2015年07月19日 | うずらはしちあき

情熱の仕事人。北海道を世界のみんなの場所に!地域づくりの仕掛人「後藤健市」

地域づくりの仕掛人、帯広の後藤健市さん

地域の個性を生かした「場所遊び」の仕掛人。「地域が元気になる楽しいことをやろう!」。地元・北海道十勝、日本各地、アジア、さらにパシフィックエリアで活動を展開し、未来を見て、いまを動く。後藤健市さんに話をうかがいました。

 

「場所」で「遊ぶ」豊かな時間を生む

各地で地域活性化事業に関わる「場所文化機構」(東京)の代表で、場所文化プロデューサーの後藤健市さん。熱い思いを携えて、国内外を飛び回る日々です。
 

地域づくりの仕掛人、帯広の後藤健市さん ▲後藤健市さん。1959年、帯広市生まれ。米国留学、東京での仕事を経て、86年、26歳で帯広に戻る。以来、社会福祉事業とともに地域づくりに取り組んでいる。〈仕事・役職〉場所文化プロデューサー/地域活性化伝道師(内閣府)/合同会社場所文化機構代表/株式会社プロットアジアアンドパシフィック代表取締役会長/社会福祉法人ほくてん、北海点字図書館理事長/全国視覚障害者情報提供施設協会理事長ほか


取材にあたり後藤さんと待ち合わせた場所は、帯広の隣・幕別町郊外の丘の上に広がる小麦畑。大好きな風景があるのだと教えてくれました。

 
ビニールハウスのスノーフィールドカフェ ▲雪原に開いたスノーフィールドカフェ。設計・駆体はプロに依頼し、内部はメンバーで手作り ※提供写真


そこには以前、畑が白い大地に変わる真冬に、ビニールハウスのフレンチレストランがオープンしていました。
日高山脈を借景に、冬の澄みきった青空、星の輝き、雪原を楽しんでもらおうと発案。様々な業種の仲間とともに、この「スノーフィールドカフェ」を手がけたのは2002年。真冬のビニールハウスのレストランは、前例のない取り組みだったといいます。

「私は地域の人にとって当たり前の場所を見て、そこで何ができるか、どうやって楽しんでもらおうかと考えているときが一番楽しいんだよね」。

 
ビニールハウスのスノーフィールドカフェの料理と雪原の景色▲時間の流れとともに表情を変える景観が絶品のごちそうになる ※提供写真


「場所」と「文化」にこだわる。場所は自分たちの暮らす土地であり、自然。文化は例えば方言や建物など。それを地域の生活のなかで使い続けながら守っていこうと、後藤さんは「場所文化」という言葉をつくったのです。「身近にあるものの価値に自分たちが気づいて、生かしていこうというのが『場所文化』の考え方です」。

後藤さん曰く「場所遊び」をやるときに大切なのは、遊び心と、そこで過ごしてもらう時間の質を高める仕掛け。「あたり前の場所をデザインして、大人が楽しく遊べる高質な場に仕立てる。そこにおいしいものがあったら、もっとハッピーだよね。人は楽しい場所にはわざわざでも来てくれるし、時間もお金も使うものです」。
外から訪れてくれる人だけではなく、地域の人たちも一緒に楽しむ。後藤さんはその“きっかけ”を全国各地でつくっているのです。

 
河原にテーブルをセッティング▲河原での「フィールドカフェ 十勝バーベキュー」を現在検証中 ※提供写真

 

活動の喜びは「笑顔」

地元・十勝は後藤さんにどう映っているのでしょうか。
「本州から大きな夢を抱き、移住してきた先人たちの苦労があって、いまの十勝がある。そのことを記録ではなく、記憶として持っている人が、次の時代の豊かさのために動いています。十勝にはリスクを取って本気で行動する人がいて、いい意味で競い合い、連携もしている。農地だけではなく、人の意識も成熟してきているのだと思います」。

