2015年06月26日 | すすきのあき子

苗穂でテツを堪能!「北海道鉄道技術館」

札幌市苗穂の北海道鉄道技術館の外観
 
JR苗穂工場の一角にある北海道鉄道技術館。ここは札幌都心に近い広大な敷地内にある、明治43(1910)年のれんが建築を活用した鉄道の博物館。「北海道遺産」や「近代化産業遺産」にも認定されたお宝の希少性に“非テツ”な人もハマるかも!土曜の午後、北海道鉄道技術館を訪ねました。
 
 

鉄道の技術を伝える博物館 

北海道鉄道技術館(以下:技術館)は、国鉄民営化によりJR北海道で新スタートを切った1987(昭和62)年4月、鉄道技術と資料を後世に残すために、苗穂工場の中に誕生。一般財団法人JR北海道文化財団が技術館を運営しています。
技術館は基本的に、毎月第2と第4の土曜午後に公開し、5月から8月は第1土曜も加えて開館。個人が見学する際に事前予約は不要です。工場正門脇の守衛室で受付を済ませ、構内を約200m歩き、いざ技術館へ。その日の天候によりますが、開館の日は午後の2時間半で約150名が入館します。

 
札幌市苗穂の北海道鉄道技術館の構内▲苗穂工場がお休みだから一般の公開が可能

 
迎えてくださったのは苗穂工場の元職員で、“車輌屋”として長く車輌計画業務に携わった大西朗さん。祖父、父と3代続く鉄道マンです。大西さんが国鉄に入ったのは1966(昭和41)年で43歳の時に職場が民営化。JR北海道を定年退職したのち、先の文化財団から応援の声がかかり、資料館でガイドを引き受け4年目とのこと。北海道で乗れる、大西さんが携わった車輌に、振り子式特急スーパー北斗、スーパーとかち、スーパーおおぞらがあります。

 
札幌市苗穂の北海道鉄道技術館のガイド大西朗さん▲鉄道の歴史や技術を楽しく伝える大西さん

 
どんな質問も受け止めてくれる大西さんのほか、運転シミュレーターの解説員1名が見学者を迎えます。苗穂工場は大通公園2つ分に相当する面積なので、屋外には誘導員が数名配置されています。さっそく大西さんに話を伺いました。
 
 

手づくりの資料から伝わる想い

入口の左脇には、北海道の鉄道にまつわる年表があり、圧巻です。この年表に長く見入っているお客様も多いとのこと。本線・支線の延伸や廃止はもちろん、貨物や青函連絡船、本州の鉄道を巡るできごとも網羅しています。「私がexcelでつくったものを苗穂工場の職員に送り、縦書きで拡大出力してパネルにしました」という苦心作。
 

札幌市苗穂の北海道鉄道技術館の年表パネル▲長〜い鉄道年表は大西さんが2年をかけて作成

 
この年表に限らず、技術館にあるほとんどの展示物は手づくりとのこと。国鉄職員の技術力を高めるために使われた、実習用のエンジンカットモデルや、技術館の開館に向けて苗穂工場の職員がつくりあげたジオラマなどからは、洗練された博物館にはない味わいがあります。

 
札幌市苗穂の北海道鉄道技術館のHOゲージのジオラマ模型▲子どもが張りついて見るというHOゲージのジオラマ模型

 
「お子さん連れはHOゲージのジオラマや、運転シミュレーターが人気です。走る電車の模型から離れず、お母さんにたしなめられる風景も見られ、ほほえましいです」(大西さん談)。子ども中心の家族連れは“動き”のある資料となりがちですが、じっくり大人の見学をしたい際は、大西さんと話すことをオススメします。

 
札幌市苗穂の北海道鉄道技術館の赤い電車コーナー▲2015(平成27)年3月に廃止となった“赤電”の運転台

 
これは北海道に初めて走った電車で通称「赤電」。47年間親しまれて、最近役目を終えました。この木製の赤電は、塗装面の手づくり感にご注目を!苗穂工場の職員が仕事の合間に塗装してつくったのでしょうか。展示物からなんとも言えない“鉄道愛”を感じます。内部は運転台で、いろんなスイッチを操作することができます。
 
 

“渋い”展示に歴史を感じる

2Fの展示は銘板や記録簿などの紙資料、古い写真が多く、比較的大人がハマるゾーン。天井が低いため、随所に「頭上注意」のサインがあります。長身の方はご注意を。この建物は1910(明治43)年に建てられ、国鉄時代の用途は用品倉庫でした。夏は涼しい反面、冬の冷えは相当なもの。大西さんによると大型のストーブを開館の4時間前から焚いてお客様を迎えるという大変古い建物なのです。

 
札幌市苗穂の北海道鉄道技術館2FのSLコーナーの銘板▲2Fの展示は銘板や紙資料などが中心

 
札幌市苗穂の北海道鉄道技術館の青函連絡船コーナー▲青函連絡船の木製舵輪(だりん)

 
北海道と本州の物流に貢献し“海の鉄路”と呼ばれた青函連絡船も重要な国鉄の歴史。青函連絡船の資料は技術館には数点ですが、函館の青函連絡船記念館摩周丸に多くありますとのこと。2016(平成28)年の春は、いよいよ北海道新幹線が開業。北海道新幹線の展示は1F入口の脇にあり、新旧の鉄道の足跡を辿ることができます。
 
  

屋外にも本物が点在

非テツなライターすすきのあき子は、館内の鉄道の展示で十分に見て触れた気分。ですが屋内だけでは甘いようです。「来館者で多いのは撮り鉄さん。北斗星やトワイライトエクスプレスに乗って、技術館を見に来たという方や、外国人では台湾の方です。SLをテーマに訪れる方もいます」(大西さん談)。晴れた日には、屋外も忘れずにチェックしましょう。

 
札幌市苗穂の北海道鉄道技術館の蒸気機関車C623号とDMV▲蒸気機関車C623号(右)と、実用には至っていないDMV車輌(左)

 
北海道鉄道技術館の構内から見えるJR苗穂工場▲苗穂は札幌の隣駅。ここで車輌の整備と解体も行います

 
札幌市苗穂の北海道鉄道技術館のSL D51▲デゴイチの愛称で親しまれた蒸気機関車D51

 
札幌市苗穂の北海道鉄道技術館のれんが建屋▲堅牢なれんがの建屋は今も現役

 
来館者ノートには「今日も小鉄を連れてきました」というお父さんの楽しげなコメントがありました。鉄道を理解してもらうことで、ファンが増えると鉄道OBとして嬉しいですとほほえむ大西さん。苗穂工場の一般公開も2015年9月中旬に予定されています。北海道鉄道技術館に1度訪れてみてはいかがでしょう!

 
札幌市苗穂の北海道鉄道技術館のカットモデル
 

交通アクセス

(1)最寄りJR駅から徒歩で
JR苗穂駅から商業施設「アリオ」方面に向けて跨線橋を渡り、徒歩約20分。看板あり

(2)路線バスから徒歩で
札幌駅北口から中央バス「東63番:苗穂・北口線」または「26番:丘珠空港線」に約8分乗車し「苗穂工場前」バス停で下車、徒歩約5分

(3)マイカーで
苗穂工場構内に駐車スペース約10台分あり(受付時に申し出てください)

 

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