豆の風味と個性が光る「石黒商店」の「甘納豆」



どれを食べても甘ったるい。正直なところ、甘納豆にはそんな印象しか持っていなかったので、「はこだて甘納豆 石黒商店」の甘納豆を食べて驚きました!金時豆は金時豆の、白花豆は白花豆の、大豆は大豆の風味がちゃんとある。そして、食感はしっとり。豆の個性が輝く甘納豆に出会ったのは初めてでした。

 

豆問屋ゆえに追求した豆の味わい




石黒商店は、昭和23年に先代が創業した雑穀問屋から始まりました。函館市内の製菓店に豆を卸すほか、餡を作る仕事もしていたそうです。
高度経済成長期、徐々に小売店や専門店が姿を消していく中、取引先の一軒もお店を閉めることに。それが、函館市内に唯一残っていた甘納豆をつくる製菓店でした。
「うちの親父にその技術を学べと、半ば強引に修業をさせられた…というのが始まりです」。石黒孝一さんは、当時をそう振り返ります。

 

 

ですが、修業といっても「10日か2週間で基本の工程を教わったのみ」。あとは独学です。その製菓店の甘納豆も、いわゆる甘ったるいタイプ。幼い頃から豆に囲まれて過ごし、また豆の目利きに長けていた石黒さんにとって、「どれを食べても同じ」という甘納豆では納得がいきませんでした。ついには卸の仕事はきっぱりと辞め、甘納豆ひと筋でいくことを決意。今から25年前の話です。

 

 
金時、小豆、とら豆、白花豆など、それぞれの豆が持っている本来の風味を引き出すために、石黒さんは毎日労を惜しまない仕事をします。浸水させ、炊いて、蒸らす。その日の豆の味、状態によって蜜の甘味を決め、漬けるタイミングや時間を計る。日々豆と対話をするかのように、経験と感性を生かした丁寧な工程は、まさに職人仕事です。

 

少しずつ、食べ切れる量を計り売り 

石黒商店では、100gから50g刻みで計り売りをしています。賞味期限がわずか2週間。保存性よりも、豆の風味が生きる甘味の加減を大切にしています。



 

10種類の甘納豆商品がありますが、ほとんどの豆は北海道産を使っています。おすすめは金時や白花豆など4種類の甘納豆を楽しめる「彩」、そして珍しい大豆の甘納豆「たま福来(ふくら)」。たま福来は大粒の大豆“たまふくら”という品種を使い、食の専門家がセレクトする「北のハイグレード食品」に選ばれています。
 


 

手間をかけて炊きあげた甘納豆は豆の個性が輝き、しっとりした食感といい、甘さの具合といい、手が止まらなくなるおいしさです。地方発送もしているので、取り寄せてホッと和む時間を楽しんでみてはいかがでしょう?