2016年07月06日 | チバタカコ

遠軽町の「白滝ジオパーク」~北海道のジオパークへ行こう!(3)

白滝ジオパークの黒曜石
 
ジオパーク、それはジオ(Geo)=地球、大地のパーク(Park)=公園。北海道にはいま、ユネスコ世界ジオパークが2ヵ所、日本ジオパークが3ヵ所あります。北海道の大地と自然を五感で体感できるジオパークへ行ってみませんか?地球と人とのつながりが黒曜石から見えてくる「白滝ジオパーク」へGO!

 

遠軽町の「白滝ジオパーク」とは

遠軽(えんがる)町は、オホーツクエリアの内陸側にある町で、2005年に遠軽町、生田原(いくたはら)町、丸瀬布(まるせっぷ)町、白滝村の4町村が合併し、新たな「遠軽町」となりました。2010年に日本ジオパークに認定された白滝ジオパークのテーマは「自然と文化の融合」。町全体から地球=ジオ(大地)の記憶を紐解くことができ、さらに遠軽、生田原、丸瀬布、白滝それぞれのエリアごとに異なるテーマで、地球とそこで生きてきた人たちのつながりを知ることができます。

 
白滝の黒曜石▲白滝の黒曜石

 
特に、今から220万年ほど前に誕生した白滝の黒曜石は、北海道だけではなく、海を越えて本州にも渡っており、太古から人の暮らしと深く結び付いていたことがわかります。まさに、自然と文化の融合です。

 

火山活動と黒曜石の関係

白滝ジオパークの情報を集めるために、最初に立ち寄りたいのが「白滝ジオパーク交流センター」です。白滝ジオパーク交流センターは、白滝ICを降りて信号を左折、少し走ると右側に見えてくる建物内にあります。ここは、合併前は白滝村の役場だったそうで、林業が盛んなエリアらしく、木をふんだんに使ったデザインが印象的です。


白滝ジオパーク交流センター▲白滝ジオパーク交流センター。白滝総合支所内にあり、1Fが白滝ジオパーク交流センター、2Fが遠軽町埋蔵文化財センターです
 
 
白滝ジオパーク交流センターのホール▲白滝ジオパーク交流センターのホール

 
白滝ジオパーク交流センター▲白滝ジオパークに関する基礎知識を、ここで得ることができます

 
中に入るとミニシアターがあり、そこでは300万年前、次々と起こった火山の噴火によって、白滝の黒曜石が誕生した経緯を映像で見ることができます。床(足元)と壁を使って映像が映し出されるのですが、これがかなりの迫力でスピード感もあり、敏感な人ならちょっと酔ってしまうかもしれません。
 

白滝ジオパーク交流センターのミニシアター▲見ていると、火山の噴火や火砕流の再現映像につられて、なぜか体が動きます。敏感な人は、気を付けて見てくださいね
 
 
白滝ジオパーク交流センターのミニシアター▲溶岩が黒曜石になるシーンでは「シャラシャラシャラ~」と薄いガラスをすり合わせたような音が再現されています
 

映像で白滝の黒曜石の成り立ちを学んだ後は、隣の展示室へ。黒曜石とは、火山の噴火によって流れ出た溶岩が急に冷やされたことでできた黒く輝くガラスの岩石のこと。火山活動で誕生した通称「赤石山」を中心とする一帯が、日本最大の黒曜石原産地であることを知ることができます。
 

白滝ジオパーク交流センター▲さまざまなサンプルが置いてありますが、実際に触ったり、持ち上げてみたりすることができます
 

白滝ジオパークの佐野恭平さん▲黒曜石について説明してくれたのは、白滝ジオパークの佐野恭平さん
 

私たちの普段生活の中では、これほど黒曜石に接することは、まずありません。しかし、白滝にある黒曜石の露頭や国指定史跡「白滝遺跡群」、黒曜石が太古の人の生活にどのように関わっていたのかなどを知ると、俄然、黒曜石に興味がわいてきました。黒曜石の産地に、ぜひ行ってみたい!

 

黒曜石を踏みしめ、220万年前の溶岩の露頭に触れる

通称「赤石山」(標高1,147m)の黒曜石や溶岩の露頭のすぐそばまで行くことができ、直接触れることもできるのですが、そこは個人で行くことはできません。行くためには白滝ジオパーク交流センターのジオツアーに参加しましょう。
 
 
国有林のゲート▲ツアーに参加しなければ、国有林に入ることができません

 国有林のゲート

なぜなら、黒曜石や溶岩の露頭がある山は国有林であり、入林には許可が必要だからです。道路には一般車が入れないようにゲートがあります。ジオツアーでは赤石山の「八号沢露頭」と呼ばれるところまで車で行くのですが、そこまでの林道の一部が、2015年8月の大雨災害により一部崩落してしまい、去年はツアーそのものが実施できない状況でした。しかし、崩落個所を修復し、現地の安全確認ができたので、今年から「八号沢露頭」のツアーが1年ぶりに再開されます。
 

