道路に連なる矢印の正体は?あなたの知らない「矢羽根」の世界



北海道の道路でよく見かける、空中から吊るされた下向きの矢印。通称「矢羽根(付きポール)」が連なる道路は、北海道らしさを感じる風景のひとつです。
 
矢羽根とは、道路の境界を示す標識のこと。雪道で外側線(白いライン)が見えなくても、矢羽根のおかげで路肩を意識して走ることができるのです。吹雪などの視界不良時にも頼りになる大切な道標です。
 
 
 

矢羽根の存在を知っている北海道Likres読者は多くても、詳細を知る人は意外に少ないのではないでしょうか。そこで、国道に矢羽根を設置している国土交通省 北海道開発局に話をうかがいました。
 
 
 
 

あなたの知らない「矢羽根」の世界

――矢羽根とは、そもそもどういうものでしょう?
 
「正式な名称は、『固定式視線誘導柱』。ただ、我々も普段は矢羽根と呼んでいます。矢印が国道の外側線を指し示しています。主に積雪の多い区間、吹雪の危険度が高い区間、カーブの多い区間などに設置。現在、国道に約10万本を設置しています。
 
積雪や吹雪の時、路側の位置を示す役割があるのはもちろん、夏でも天候の悪い時、外灯が少ない道路でも、名前の通りドライバーの視線を誘導。1年を通して視線誘導施設として使われています」。
 
 
 

――確かに、濃霧の時に矢羽根が見えるとホッとします。ところで、矢羽根にはいろんな種類がありますよね?
 
「各メーカーで異なりますし、各地域の事情で選定するタイプが異なります。統一はしていません。代表的なものでは赤×白、蛍光の黄色×濃紺の組み合わせ。古いタイプは反射シートが取り付けてありますが、最近は自発光機能(LED)を付加したものが多く、LEDの色や数もさまざまです」。
 
 
 

――矢羽根の大きさはどれくらいでしょう?
 
「矢羽根は縦1m20cmと、結構な大きさがあります。幅は矢印部が35cm、それ以外は15cm。基本的に路面から5mの高さに設置されています。設置間隔は概ね80m以下で道路状況、気候条件で異なります」。
 
 
 

――120cmって、子どもの背丈くらいあるんですね!矢羽根はいつ頃、登場したのでしょう?
 
「歴史は意外に古く、戦後すぐの1945年が最初といわれています。進駐軍の指示で道路除雪をする際、当時の除雪機械は小回りがきかず、側溝に落ちるのを防ぐため、垂木の頭に笹の葉を束ねたものを使ったといわれています」
 
――ずいぶん、シンプルな(笑)。そして、当初は除雪作業の視線誘導が目的だったんですね?
 
「そうです。その後、スノーポールが使用されましたが、作業中に折れることが多く、支柱に矢羽根をつけるタイプが登場。以前は夏期には取り外していましたが、固定式となってからは、一般ドライバーの視線誘導という交通の安全でも大きな役割を担うようになりました。
最近は景観にも配慮。矢羽根の大きさ、支柱の形状や太さなどが考慮され、現在の形に落ち着きました」。
 
――見慣れた矢羽根にも、いろんな変遷があったのですね。ありがとうございました!

 

もうひとつの冬道の知らない世界「防雪柵」

北海道の冬道で矢羽根のほかに気になるのが、「防雪柵」。最後に防雪柵についても少しご紹介。風の力を利用し、道路に降る雪を飛ばすなど、吹きだまりや視程が悪くならないよう防ぐ柵のことです。「吹きだめ柵」「吹き止め柵」「吹き払い柵」「吹き上げ防止柵」の4タイプがあり、設置場所や気象条件によって使い分けているそうです。
 
 
 

少々マニアックではありましたが、冬道の安全を守る矢羽根と防雪柵の世界、いかがでしたか?取材中、「北海道の信号や道路案内標識(青看板)は、ほんの少し傾斜をつけて設置し、着雪を防いでいる」という話も聞くことができました。
 
 
 

何気なく見ていた道路の付帯施設ですが、北海道ならではの事情を加味し、知恵と技術が詰まったものだったのですね。どうぞ安全で快適な冬道ドライブを!
 
 

関連リンク

国土交通省 北海道開発局