2015年07月13日 | すすきのあき子

大通公園の西の端っこ「札幌市資料館」を訪ねました

札幌市資料館の外観

さっぽろテレビ塔から西に一直線の大通公園。その“果て”には何があるかご存じでしょうか?大通公園を1丁目から西端の12丁目まで約1.5km歩くと、間もなく築90年を迎える札幌軟石の端正な建物、札幌市資料館が公園の隣に見えてきます。バラが香る季節に、札幌市資料館を訪ねました。

 
札幌市資料館のポロクルサイクルポート▲サイクルシェア「ポロクル」のポートも完備。資料館1FのSIAFラウンジでも「1日パス」を販売中


目的の建物まで大通公園を歩いて行くと、園内の噴水、彫刻や文学碑、イサム・ノグチの有名な滑り台などいくつも見どころがあり退屈しません。もし炎天下で歩くのが厳しい時には、札幌市中心部でシェアできる自転車「ポロクル」を利用するのも手です。

 

裁判、アート、博物館

やっと到着したのが札幌市資料館。ガイドブックにはカッコ書きで旧控訴院という表記もあります。控訴院とはいまの高等裁判所の前身で、建物は1973(昭和48)年まで実際の裁判が行われた “お堅い”施設。札幌高裁が移転したのちは、国から札幌市が建物を引き継ぎ、所有・管理。現在は札幌市資料館(以下:資料館)として、札幌市の芸術・文化の発信拠点にもなっています。

 
札幌市資料館の女神のレリーフ▲裁判所だったため、裁判の思想「公正無比」を表すレリーフがあります


この日は「ボランティア友の会」事務局長の亀谷昭彦さん、館長の坂本晴夫さん、SIAFラウンジ担当の斎藤ふみさんが出迎えてくれました。
入口のレリーフは、なぜ目隠し状態なのでしょう?女性のレリーフについて質問すると「控訴院は裁判の『公正無比』の思想を重んじました。外見などの先入観で見ることなく、心の目で見るようにとの自戒を込め、若い石工がつくりました。各地の控訴院では、建物に意匠を凝らすこと自体が少なく、随所に意匠が見られるのはここだけです」(亀谷さん談)。ほかに、らせん階段や窓枠、天井のモール部分にもご注目を。

 
札幌市資料館のエントランス▲入口のエレガントな意匠


資料館は2階建てで、各部屋に複数のテーマによる展示があります。札幌というまちの形成や、裁判のこと、地元の画家・漫画家おおば比呂司の作品紹介と、札幌国際芸術祭の活動拠点など。こうした複数の“顔”を持つのが資料館です。

 
札幌市資料館まちの歴史展示室▲札幌市で発掘されたサッポロカイギュウのレプリカ

 
札幌市資料館のおおば比呂司記念室とショップ▲可愛らしいおおば比呂司グッズが人気

 
札幌市資料館のおおば比呂司記念室の再現書斎▲部屋の奥には、おおば氏の書斎を再現した展示があります


ですから博物館的なお部屋もあれば、ほのぼのとしたイラスト作品を鑑賞できるギャラリー空間もあるのです。2階部分は札幌市民やサークルに貸しギャラリーとして空間を提供。重厚感のある空間で絵画や工芸の展示ができる点は、利用者にも来館者にも好評です。

 

核心部。札幌控訴院刑事法廷へ

亀谷さんの案内で、ここが旧控訴院であったことが最もよくわかる部屋を拝見します。1階の右奥にある「刑事法廷展示室」。裁判によって判決が下された部屋で、空間自体は当時のまま。札幌市資料館と名称が変わったあと、書庫として利用されたのちに再整備。什器を復元し、当時の刑事法廷の雰囲気が再現されています。

 
札幌市資料館の刑事法廷展示室▲1973(昭和48)年まで使われた刑事法廷

 
札幌市資料館の刑事法廷展示室の内部▲部屋の中央まで入れます

 
札幌市資料館の刑事法廷展示室▲被告と判事。席につくとこんな感じ


ポールが立っていますが展示室内は自由に歩けます。机や椅子などの什器は復元なので、掛けてもOKです。「学校の課外授業で来館する子どもたちには、壇上の判事席が人気で、中には被告人席に座りたがる子もいます」(坂本館長談)。

 
札幌市資料館の旧控訴院で判事が着用した法服レプリカ▲控訴院時代の法服をまとった坂本館長(左)


せっかくなので、坂本館長にレプリカの法服を羽織っていただきました。色は黒。ここにも「何色にも染まらない」法の意図が込められています。

 

札幌国際芸術祭(SIAF)の拠点として

次の部屋は、法廷からガラリと趣が変わります。
札幌市で2014(平成26)年に開催した、初の国際的なアートフェスティバル、札幌国際芸術祭(略称・SIAF:Sapporo International Art Festival)通称サイアフ。その成果は“一発花火”ではなく今後にかかっています。SIAFの活動拠点として、じわじわと認知が高まっているのが、このスペース「SIAFラウンジ」。

 
札幌市資料館のSIAFラウンジ▲SIAFやアート、まち歩きに関する情報も

 
札幌市資料館のSIAFラウンジ▲ラウンジを毎日訪れる小さな“常連さん”


「資料館にはもともと自販機はありましたが、寛いでお茶を飲む場のリクエストが以前からありました。SIAFラウンジでは7月から、待望の飲み物を提供できることになり、お客様に一層寛いで頂けます。この場所で、約束なしに会いたい人に出会え、企画の芽が生まれ、人と交流することで意図せぬ発想がおきると嬉しいです」(斎藤さん談)。

 
札幌市資料館のSIAFラウンジに残した坂本龍一のサイン▲坂本龍一氏が5月に残したサイン


SIAFを応援する市民組織の活動が、いま活発化しています。2014年の芸術祭開催期間中には、病気治療のため来札を断念したSIAF 2014ゲストディレクターの坂本龍一氏が、この5月にSIAFラウンジを突然訪問。ワークショップ中の市民はサプライズ!坂本氏は3時間近く市民と交流したのち、サインを残していきました。遠くから札幌を思う気持ちもひとしおのようです。

 
札幌市資料館のSIAFラウンジマネージャー斎藤さん▲SIAFラウンジマネージャーの斎藤さん


マネージャーとしてSIAFラウンジを運営する斎藤さんは「この空間にはSIAFをはじめ、国内の芸術祭の書籍類や、道内外のミュージアム情報もあります。コーヒーを用意してお待ちしています」と話してくれました。
アートやまち歩きが好きな人が、きっと興味をもつ魅力的な情報があり、スタッフが笑顔で迎えてくれます。
札幌市資料館で過ごす豊かなひととき。一度訪れてみてはいかがでしょう!

 
札幌市資料館の外観裏手
 

交通アクセス

(1)地下鉄から徒歩で 東西線「西11丁目」駅1番出口から徒歩約5分
(2)市電から徒歩で 「中央区役所前」で下車、約500m。または「西15丁目」下車
(3)路線バスから徒歩で JRバス・中央バス「北1条西12丁目」バス停を下車、すぐ
(4)マイカーで 専用駐車場はありません。コインパーキングまたは公共交通機関をご利用ください

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