八号沢露頭▲北海道Likersが行ったのは八号沢露頭まで。この先、もう少し進むと足元が黒曜石だらけになるそうです
 

八号沢露頭までは、周囲は手つかずの大自然で、舗装されていない細い林道を車はゆっくり、ゆっくり進みます。なんとも冒険心をくすぐられるジオツアーです。
 

八号沢露頭▲駐車場からは徒歩。取材時、白滝ジオパークのスタッフは、「クマ鈴」をリンリン鳴らしていました。そうです。ここは北海道、山はヒグマの生息地です
 

八号沢露頭の黒曜石▲ふと足元を見ると、黒く光った石がゴロゴロ。さっそく黒曜石です
 
 
八号沢露頭▲黒曜石を含む溶岩の断面、八号沢露頭。220万年前に噴出した溶岩がゆっくり流れ、その先っぽが固まったもの。この時の溶岩の粘度は例えるならピーナツバターくらいで、1時間に30cmほどしか進まなかったそうです
 

黒曜石

300万年前以降のある時、この一帯に大噴火が起こりました。その時カルデラ湖がつくられ、その後220万年前に、カルデラ内数ヶ所から溶岩が噴出し、黒曜石がつくられました。その過程は、ツアー参加前に白滝ジオパーク交流センターの映像で見ていたので、現場で見ると、より理解度が深まります。露頭の表面は、ツルンとした黒曜石が見えたり、軽石のようにスカスカしている部分もあったり、さまざまな表情を見せてくれます。「昔々の火山活動の痕跡から、さまざまなことを知ることができるんですよ」と話してくれたのは、白滝ジオパークの熊谷誠さん。
 

八号沢露頭
 
八号沢露頭の黒曜石▲白滝の黒曜石でつくられた石器は、北はサハリン、南は東北地方まで渡っていることが確認されています
 

白滝の黒曜石は、旧石器時代(約2万5000~1万年前)に、狩猟などの石器として使われていました。遠軽町では、国指定史跡「白滝遺跡群」として100ヶ所あまりの遺跡が発見されています。発見された石器の数々は、白滝ジオパーク交流センターの2Fにある「遠軽町埋蔵文化財センター」で保管、展示されています。ジオツアーの後は、ぜひ寄ってみてください。

 
白滝ジオパークの(左から)佐野恭平さん、内河智美さん、熊谷誠さん▲白滝ジオパークの(左から)佐野恭平さん、内河智美さん、熊谷誠さん
 

八号沢露頭は、ただ見るだけなら「大きな岩だねー」「なんかすごいねー」で終ってしまいますが、そこはジオツアー。大昔の火山活動のこと、火砕流や地形のこと、黒曜石のさまざまな形状のことなどスタッフが丁寧に解説をしてくれ、また「これはどうなの?」「あれはなに?」という北海道Likersの質問にはすべて即答。ジオツアーに参加することで、ますます黒曜石への興味が深まること間違いなし!
 
ところで、八号沢露頭やその先の頂上へ行くと、足元に黒曜石がゴロゴロ落ちています。つい「記念に…」と持ち帰りたくなりますが、白滝の黒曜石は大切な資源です。岩から削ったり、落ちているものでも、持ち帰ってはいけません。「一個くらいいいべさ」は、絶対にダメです。アポイ岳ジオパークにもありましたが「とっていいのは写真だけ。残していいのは思い出だけ」です。

 

北海道のジオパークとは

北海道にはいま、5ヵ所のジオパークがあります。ユネスコ世界ジオパークに認定されている、洞爺湖有珠山ジオパーク(伊達市・豊浦町・壮瞥町・洞爺湖町)、アポイ岳ジオパーク(様似町)、日本ジオパークに認定されている、白滝ジオパーク(遠軽町)、三笠ジオパーク(三笠市)、とかち鹿追ジオパーク(鹿追町)です。

 

北海道博物館特別展「ジオパークへ行こう!」

7月9日(土)~9月25日(日)、北海道博物館で北海道のジオパークを展示、紹介する特別展「ジオパークへ行こう!~恐竜、アンモナイト、火山、地球の不思議を探す旅~」が開催されます。この特別展を見てから、道内各地のジオパークへ行くか、それとも各地のジオパークへ行ってから特別展に行くか。行ってから見るか、見てから行くか、悩ましいところですが、道内の人も道外の人も、この機会にぜひ北海道のジオパークを体験してみてください。
 
 

関連リンク

白滝ジオパーク
白滝ジオパーク交流センター
遠軽町埋蔵文化財センター facebook
北海道博物館
とかち鹿追ジオパーク
アポイ岳ジオパーク
洞爺湖有珠山ジオパーク
三笠ジオパーク
日本ジオパークネットワーク

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