イランカラプテ~はじめての冬の平取・阿寒探訪


 
イランカラプテ~!(※1)アイヌ文化を見て、聞いて、感じる、アイヌ文化モニターツアー第3弾が先日行われました。行先は平取(びらとり)と阿寒。アイヌの伝統文化に触れ、実際に体験してきました。

 

平取と阿寒アイヌ文化に触れるバスツアー

アイヌ文化を見て、聞いて、感じるアイヌ文化モニターツアー「~イランカラプテ~はじめての冬の平取・阿寒探訪」が、2月25~26日に行われました。
これは、「イランカラプテ」推進協議会の事業の一環として行われたもので、昨年11月に開催された「はじめての白老探訪」「はじめての平取探訪」に続く第3弾。今回の行先は、平取経由~阿寒の一泊二日のツアーです。
 
最初に訪れたのは平取町の二風谷アイヌ文化博物館。ここでは、学芸員が展示物を説明してくれました。アイヌの神様についての考え方や「チセ」と呼ばれる家での出迎え方など、身振り手振りで話す様子に、参加者も聞き入っていました。


 
 


 

博物館の後は、平取町内のアイヌの伝承地巡りへ。一般の人は入ることができないというエリアでは、学芸員によるアイヌ口承の披露もありました。


 
 
 

アイヌ古式舞踊を観賞

平取を後にしたツアーバスは、阿寒へ。この日の宿泊ホテル「あかん湖鶴雅ウィングス」で夕食をとり、一休みした後は、北海道Likersでも紹介したことがある「阿寒湖アイヌシアター イコロ」でアイヌ古式舞踊の観賞です。




 
アイヌ古式舞踊は、国の重要無形文化財に指定されたアイヌ文化です。北海道の自然を尊び、共存してきたアイヌ民族が、動物や自然、狩猟や遊び、喜びなどをさまざまな踊りで表現します。
 




 
アイヌの楽器「ムックリ」が独特の音色を響かせ、女性たちが独特の旋律で歌い、時には長い黒髪を上下左右に振り回しながら激しく踊ります。アイヌ語の意味はわからなくても、その音色や動きから、アイヌの人たちが大切に継承してきた「伝統」や「想い」がしっかり伝わってきました。

 

ギャラリー観賞では作家本人の解説付き

翌日は、「あかん湖鶴雅ウィングス」ロビーギャラリーに展示されている木彫り像の観賞からスタートです。ホテルのロビーには、北海道Likersでも紹介したことがあるアイヌの彫刻家・藤戸竹喜さんの作品が多数展示されています。藤戸さんは、札幌駅西口コンコースにあるアイヌ民族の木彫りの像の中心に立つ「エカシ像」を制作した方です。

 


 
作品鑑賞には、藤戸さん本人の特別解説付き。藤戸さんもこのような解説は初体験だったそうですが、慣れないながらも参加者からの質問に丁寧に応えながら、作品一つひとつを解説していました。


 




作品をつくった作家から、経緯や苦労話などを聞けると、目の前の彫刻によりいっそう興味がわきます。一歩踏み込んだ作品鑑賞は、参加者たちにも深く刻み込まれたのではないでしょうか。

 

ムックリとししゅう制作体験

今回のモニターツアーには「体験」も含まれています。それが、阿寒アイヌコタンでの特別プログラム「ユカラの語り」と、「ムックリ」「ししゅう」制作。昨晩アイヌ古式舞踊を観賞したイコロに再び向かいました。
「ユカラの語り」では、床みどりさんから、アイヌの地名、植物、食生活などについて話がありました。


 
 


 

体験では、ムックリとししゅうコースに分かれてスタート。ムックリとはアイヌの伝統楽器で、口琴とも呼ばれています。
 


 

ムックリ制作指導の先生がいるので、初体験でも心配はいりません。彫り方が甘いと、時々先生が手を貸してくれます。
 


 


 



 
約90分の体験は、あっという間!完成したムックリを、さっそく試してみました。演奏方法は先生の見様見真似…なのですが、なかなか音が出ません。
 


 

それでも、何度もトライするうちに、あちらこちらからビョーン、ビョーンとかすかに音が聞こえてきました。「そのままで音が出せるようになったら、次に口に加えると、音が響くようになります」と先生。ムックリ演奏家への道は、まだまだ遠いようです。

 

アイヌ料理に舌鼓

ツアー二日目のランチは、アイヌの伝統料理でした阿寒アイヌコタンにある「民芸喫茶ポロンノ」でいただいた、「オハウ」と呼ばれる汁物。鹿肉=ユックの入った「ユックオハウ」です。ご飯は、豆やギョウジャニンニクを干したものを一緒に炊き込んだもので、小鉢はメフン(鮭の腎臓の塩辛)です。




ユックオハウは、昆布出汁と塩味のあっさりした味付けなのですが、ゴロゴロ入った野菜や柔らかな鹿肉からもうま味がしみ出ていて、とても優しい味わい。阿寒に来たら、もう一度食べたい!と思いました。
 
アイヌ文化にたっぷり触れて、体験して、味わって、ツアー一行は札幌への帰路につきました。
 
今回は、モニターツアーということでしたが、今後道内外はもちろん、海外の方も参加できる定番ツアーになるかもしれません。個人ではなかなか知ることができない、触れることができないアイヌ文化も、このようなツアーがあればとても身近に感じることができるはずです。北海道Likersでは、これからもこのようなツアーがあれば紹介していきたいと思います。皆さんも、機会があれば、ぜひ参加してみてください。
 
 
※1:イランカラプテ~!
正式には小さい「プ」と表記します。
 
 

関連リンク

イランカラプテキャンペーン
二風谷アイヌ文化博物館
株式会社JTB北海道 

 

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