2015年11月22日 | nobuカワシマ

廃線跡めぐり~中頓別町の天北線跡

旧天北線の敏音知駅跡にあるモニュメント

北海道北部に昔、天北線という鉄道が走っていました。廃止されてから四半世紀過ぎましたが、現地には鉄道が走っていた証がいくつも残っています。今回、中頓別(なかとんべつ)町にある廃線跡を探りました。さあ、ちょっぴりマニアな旅へ!

天北線は旧国鉄の鉄道路線で、音威子府(おといねっぷ)からオホーツク海側を経由して稚内まで結んでいました。かつては札幌発着の急行列車も走っていましたが、利用者の減少のため、1989(平成元)年5月に廃止されました。
 

マニアならきっとわかる!? 廃線跡その1 旧 小頓別(しょうとんべつ)駅

音威子府から国道を中頓別方面へ進み峠を越えると、中頓別町の小頓別地区という、山間の静かな集落に到着します。
地区の中心部付近には、小頓別バスロータリーがあります。一般の方なら見過ごしてしまうかもしれませんが、廃線好きの方ならきっと気づくはず。ここが鉄道跡、昔駅があった場所なのです。

旧天北線の小頓別駅前跡のバスロータリー ▲小頓別バスロータリー。昔々、ここの正面に駅舎があったんだなー、って想像(妄想!?)してしまいます

バスの待合室に行ってみると、かすかに鉄道の痕跡を発見!

小頓別バス乗り場▲「小頓別駅」と書かれた立派な木製の駅名版が残されていて、バス待合室の壁に掲示されています

小頓別地区はかつて林業で栄えたところ。さらに、枝幸町歌登地区に通じていた歌登町営軌道という鉄道の始発駅でもあったため、交通の要衝でもありました。
かつて繁栄していた面影を垣間見る建物が、旧小頓別駅前にはあります。

中頓別町小頓別にある旧丹波屋旅館▲国の有形文化財に登録されている「旧丹波屋旅館」

国道を渡った目の前に建つ、「旧丹波屋旅館」です。大正時代に建てられた和風建築と昭和初期に建てられた洋風建築が組み合わさった、独特の形状をしています。
かつては材木商や乗り換え客などで賑わっていたそうですが、天北線の廃止とともに旅館の営業は終了しました。旅館が建ち増築までして営業していたことを思うと、かつてはかなり賑やかだったのでしょう。ふと思いを馳せてしまいます。
 

道の駅巡りとともに巡る 廃線跡その2 旧 敏音知(ぴんねしり)駅

敏音知って読めますか?ふりがながないと読めない方も多いですよね。でも、道の駅巡りが好きな方ならご存知かも。
正解は、ぴんねしり。
小頓別地区を後にして数キロ進むと、道の駅「ピンネシリ」があります。ここが、かつて天北線の敏音知駅があった場所です。

道の駅ピンネシリ ▲道の駅の入口には、旧小頓別駅と同じく、旧敏音知駅の木製看板がありました

道の駅にはオートキャンプ場が併設されていて、その一角に鉄道跡があります。
昔鉄道があったことを示す石碑があり、ホームや駅名板などが再現され、モニュメントのようになっています。線路と枕木もあり、これはもしかしたら当時のものかも!?

旧天北線の敏音知駅跡にあるモニュメント、石碑▲旧敏音知駅の石碑、駐車場からすぐ見える場所にあります

旧天北線の敏音知駅跡にあるモニュメント▲雑草が生い茂る中に、線路と砂利も見えます

敏音知という風変りな名前の由来は、アイヌ語で「ピン・ネ・シリ」が由来で、男の山、という意味です。駅の背後には、アイヌの人たちに男の山と呼ばれていた敏音知岳がそびえていて、道の駅ピンネシリでは登山の入山届手続きもしています。
ちなみに、女の山と呼ばれていた山もすぐ近くにあり、松音知(まつねしり)岳といいます。

旧天北線の敏音知駅跡と敏音知岳▲旧敏音知駅のモニュメントの後ろに、敏音知岳がドーンとそびえています
 

道路沿いにも痕跡が! 廃線跡番外編 敏音知跨線橋

廃線跡に近い道路を走っていると、何もない場所にも関わらず陸橋になっている場所があります。廃線探索の時は、こういう場所が「臭い」のです。きっと何かがあるという、マニア的な嗅覚が働きます。

道路沿いの看板を見て「跨線橋」と書いてあれば、大当たり。跨線橋とは、線路を跨ぐ橋、ということなので、橋の下に鉄道跡ある、という紛れもない証拠なのです。

旧天北線の陸橋跡▲国道沿いにある、敏音知跨線橋の看板

橋の少し先から脇道にそれ、廃線跡らしき場所を見つけることができました!
一般の方はコレを見て何が楽しいの?と頭の中に疑問符がいっぱい浮かんでいるかと思います…。でも好きな人はこれで、ときめいちゃうんです! 

旧天北線の線路跡 ▲鉄道が走っていたことを彷彿させる、木々の間を抜ける空間。草むらの下には砂利も残っていました

とはいえ、橋の下まで降りられるような場所はそうそうありません。崖や急斜面では危ないですし、森の中では熊さんに出会うかもしれません。そもそも、私有地なら勝手に入るわけにもいきません。巡る時には気を付けて訪れたいですね。
 

鉄道の歴史をしっかり見たい! 廃線跡その3 旧 中頓別駅

中頓別町の中心部に、旧中頓別駅があります。旧駅の構内は整備され、現在はバスターミナルを中心にした天北線メモリアルパークという公園になっています。

旧天北線の中頓別駅にある気動車 ▲派手な色に塗りかえられていますが、昔の懐かしい気動車、キハ22が保存されています

旧駅前広場には、昔活躍していた気動車が保存展示されているほか、綺麗な木造のバス待合室の2階は鉄道記念館になっています。

旧天北線の中頓別駅にある鉄道記念館 ▲明るいバス待合室の2階にある鉄道記念館、中頓別駅の木製駅名板もあります

小さなスペースではありますが、天北線にまつわる写真や備品などが展示されています。昔の面影や歴史を堪能することができます。
一角にはショーケースがあり、中には駅の改札で使われていた案内板や、窓口で使われていた備品なども展示されています。

旧天北線の中頓別駅の鉄道記念館内の備品 ▲急行天北の案内板など、懐かしいものも残されています

旧天北線の中頓別駅の鉄道記念館内の備品 ▲上野~青森間を結んでいた特急「はつかり」のスタンプも。かつて北海道本州間の移動の主流が鉄道だったことを思い起こさせます

建物の外に出ると、廃止になった鉄道の代替で走行している路線バスがやってきました。一部の区間では路線バスから乗合タクシーへ変更になる予定もありますが、地域の足を担う大事な存在にはかわりありません。 2015年現在では、路線バスのほか、旭川と稚内を結ぶ都市間高速バスも発着しています。車社会となり利用者が少なくなったとはいえ、町の玄関であることには変わりありません。

旧天北線の中頓別駅の気動車と代替バス ▲代替バスと保存されている気動車のツーショット♪

北海道内には各地に鉄道が走っていた跡があります。観光施設になっている場所もあれば、完全に痕跡がない場所、記憶をとどめるよう一部の設備を残している場所もあります。鉄道跡を巡ることで、その土地の歴史や文化も垣間見ることもできます。
中頓別町内に残る、旧天北線の跡巡り、いかがでしたか?興味ある方、いつか機会がありましたら、ふらりと眺めに行ってみて下さいね。

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