2015年09月28日 | nobuカワシマ

抜海駅~日本最北端、木造駅舎の無人駅~

抜海駅に停車中の普通列車

稚内市にある、JR宗谷線の抜海(ばっかい)駅は、日本最北端にある無人駅です。長年風雪に耐えてきた木造駅舎は趣があり、映画やドラマのロケにも利用されました。鉄道ファンが数多く訪れるのも納得、という風情です。

 

大正時代に建てられた木造駅舎が現役

抜海駅は、稚内駅からふたつ手前にあり、無人駅としては日本最北端。北へ向かう鉄路の終端である稚内駅に比べると地味ですが、最北端の無人駅へ訪れる旅行者も数多くいます。

 
抜海駅の駅舎とホーム▲駅舎は稚内行のプラットホームにあります


駅の開業は1924(大正13)年、当時の木造駅舎が現役で使用されています。修繕や改修はされてきたようですが、昔の面影と手作り感を感じる駅舎です。もしここにSLが走っていたら、とても絵になる風情に感じます。

 
抜海駅の駅舎▲風雪が入りこまないよう、二重扉になっています

 
抜海駅の駅名版アップ▲ホーム側にある駅名版、よく見ると文字盤は小さい貝殻を貼りあわせてできています

 

停車する列車は1日上下5本

2015年9月現在、抜海駅に停車する列車は普通列車のみ。1日に上下各5本の普通列車がやってきます。
雨が降りしきる抜海駅に、稚内行の普通列車がやってきました。

 
抜海駅に入ってきた普通列車▲稚内行の普通列車が、抜海駅の構内へと入ってきました


1両編成の普通列車が到着。
ぱらぱらと雨が降る音しかしなかった無人駅に、列車のエンジン音と、ワンマンカーであることを案内するアナウンス音が繰り返し響いていました。
列車内には乗客はいましたが、ホームには人の気配はなし。誰も降りることもなく、乗ることもなく、列車は駅を静かに発ちました。

 
抜海駅を発車した普通列車▲カタンコトンという列車の音が、少しずつ小さくなっていき、原野の中へと消えていきました


抜海駅の周辺は、牧草地や笹に覆われた野原が目立ちます。人家の数は、片手で足りるほどしか見当たりません。
抜海の集落は、駅から約1.5キロメートル離れた海沿いにあります。近年はゴマフアザラシの群れを見ることができるスポットとして、観光客に知られるようになった抜海港がある周辺です。駅の静けさとは対照的な印象です。

 

人の温もりがある最北端の無人駅

街から離れ乗客が少ない無人駅とはいえ、人の温もりがありました。
 

抜海駅ホームの花▲プラットホームの脇には、綺麗な花が並んでいました


綺麗に清掃された駅舎、赤と白に塗られた明るい雰囲気の待合室、ホームに並ぶ花、ベンチに用意されている座布団。駅の各所に、利用する人に対する、おもてなしの心を感じます。
 

抜海駅の待合室▲待合室の中にあるベンチには座布団がありました


抜海駅はかつて、映画「南極物語」(高倉健主演)やテレビドラマ「少女に何が起ったか」(小泉今日子主演)の撮影に使われました。最北端の駅というだけではなく、ロケ地でもあるため、鉄道ファンのほか映画ファンなども訪れます。
待合室の一角には、この駅を訪れる人たちが用意したと思われる、観光客が想いを記すノートも置いてありました。
 

抜海駅に置いてある旅ノート▲日本人だけではなく、台湾やシンガポールなどから訪れた人たちも多数書き込んでいました


世界各地から訪ねてきた人たちのコメントを眺めていると、この人はどんな旅をしているのだろう、この人は似た感性だな、などと想像しはじめてしまいます。たとえこの場で人と会うことがなくても、心が和みます。
 

抜海駅の駅舎▲古くても手が行き届いている駅舎


ちょっと郷愁と哀愁が漂う木造駅舎の無人駅。日本最北端を目指すなら、ここもぜひ訪れたいスポットです。ただし、列車の本数が少ないので、列車で訪れる時は時間に気をつけて。

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