志のある人と地域が、国内、さらに国外でつながっていくことで、地域の力をもっと高められる。自身の役割は“きっちりつなぐ”ことだと語ります。
 

地域づくりの仕掛人、帯広の後藤健市さん

地域にある“もったいない資源”を生かし、もっとおもしろいこと、楽しいことを生み出したいと常に考えている後藤さん。なぜなら、「人が喜んでくれると嬉しい」から。そして、自身の活動の源泉となる思いを、こう話してくれました。
「私の祖父母は全盲でした。祖父は、見えないという同じ境遇にある人たちを幸せにするために働いていました。私は見えているので、見えている人が笑顔になる仕事もしたいと思っているんです」。
幼い頃から全盲の祖父と接してきたなかで学んだのは、「違い」は「個性」であるということでした。

いろいろな人がいるように、地域もそれぞれ。他との違いを受け止めて、どう個性を生かし磨いて輝かせるか。それは、地域づくりにも通じることだといいます。

 

フィールドはアジア、そしてパシフィックへ

日本の地域をアジア、さらにパシフィックに結ぶ会社「プロットアジアアンドパシフィック」を立ち上げ、シンガポールを中心に様々なプロジェクトに取り組んでいます。
「これまでは十勝や各地域を東京とつないできましたが、これからはアジアやパシフィックを中心に、地域が海外と直接連携することが重要です」。

 
シンガポールの人たちへの十勝での農業体験ツアー▲シンガポールの方々への農業体験などのプログラムを実施 ※提供写真


後藤さんは現地の「人」との関係性を積み上げ、また、人と人を結んでいくことをしています。
「観光誘致やモノの販売だけのつながりではなく、人とのつながり、場所とのつながりを大事にしています。ビジネスは損得であり、勝ち負けの要素があります。そうした視点だと、人や場所とのせっかくの出会いがモノの関係に閉じてしまい、持続的な関係に発展していかないケースが多いんです」。
楽しいことをしながら信頼できる仲間をつくり、その輪を広げていくことができたら、素敵な世界になる。後藤さんはそう信じているのです。

「信頼できる素晴らしい方々との出会いがあり、いまの私の活動があります」。さらにこう言葉を継ぎます。「自分にはできないことがたくさんある。だから、みんなの力が必要なんですよ」。

 
シンガポールでのディスティネーション十勝ナイトの会場風景▲シンガポールで十勝の食の魅力などを紹介する、ディスティネーション十勝ナイト。十勝のシェフや食材の生産者さんも参加し、シンガポールの様々な分野の方々に十勝の食材を使ったディナーを味わってもらった ※提供写真

 

北海道の可能性を生かして

後藤さんはこんな未来像を描いて、活動しています。
「自然、四季、海や畑からの豊富な食材。山があり森があり、北海道にはどこにでもきれいな水が豊かに流れています。これは私たちには当たり前ですが、世界から見るとものすごく価値がある。日本各地からの移住者によって、開拓が始まってまだ140年程度の北海道だからこそ、場所を世界に開いてつながれる可能性があります。海外マーケットを国内の他の地域と競い合うのではなく、しっかりと連携して北海道の可能性を生かしていく。それが、北海道の担うべき役割だと考えています。
日本だけではなく、海外の人にも関わってもらいながら、北海道の可能性に磨きをかけ、世界中が憧れる北海道を築き、同時に世界各地の人に『私たちの北海道』といってもらえる仕掛けを、今後も続けていきたいと考えています」。

地域づくりの活動に取り組んで29年。情熱はいま、広く世界にも向かっています。

後藤さんのお話は実に多彩でした。ですが、「人々に楽しさと豊かな時間を味わってもらいたい、みんなで一緒に楽しみたい」というメッセージにはブレがありません。
一途な情熱のその温かさを感じました。
 

地域づくりの仕掛人、帯広の後藤健市さん▲スノーフィールドカフェに挑戦した小麦畑にて

 

関連リンク

株式会社プロットアジアアンドパシフィック
合同会社場所文化機構

 

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