明治時代の風情漂う、旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)



北海道の中では歴史が古い江差の中で、ひときわ目立つ建物の1つが旧檜山爾志郡(きゅう ひやまにしぐん)役所です。明治時代に建てられた洋風建築の施設で、現在は江差町郷土資料館として公開されています。

 

復元された旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)

旧檜山爾志郡役所は、檜山(ひやま)郡と爾志(にし)郡を管轄する北海道庁の出先機関として1887(明治20)年に建てられました。現在では北海道内に現存する唯一の郡役所庁舎です。
もともと江差警察署が新築移転する計画があり、新たに建設される警察署の建物に郡役所も一緒に入ることになりました。当時1階が警察署、2階が郡役所だったそうです。





北海道檜山支庁と江差警察署の合同庁舎として利用され、警察署の単独庁舎、江差町役場の分庁舎へと変遷し、建物にはさまざまな手が加えられ改装されてきました。
役所機能や警察署が新たな建物へ移転したのち、修復工事を経て創建当時の姿に復元され、1998(平成10)年から一般公開されています。





建物内の壁や天井には、繊細な絵柄の布クロスが施されています。修復工事をしている最中、壁の中から布クロスの一部が発見され、創建当初の館内は布クロスが施されたことがわかりました。発見されたものを分析したところ、13種類の柄や色があることがわかり、そのうち7種類を忠実に再現して蘇ったそうです。





2階にあるバルコニーも復元された部分。長らくの間は改装されてバルコニーは壁や窓が取り付けられ建物内の一部になっていたそうです。このバルコニーからは江差の街並のほか、かもめ島や江差港なども一望、絶好のビュースポットです。





復元された建物の内外を眺めているだけで、明治時代の風情を楽しむことができます。

 

江差町郷土資料館の展示物

現在、館内には江差の自然や歴史、生活文化などについて解説する展示物が並び、紹介されています。








館内には江差の自然景観や歴史文化に関する紹介のほか、衣類や食器など昔の日常生活で使用されていたものも数多く展示されています。当時の生活の様子を想像しながら見て回るのも楽しいものです。
たとえばこちら、蓋がついた四角形の金物は、かまぼこ焼き器です。





昔、江差ではホッケを材料にした四角いかまぼこが作られていたそうです。海の幸が豊富に揚がった江差らしい生活道具ですね。

 

建物の前には土方歳三ゆかりの松

旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)は海を望む高台中腹にあります。建物ができる約20年前、この地から海を眺めていた有名人がいたようです。
土方歳三です。
1868(明治元)年、旧徳川幕府の軍艦「開陽丸」が暴風雪のため江差沖で座礁し、沈没しました。伝説では、土方歳三と榎本武揚がこの場所から沈んでゆく軍艦を見て、土方が松の木をたたいて嘆いたと言われています。
そのあと、たたかれた松の木にはコブができ、曲がって成長したのだそうです。さて、真偽はいかに!?
江差では「土方歳三 嘆きの松」と言われています。土方ファンの皆さん、コブをたたけば土方と間接タッチ!?できますよ。





明治時代の趣をたっぷりと感じられる旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)。建物好きの方も、歴史文化好きな方も、土方ファンの方にもオススメな場所です。100年以上前の世界へタイムスリップしに行ってみませんか?