2012年12月25日 | 孫田 二規子

漁師が手作りする漁の道具/羅臼町

「どこの店でも、こんなにいいものは手に入らないよ」。
そう言って相好を崩し、自作の漁具を見せてくれたのは、羅臼町在住の桜井栄さん。
御年82歳。鮭の定置網漁師を定年後、自宅裏の製作小屋で木製漁具を手作りしています。

 

 
上の写真の漁具は、アバリ。網を修理する専門の道具で、桜井さんがつくったものは漁師の間で「使いやすい」「折れづらい」と評判だそう。 「漁師時代から自分で作って使っていたから、どうしたら使いやすいのかがわかるのさ。私に限らず昔の漁師は、こうやって自分で使いやすいように、こしらえていたんじゃないのかね」と語ります。

 
▲製作小屋にて、アバリを手に、昔話を語ってくれた桜井さん

 
網を切ったり魚をさばいたり、現場で使う和式のナイフ「マキリ」の鞘の柄も彫っていました。 これがなんとも立派で! 見て下さい、こちらです!

 
▲桜井さんがデザインから手がけて彫ったマキリの鞘。かっこいい!

 
「堅い木を選んで、1年くらい乾かしてから、2カ月かけて彫っていくの。虎とか龍とか鷲とか、いかめしい柄をね」と桜井さん。 昔より目が見えづらくなったといいますが、機械を使うと細かい作業ができないからと、いまだすべて手作業です。

 
▲こちらが鞘を彫る時に使う彫刻刀。自分で作ったものもあります

 
昔はこうした“自分だけの鞘"を腰に下げていた漁師が、今よりずっと多かったそう。さしづめ、雨の日も風の日も共にする相棒ということろでしょうか。時間とともに、こっくりとした飴色に変化していくのが感慨深いですね。
 
なお、桜井さん作のアバリやマキリの鞘は、羅臼漁業協同組合で取扱いしています。興味のある人は、そちらへお問い合わせを。

 

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