情熱の仕事人。和菓子を海外へ。十勝からの挑戦。とかち製菓代表「駒野裕之」



大きなビジョンの実現に向かって、和菓子を広く伝えていこうと、マレーシアでのプロジェクトがスタートしています。挑むのは、十勝・中札内村の和菓子メーカー「とかち製菓」。情熱の仕事人、駒野裕之さんに話を伺いました。

 

小豆の一大産地・十勝のメーカーとして

国内有数の豆産地・十勝。なかでもあんの原料となり、和菓子づくりに欠かせない小豆は、十勝の代名詞ともいえる存在です。中札内村に社屋と工場を構えるとかち製菓は、十勝産小豆や道産素材などを使い、大福を中心に商品を展開。和洋折衷スイーツなど、全国に店舗をもつコンビニチェーンの商品開発・製造を手がけている会社でもあります。





2012年にとかち製菓を創業。十勝に生まれ育ち、和菓子の製造販売業を営む家業に従事してきた駒野さんには、以前から「和菓子を海外に広めたい」という思いがありました。
同社では全国各地に商品を届ける一方で、国内外から北海道、十勝を訪れる人に魅力を伝えられるものをと、地域素材を生かしてこれまでに4つの道の駅の大福をプロデュース。「各地域の方々と手を携えながら、さらに商品開発に力を入れていきたい」と駒野さんは語ります。







 

マレーシアで大福製造。思いとチャンスが重なって

とかち製菓は、マレーシア北部ケダ洲の食品メーカーと連携して、現地での大福製造をスタートさせています。もち米と小豆はタイ産、それ以外の原料はマレーシアのものを使用。完成度を高めたうえで、2015年内に同国内での販売開始を目指しているそうです。

まず日本の大福を知ってもらうには、幅広く多くの人に買ってもらえる商品をつくることが先決。「現地原料、現地生産で価格を抑えて販売し、和菓子を広めていく第一歩にしたいと考えていました」。

パートナーとなるアンバン・ドロンガン社(以下、AD社)との出会いは昨年の夏。国際協力機構(JICA)の草の根技術支援事業を活用して、帯広商工会議所が実施するプロジェクトに参加したことがきっかけでした。
視察でとかち製菓を訪れたAD社が和菓子の味、技術に興味をもち、また、駒野さんも先方を訪問。駒野さんによると、同社には「設備、原料、熱意、すべてそろっていた」ことから連携を決意。AD社の社員を迎えて大福製造の技術を教え、共に商品開発を進めてきたそうです。




 

北海道・十勝産の商品を届けたい

AD社は、マレーシアのハラル認証を受けている会社でもありました。「認証には厳しい規格があるのですが、わかりやすくいうと、イスラム教で摂取を禁じているものを原料に使っていないというのが1つの条件です。商品化する大福も条件をクリアしたハラル認証のものになります」。
 “ハラル大福”として発信できることで、さらに多くの人に食べてもらえるチャンスが広がりました。

この5月には、AD社と委託製造(OEM)契約を締結。「出会いに恵まれていると感じますね(笑)。お互い小さな会社で、当社は十勝が、アンバン・ドロンガンはケダ洲が応援してくれています。それに応えるためにも、本当にいいものをつくっていきたいと思っています」。

マレーシアからスタートしてアジア各国に和菓子を広め、そして、「ゆくゆくは北海道・十勝産の商品を届けたい。和菓子をきっかけに、北海道、十勝へ行ってみたいという人が増えれば。やりきりたいですね」。駒野さんは、そう熱を込めました。
和菓子の次は洋菓子の展開を考えているそうです。駒野さんの夢への挑戦は、まだ始まったばかりです。