れるのは夏場、6月下旬から10月上旬ごろまでとなっています。
 


 
 

 


 
 

池塘が点在する独特な景観と多様な湿原植物

湿原の面積は約100ha。中央にペンケペタン川が蛇行しながら流れ、その両側に池塘が点在して見られます。6月下旬から8月にかけては最も花が多くみられる時期で、ミズバショウ、エゾカンゾウ、ウリュウコウホネなど150種以上の植物が湿原を彩ります。
 


 
 

 
 

 
 
 



 
これらの湿原植物と環境を守るため、約3.5㎞の木道が整備されているので、鑑賞の際は木道から決して下りないようご協力を。特に見晴らしの良い場所に設けられた展望テラスでは、雨竜沼湿原全体の景観も楽しむことができます。
 



 

雨竜沼湿原を次の世代に引き継ぐために

貴重な自然の遺産を守るため、雨竜町では「雨竜沼湿原を愛する会」をはじめとした市民団体が自主的に湿原を見回って環境の保全に努めているほか、登山者へのPRなどの活動を行っています。また、毎年近隣地域の中学1年生が授業の一環として行う雨竜沼湿原への登山は、雨竜町山岳会の引率によって行われています。



 



 
わたしたちの次の世代にも、この美しい景観を遺せるよう、保全活動を応援したいですね。
 
山道に続く秘境・雨竜沼湿原を訪ねて、北海道の自然の不思議と力強さを感じてみては?
 


 

関連リンク

北海道遺産HP「雨竜沼湿原」
雨竜町HP
雨竜町観光協会Website