別海町で真冬の野付半島を歩いてみたら、何もなかった!

中標津(なかしべつ)空港最寄りの別海(べつかい)町・野付(のつけ)半島は、色とりどりの花やトドワラなど美しい自然の光景で人気を集める観光地ですが、冬はどうなんでしょう?歩いてみると、そこは何もない世界でした。




「いつもはもっと寒いんですが、今日は0度で暖かいですね」。

ガイドの石下亜衣紗さんのひとことで始まったのは、別海(べつかい)町の野付(のつけ)半島をスノーシューで歩くネイチャーツアー「トドワラ往復コース」(2時間程度、有料)です。

野付半島とは、知床半島と根室半島の間にある、釣り針のような形をした砂の半島。海水の流れに乗って運ばれてきた砂が堆積してできた島で、専門的には砂嘴(さし)といいます。野付半島は全長26kmあり、国内では砂嘴として最大の大きさを誇っています。

そしてトドワラとは、湿原の上で立ち枯れたトドマツが立ち並ぶエリアのこと。ツアーでは、ネイチャーセンターの建物からこのトドワラまでの1.3kmを往復します。

雪上を歩くにはスノーシューが必要ですが、ちゃんと貸し出してくれるので、ご安心を(有料)。

それでは行ってみましょう!



 

雪の野付半島で見た自然の芸術

往路は遊歩道が敷かれている道を進みます。といっても、冬は雪で隠れてしまっていますが。

雪の上にはてんてんと続く足跡。何の動物かと訊ねると、「これはキツネです」「あっちはシカ」と即答する石下さん。さすがです。

上空には天然記念物のオジロワシの美しい姿も。寒いところを生き抜く動物たちはたくましいですね。




途中、シュカブラも発見。シュカブラとは、隆起した足跡のことを言います。足跡というのは普通は凹みですが、踏み固められた部分の周囲が風によって飛ばされ、そこだけ盛り上がる、という現象です。




また、風紋もありました。まっさらな雪面をなでる風が、自由に描いた模様のことです。自然の芸術ですね。




昨年末から新しくなったという木道が見えてくると、トドワラももうすぐ。




凍りついたモノクロの世界は、雪のない季節のそれとは全くムードが異なります。さみしいような、切ないような…。なんて、ネガティブな単語ばかり並べてしまいましたが、それがとってもいいんです!




 

何もない、が最大の魅力!

不思議なことに、野付半島の内側の野付湾は、海なのに冬になると凍ります。そして別海町では氷平線(ひょうへいせん)と呼ばれている、氷の水平線が現れます。凍った上に雪が積もって真っ白になった氷の海の世界は、曇り空だとどこかもかしこも真っ白で、目がチカチカするほどです。




「この何もないところが冬の野付半島の魅力ですね」と石下さん。
確かに、何もありません。





春から初秋にかけては色とりどりの花が咲き乱れ、秋はススキが穂を揺らす…という美しい光景で観光客のハートを掴んでいる野付半島ですが、冬はこの何もなさが貴重な体験なのです。

帰りは来た道ではなく、ショートカットで、凍った海上や干潟の上を歩くのですが、足の下が海…と思うと、なんだかワクワクするから不思議です。




凜と凍てつく空気のなか、雪と氷の景色のなかを歩くアクティビティ。​野付半島は中標津空港から車で40分くらいです。みなさまの北海道旅行のコンテンツのひとつに、強く推します!


※干潟や海上はガイド同行でないと行けません。