「石狩川」流域市町村:北海道遺産シリーズ(22)

 
 

人々の大切な「道」だった石狩川

石狩川は北海道で1番長く、日本でも3番目に長い川。北海道の中央部にそびえる大雪山系石狩岳からの源流は、48の流域市町村を流れて日本海へそそぎ込んでいます。
明治時代、全国からたくさんの人々が北海道に移り住み始め、石狩川のまわりに畑や家をつくりました。道路や鉄道がまだない時代、人や荷物は川から船を使って運んでいたので、開拓者にとって石狩川は経済や文化を運ぶ唯一の「道」でした。
 
 
 
 
物や人を運んでくれる石狩川は、暮らしに役立つ大変便利な川でしたが、大雨や雪どけの水があふれてたびたび洪水を起こす、流域住民にとっては恐ろしい存在でもありました。
1898(明治31)年に発生した大洪水では、開墾した田畑が濁流に飲み込まれたばかりでなく、18,600戸の家屋が被害を受け、112人の命が奪われました。これにより、石狩川の本格的な治水事業が開始されます。
 
 
 
 
毎年のように起きる洪水から流域住民を救ったのが、当時道庁の技師だった岡崎文吉です。10年を超える実地調査や研究を続け、正確なデータをまとめました。
これに基づき、1910(明治43)年以降、治水工事がスタート。海外の川を研究し、川の自然な流れをのこしながら洪水を防ぐ方法を取り入れた岡崎式コンクリート単床ブロックを使った工法が取り入れられ、その一部は今でも石狩川の下流に残っています。
 
 
 
 
大正時代になると、より安全性を高めるため、曲がった石狩川をまっすぐにするショートカット法が進められました。そのおかげで水害が減り、今では石狩川周辺の地域は北海道を代表する農業地帯になりました。
 
石狩川はサケが遡上するめぐみの川でもあります。石狩川河口近くに位置する石狩市は、昔からサケ漁が盛んな地域でした。サケの豊漁を願って建てられた石狩弁天社の神様は、弁天様のほかに石狩川の主を神格化した「妙亀法鮫」通称『サメ様』が奉られています。サメ様の「サメ」は、サメに似た「チョウザメ」という魚のことをさしています。
石狩には「鮭漁の邪魔をする鮫を神として祀ったところ、大漁が続いた」 「巨大な鮫が川をふさぎ、その化身が夢枕に現れたので、酒を供えたところ、鮫は姿を消して鮭の大漁が続いた」という伝説が残っており、チョウザメは「鮭漁の神様」と考えられていたようです。
 
 
 
 

200年前と同じ製法で再現。石狩川の鮭で作る「寒塩引」(かんしおびき)

かつて、石狩十三場所の元場所としてサケ漁で栄えた石狩の「サケの文化」を発信していこうと、当時江戸幕府への献上品として奉られた「寒塩引」を当時と同じ行程で完成させる取り組みが、平成25年度から石狩市で始まりました。
「寒塩引」は、石狩川河口で捕獲された鮭を長期保存するために製造されたもの。腹子をとりだしたオスの鮭に塩をすりつけ、塩漬けにした後、水に浸して塩抜きするまでの行程を10日程繰り返し、数か月吊るし、干しにすることで完成します。
 
 
 
 
 
 
石狩川の恵みと人々の知恵が生んだ「寒塩引」は、200年前と同じ製法を経て、今年5月に完成の予定です。
 
 

関連リンク

石狩観光協会
石狩のチョウザメと鮫様(いしかり砂丘の風資料館HP)
「寒塩引(かんしおびき)」(石狩市HP)
 

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