学び舎で親しまれる名建築「北星学園創立百周年記念館」




敷地のちょうど真ん中、校舎に囲まれた中庭に建つ三角屋根に芥子色の家。ここが「北星学園創立百周年記念館」です。この建物は1926(大正15)年に女性宣教師の住居として建てられ、戦前戦後に多くの宣教師や外国人教師がここで暮らしていました。北星学園の在校生だけでなく、卒業生や地域の人たちにも親しまれている建物で、1998(平成10)年には国の登録有形文化財に指定されています。





1階は女性宣教師たちが生活していた時に使っていた電気スタンドや机、北星学園創立者のサラ・C・スミス先生が自費で米国から取寄せたオルガン、ヒンデルの設計図や創建当時の写真が置かれ、2階は学園の歴史を伝える展示室として一般公開しています。
外国から来た女性宣教師たちの生活ぶりは、一般的な日本家屋とは全く違う世界が広がり、当時の女学生たちにとって、この館は憧れの場所だったに違いありません。








2階には、北星学園の歴史を伝える史料や卒業生の思い出をくすぐる物が数多く展示されているほか、宣教師たちが教材づくりで使った道具や札幌の古いまちの様子がわかる地図、宣教師たちのメモが記されている写真など、学園だけでなく札幌の歴史がわかる貴重な資料も収められています。アルバムや英語の教科書などは当時の記憶をよみがえらせる引き金になるようで、いくつになっても卒業生が「女学生」に戻る場所にもなっているのだとか。




















この建物を実際に設計したのは、スイス人建築家で「北海道の近代建築の開拓者」といわれるマックス・ヒンデルですが、ヒンデルが来札する前に北見のピアソン邸を手掛けたW.Mヴォーリズの設計案も残されています。両者の図面や資料も多数展示されているので、百周年記念館は建築好きな人にもぜひ訪れてほしい場所です。














北海道の女子教育に熱意をもって取り組んだ女性宣教師たちの温もりと、学園の記憶を遺す百周年記念館。楽しい時代も苦しい時代も、宣教師からキリスト教の精神を学び明るく生きた女学生たちの日常を伝える展示から、札幌が歩んできた歴史の移ろいを感じてみては。




 

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北星学園創立百周年記念館
北星学園創立百周年記念館(札幌市)

 

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