情熱の仕事人。ふるさとの元気のために。おたる潮まつり実行委員長、小樽商工会議所副会頭「杉江俊太郎」



北海道屈指の夏祭りで、今年第50回目となる「おたる潮(うしお)まつり」が7月29日〜31日に開催されます。今回の情熱の仕事人は、同まつり実行委員長、そして小樽商工会議所副会頭に就き、ふるさと・小樽のために力を尽くす、杉江俊太郎さんです。

 

潮まつりを支える人たちの思い

人口12万人余りの小樽市。毎年7月「おたる潮まつり」が開かれる3日間、まちは100万人を超える人出で賑わいます。
今年は7月29日に開幕。初日は祭りの始まりを告げる「潮ふれこみ」、2日目はまちの人々が「潮音頭」を踊りながら練り歩く「潮ねりこみ」、3日目には各地から担ぎ手が集結し、神輿パレードなどが行われます。初日と最終日の夜は大花火大会も見どころです。
 
夏の複数の行事を統合して始まり、8回続いた「みなと小樽商工観光まつり」が前身。港まちに生きる市民の海への感謝と、小樽の発展への願いを込めて、1967年に潮まつりはスタートしました。





杉江さんは小樽に生まれ育ち、かねて潮まつりに親しんできました。「第1回が開かれたのは、私が12歳のときだったかな。親父に連れられて見に行っていましたよ」。少年時代に体験した当時から、潮まつりは「今も基本は変わっていない」と話します。
 
20代から祭りを支える一人として活動し、30回目の開催から実行委員会に深く関わるように。その後、10年間にわたって運営委員長を務め、就任当初は課題となっていた財政面の立て直しや、実行委員会メンバーの世代交代などにも中心となって取り組みました。





潮まつりが始まって30年が経った頃、地元の若い世代の人たちからは、マンネリ化しているとの声があがっていたといいます。
 
「潮まつりのひとつの象徴は音頭ですが、若い人にはなかなかウケない。面白くないという若者が多かったですね」と振り返り、そして杉江さんは、こう続けます。
「けれども運営に携わる私たちは、あえてマンネリを打破するのではなく、壮大なるマンネリを目指そうじゃないかと。変えなければいけないことは変え、変えてはならないものを守る。壮大なるマンネリから歴史・伝統が生まれ、潮まつりが100年・200年と続く祭りになり得るんだという軸を持ったんです」。

 

未来に向かうための50回目に

今年50回目の開催を迎える、潮まつり。杉江さん自身にとっては、任期3年の実行委員長を担うラストの年になります。一昨年は大嵐に見舞われ、実行委員長として途中中止という決断を下す、断腸の思い、悔しさも味わいました。





祭りのハイライトは、企業、団体、学校等がそれぞれ梯団(ていだん)と呼ばれるチームを編成して、市内中心部から港までを踊り歩く2日目の潮ねりこみです。昨年は7,200人が参加。今年は市内小中学校・全34校の梯団も組まれ、1万人のねりこみになるそうです。
 
「子供さんたちには、夏の思い出づくりもそうですが、ふるさとの良さを味わい、潮まつりを、小樽を、好きになってもらいたい。将来、思いをもって小樽で活躍してくれたらというのが願いです」。





50回目の開催はひとつの節目であり、100回目へと歩む一歩目と位置づけているそう。
「こうした大きな節目に関わらせてもらえるのは、我々にとってもきっと二度とないこと。実行委員会メンバーみんなで、いいものにするんだと企画なり準備なりに取り組んでいます。とにかくたくさんの人に来てもらい、楽しんでもらえたら」と、意気込みを教えてくれました。
 
「潮まつりをなくしてはならない」。取材中、杉江さんが何度も口にした言葉は、祭りに携わるすべての人の思いです。その思いを束ね、未来に向かう3日間に杉江さんは挑みます。




 

小樽商工会議所「知産志食しりべし」の取り組み

杉江さんは、明治42年創業の石油製品販売商社、株式会社杉商の4代目経営者。小樽商工会議所の活動にも参画し、6年前からは副会頭を務めています。
 
小樽商工会議所が推進するプロジェクトのひとつに、2011年に立ち上がり、杉江さんが陣頭指揮を執る「1次・2次産業振興プロジェクト」があります。
同プロジェクトの一環として取り組んでいる活動が「知産志食(ちさんししょく)しりべし」。後志(しりべし)は20の市町村から成る地域で、「知産志食しりべし」とは小樽を含む後志の食材を、地元の人をはじめ、多くの人に知って、食べて、使ってもらうことで、地域振興を目指そうとするものです。
 
後志では多種多用な農産物がつくられ、小樽では40種ほどの魚介類が漁獲されています。活動は、生産者、小樽市内の製造加工業者と連携しながら、地域の農水産物を活用した新商品の企画・開発がひとつ。「後志の豊富な食資源をキーとして、小樽の雇用を増やすこと、人口減を食い止めることにつなげたい」と、杉江さんは活動の大きな狙いを説明します。
また、関連して、地域の農業の魅力を体験できる「しりべしアグリツーリズム」なども実施しています。

これまで生み出された商品には、ブランド名を「小樽美人」とした各種リキュール、スイーツがあります。このシリーズは、「女性のうれしいを叶える」というコンセプトで、美容・健康を意識した商品づくりに取り組んでいるそうです。








加えて、小樽の歴史と深くつながるニシンを使用した、「にしん小樽漬」を開発。小樽産・北海道産のニシン、数の子、昆布を主原料に、“ニシンの使用割合を40%以上、醤油味をベースとする”というルールのもと、現在市内7社の水産加工会社がそれぞれ独自製法・味の小樽漬を商品化しています。ピリ辛風味、味のポイントに柚子胡椒を加えたもの、スモークしたニシンを使いマリネ風に仕上げたものなど、選ぶ楽しさがあるのも魅力です。






 
 
小樽美人シリーズ、にしん小樽漬はJR小樽駅内などで販売しているそうです。潮まつり、小樽観光に訪れた際はぜひ、お土産に選んでみてください。ちなみに、北海道Likersも潮まつりに参加しようと計画しています!
 
社業と並行して、まちの活動に長く携わり続けてきている杉江さん。「私だけではなく、みんな小樽が好きなんですよ。だから、なんとか盛り上げようとやっているんです」。小樽への熱い思いはもちろん、ふるさとを語るやさしい表情が印象的でした。

 

第50回おたる潮まつり

●開催 / 2016年7月29日(金)・30日(土)・31日(日)
●会場 / 小樽港第3号ふ頭及び市内中心部
●問い合わせ / おたる潮まつり実行委員会事務局(小樽市産業港湾部観光振興室内) 
 TEL:0134-32-4111(内線267)
※潮まつり期間は会場付近で交通規制がかかり、また、イベント専用の駐車場がないため公共交通機関での来場がおすすめです。マイカーで来場する場合は、小樽築港付近に駐車して中心部へ。JR小樽駅からメイン会場の小樽港第3号ふ頭へは徒歩約10分です

 

関連リンク

おたる潮まつり公式サイト
おたる潮まつりfacebookページ
知産志食しりべしWebサイト
「知産志食しりべし」キャンペーン実行委員会facebookページ
小樽市