北海道〝カメラマン〟あるある

撮影したおいしいものが食べ放題?クマなど野生動物を撮り慣れている?札幌在住の5人のプロカメラマンに、北海道〝カメラマン〟あるあるを語ってもらいました。展覧会情報と合わせてご紹介します!

 

雪ネタは豊富にあります!

北海道〝カメラマン〟あるあるで最も多かったのが、雪ネタ。


先日、ヨーロッパ最大の写真コンペティション「PX3」の2部門で、ブロンズ賞という名誉ある賞を受賞した齋藤義典さんは、季節はずれの大雪で、予定外の大出費に腹を痛めた経験があるといいます。





「まだ降雪の気配がなかったある年の10月。札幌から夏タイヤで道東~道北にでかけたら、台風の影響で大雪に見舞われまして。札幌に帰るには峠をこえなくてはいけません。撮影の空き時間を使ってタイヤに巻くチェーンを探しましたが、どこにも売ってないんですよね、これが。結局、冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)を4本揃えました」。

タイヤ代の総額は20万円弱。でも、どう考えても命の方が大切ですよね…。

 



今年2月、強烈な暴風雪で、まさかの車中泊を余儀なくされたのは、浦島英希さんです。





「真冬の知床でタレントのCM撮影。雪が心配だったので、アシスタントを前日入りさせたところまではよかったのですが、肝心の僕の車が通行止めで立ち往生してしまったという(苦笑)。外はホワイトアウト。まさに、陸の孤島でしたよ。さすがに、その日の移動は諦めて宿泊施設を探しましたが、どこも満杯で、コンビニに承諾を取り、駐車場を借りて車中泊しました。あれはきつかったですね。次の日は体がバキバキで。結局、通行止めが解除されたのは翌日の昼。現場についた時はもう夕方で、3日間かける予定の撮影を、1日半で終わらせることになりました」。

氷点下10度をこえる環境での車中泊…。いろいろ、お察しいたします。ちなみにお風呂を近くのホテルで借りられたのが、せめてもの救いだったそうです。





道東が大好きという大滝恭昌さんは、「釧路付近の雪山で遭難しかけました」。趣味の鉄道写真を撮っていた時のことだといいます。





「夜の電車が撮りたくて、日が暮れてもちょっと無理して、山に残っていたんですよ。それで満足のいく絵が撮れたので下山したら、山頂にレンズを忘れてきたことに気付きまして。寒い中、40分かけて降りてきましたが仕方ありません。仲間に待っていてくれるよう声をかけ、ひとりで取りに行きました。が、降りる時にはもう真っ暗。道が全く見えず、さすがにこれはまずい、という状況に。とりあえず下ればいいかなと思い、道を突っ切ってお尻で滑っていたら、一筋の光が見えるではありませんか。仲間が助けに来てくれたんですね。まさに一命を取り留めた体験でした」。

みなさんは、暗くなったらちゃんと下山してくださいね!




 

畑でアスパラやトウキビを生のまま食す

第一次産業が盛んな北海道では、漁業や農業に関係する仕事もあります。

「食」の撮影が多いという石田理恵さんは、以前、漁船に乗って秋鮭を撮りました。





「海の神様のお怒りをかうため、漁は女人禁制と聞いていましたが、この時は漁師さんがOKを出してくれたんです。船上にて定置網の水揚げの様子や網にかかった鮭を撮影するという、貴重な体験をさせてもらいました。また、先日はウニ漁師さんに、生きたウニをいただきましたよ!家の冷蔵庫で、初めて、ウニが歩く姿を目撃しました(笑)」。

また、直接畑から〝もいで〟食べる野菜のおいしさも聞かせてくれました。

「アスパラやトウキビ(とうもろこし)の畑で、もぎたてをいただくと、みずみずしさと香りの良さに驚きます。そのまま生で食べるのがおいしいんですよ」

北海道は日本の食糧基地。「ビートや小麦といった原材料も普通に見られます。たくさんの食材があって、本当に面白いですよ!」。




 

クマはやっぱり怖い!

野生動物との出合いもあります。

「車で移動しながら知床の自然を撮影していたら、クマが車のすぐ前をのっしのっしと横切っていったことがありました。怖かったけれど、全然こちらを見ていなかったので、これなら安心と思い、すぐにカメラを構えてシャッターを切りました」と語るのは、川村勲さん。





以来、秘湯や秘境の撮影の時には、クマ除けスプレーなどクマを撃退するグッズを一式、バッグに潜ませています。





また、齋藤さんは、「雪で両側に数メートルの壁ができてしまった一車線の道路に、ウサギが迷い込んできたことがありました。壁が高くて戻れなかったのか、しばらく僕の車の前を走っていましたよ。なかなか足が速かったです」。

大滝さんは、「釧路湿原で撮影していた時、背中に視線を感じて振り返ると、すぐ後ろに鹿の群れが! 軽く50頭はいたんじゃないですかね。あと、クマは近くにいるとすぐにわかりますよ。独特の獣臭がするからね」。

他にもキツネ、タヌキ、アライグマ、モモンガ…など、野生動物の目撃話は尽きませんでした。

 

自然豊かな北海道が大好き!

主要な街と街の間に大自然が広がる北海道では、札幌以外で撮影となると、移動距離が半端ありません。カメラマンは、カメラやライトなど機材が多いため、自分の車で移動することもしばしば。

「地方での撮影が多い方ではない」と語る川村さんでも、「これまでの出張での最高走行距離は、1日500km走って3泊4日した時かな。4日間で2,000kmを記録しました(笑)」。

撮影時間より移動時間の方が長い、なんてこともあるようで…。

がしかし、雪害があろうとも移動距離が長かろうとも、みんな北海道が大好き。

「仕事で他の土地に行っても、飛行機を降りた瞬間に、やっぱり北海道がいいなって思いますよ。空気がきれいだし、水もいい。他の土地への移住なんて考えたこともありません」と浦島さん。

これからも北海道の魅力を、それぞれの視点で切りとって見せてください!


以上、札幌在住プロカメラマンの北海道あるある、いかがでしたでしょうか?

ここに登場した5名のカメラマンは、現在、写真展を開催しています(文中で紹介した写真も展示していますよ!)。ぜひ、北海道愛に溢れた個性豊かな作品を堪能しにお出かけください。

 

写真家4人展



大滝恭昌/川村勲/石田理恵/浦島英希の4人の作品展。展示は60数点にも及び見応え満点です。

日時/~2015年8月2日(日)
場所/コンチネンタルギャラリー(札幌市中央区南1条西11丁目 コンチネンタルビルB1)
料金/無料

写真家4人展Facebook

 

齋藤義典写真展「from Hokkaido」



パリで行われた「PX3 2015コンペティション」2部門での受賞作品「和食の心『粋』」と「北海道サロベツ」も展示しています。

日時/~2015年9月30日(水)
場所/センチュリーロイヤルホテル2階ロビー(札幌市中央区北5条西5丁目 JR札幌駅直通)
料金/無料

齋藤義典写真展「from Hokkaido」インフォメーション
齋藤義典

 

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