林業の頂上決戦!中川町「第3回きこり祭」



明治時代から高級家具や楽器の材料として欧州に輸出された、道北中川町の木。計画的に森から木を切り出すプロのきこりが、いま評判となっています。林業従事者がプロの誇りをかけて中川町に集まる「第3回きこり祭」の魅力を役場の高橋さんと、食と観光情報発信の担当者尾藤さんに聞きました。

 


 

イケメンきこりは伊達じゃない

全面積の87%が森林に覆われた、天塩川流域の山あいの町、中川。林業と酪農が基幹産業で、木々が眠りにつく晩秋から2月までが伐木・造材シーズンです。2月最後の日曜日、きこりの誇りをかけてこの町に林業従事者が結集します。
まずはポスターをご覧ください。

 



黒を基調としたインパクトあるデザインは役者を使ったものでなく、全員が中川町や近隣で林業に関わる人たち。精悍な顔つきに、きこりの気迫がたぎります。普段「きこり」という職業を目にする機会はほぼなく、筆者はきこりから童謡「森のくまさん」寓話の世界や演歌「与作」を連想し、森に斧1本で出かけそうな感覚がありました。
しかし、実際のきこりは想像以上にカッコよく、チェンソーやGPSなど現代的な道具を使うことがポスターからわかります。

 



「第1回のポスターできこりに登場してもらう際には、シャイな彼らは固辞していました。断られても実行委員会ではめげずに、道具も用意して撮影に協力をお願いしました。出来映えが良かったせいか、2回目からは了解を得るのは容易でした。私たちが嬉しかったことは撮影当日、GPSやエゾシカの角などを各自が“小道具”として持って来てくれたことです」と語るのは祭りを育ててきたひとり、中川町役場の高橋直樹さん。
そんな逸話もある、カッコイイきこりたちが本業で腕を競います。

 


前日に直前練習をしたり「とび」や「がんた」の刃を研いだりして、当日の競技に力を発揮できるよう、きこりチームは準備するというお祭りは、2016年2月28日(日)。どんな光景が繰り広げられるのでしょう。
(※以下、2015年2月15日に開催した「中川町きこり祭」の写真でご紹介します)

 

きこり祭で見せる息の合った動き

祭りの目玉は「KIKORI丸太レース」。きこり、一般男子、一般女子のチーム別で行います。きこりの部では、かつて山仕事で使われた道具3種を使い、先に丸太をゴールに運ぶ勝ち抜き戦が、最大の見どころ。きこりチームには、プロの名に恥じぬ正確な道具さばきが求められます。

 



この祭り、林業の盛んな中川町をPRすることも目的ですが、実はもっと大事なことがあるそうです。
「現役を退いた元きこりも、中川町には多く暮らしています。この祭りを観戦する古老の中には、チームの動きを観察しながら『あの向きでは、とびの刃がかからん。木は動かん』と、ぼそっとつぶやく人もいます。実際に彼の指摘どおり、丸太は思うようには動きません。きこりの目は確かです」と語る高橋さん。

 



「祭りの真の目的は、地域や世代を超えて全てのきこりが元気になること。『現役の林業従事者が、高齢のきこりの技に及ばないこと』がある。これこそが祭りの面白さであり、来場者数の多さよりも重要と考えています」。こう話す高橋さんと尾藤さんからは、中川町への“想い”を感じました。

 


 



真剣勝負のプロの仕事とは違い、一般の部では思いどおりに動かないことも。長さ3.6mの丸太はズッシリ重く、やみくもに力を入れても動きません。
各チームで順位が決定すると午後の表彰式に移ります。入賞したチームはプロも素人も、みな清々しい表情をしていますね。

 


 



地域おこし協力隊の尾藤さんは、中川町の食と観光に関する情報発信を担当する仕事で、きこりに接するうち、彼らのプライドにいつしか共感。きこりを発信すべく模索中です。「中川町の林業従事者は30名ほどいて、6割が町出身者です。他に比べて若手が多く30代から40代が活躍しています。昨年のきこり祭では、前任者の地域おこし協力隊員が大切に温め続け発案した『イケメンきこりコンテスト』を来場者の投票で実施。大いに盛り上がりました」
お祭り当日、尾藤さんはスタッフとして会場のどこかにいます。

 

美しい森から家具が生まれる

中川町で産出される希少価値の高い木材。この祭り以外にも町では木材のブランド化を進めています。厳しい気候に育つ木だからこそ、家具になった時の美しさは他産地の木材とは大きく異なるようです。

 


 



きこりの誇りを間近に見て体験できる厳冬の催し。天塩川の氷が解けて春が来ると、中川町では山に若木を植えて除伐や間伐、下草刈りなどきこりの仕事が目白押しです。この祭りから、未来のきこりが生まれる・・・かもしれません。

 


 


 



山あいの集落に歓声がこだまし、出場者全員が技を発揮する1日。中川町のきこり祭で、リアルな林業に触れてみてはいかがでしょう!

 

 

中川町 第3回きこり祭

なかがわの森 オフィシャルホームページ
中川町地域おこし協力隊Facebookページ

●交通アクセス
(1)JRから徒歩で JR札幌駅から稚内行き特急スーパー宗谷か特急サロベツに乗車して約4時間、JR天塩中川駅にて下車し徒歩約2分、200m
※タクシー利用の際は予約をお奨めします(平和ハイヤー TEL 01656-7-2111
(2)マイカーで 札幌市から高速道路を利用して約4時間20分、約280km。旭川市から約2時間40分、約150km