廃線跡巡り~平取町の振内鉄道記念館


 
北海道には各地に鉄道の廃線跡があります。今回紹介する場所は、日高地方の平取(びらとり)町にある振内(ふれない)鉄道記念館。元々は国鉄富内(とみうち)線の振内駅がありました。当時の駅舎は現存しないものの、ホームの一部や備品など、当時の面影が残っていました。
 

国鉄富内線って?

国鉄富内線は、鵡川駅(むかわ町)から振内駅を経由して日高町駅(日高町)まで走っていた鉄道です。戦前から戦後にかけて少しずつ延伸開業をし、路線を伸ばしてきました。
 

 
振内駅が開業したのは1958(昭和33)年。平取町初の鉄道路線の開業でした。以来長年、地域住民の足として旅客営業をするほか、材木など森林資源を輸送する貨物営業もしていました。
 

 
ところが、赤字路線だったため、1986(昭和61)年11月1日に全線廃止となりました。
 

 
富内線と振内駅が廃止になってから既に約30年経過しましたが、駅があったという証は現在でも残っています。それが、振内鉄道記念館です。
 

 

振内鉄道記念館の中を見学

当時の駅舎はありませんが、建物内には当時の面影を伝える備品が多々展示してあります。駅に掲げられていた駅名板や時刻表、保安設備などとともに、路線や駅の歴史を紹介するパネルも掲示されています。
 

 
振内駅に関する展示が中心ですが、平取町内にあった他の無人駅の駅名板なども集められ、一緒に展示されています。
 

 
振内駅が木材輸送の拠点だったことを偲ばせるような、一風変わった展示物もありました。
 

 
巨木の年輪にあわせて年表が記されています。年輪の1番外側は富内線が廃止された年。中心に向かうにつれ、富内線の開業、日本最初の鉄道の開業、英国での蒸気機関車の発明などが記されています。中心はさらに昔です。
この木が伐採されたのは富内線が廃止された翌年のようです。ということは、この木は人類が鉄道を発明する前からこの世で生き続けてきたのですね。
 

 
建物内を見学するには、事前に平取町役場振内支所へ連絡しないと入ることができませんが、屋外は自由に見学可能です。
屋外に出てみます。
 

旧振内駅のホームなどを見学

建物裏手に、昔の線路跡とホーム跡が残っています。
 

 
赤さびたレールと木の枕木があり、少々崩れかけてはいますが、当時のホームも残っています。
 

 
青い色をした古い客車は、春から秋にかけてはライダーハウス(簡易宿泊施設)として利用されています。ガラスごしに中をのぞいてみると、一部がカーペット敷きになっているほか、座席部分は昔の客車列車のシートそのものという雰囲気でした。昔の夜汽車の旅を楽しめるかのような佇まいです。
 

 
ここに展示されている客車やSLは、富内線で活躍していたものではないようですが、雰囲気を伝えるのには大事な存在。昔の風情を楽しむことができます。
 
駅構内の一部分だけだとしても、30年前に不要になったホームや線路、駅名板などが残っていること自体、とても貴重なこと。月日が経つごとに、鉄道遺産としてより価値が増すのでは?
振内鉄道記念館は、平取町中心部から日高町へ通じる国道沿いにあり、アクセスしやすい場所にあります。とても手軽に、廃線跡巡りを楽しめるスポットです。