“北のウォール街”で小樽を知る。「日本銀行旧小樽支店 金融資料館」

 
 
「銀行の銀行」と呼ばれる日本銀行が小樽にもあるってご存じですか?商都小樽では、日銀の旧支店をはじめ、築100年を超える銀行建築がいまも残り、まち歩きで楽しめます。日本銀行旧小樽支店金融資料館と、その界隈を訪ねました。
 
小樽はかつてにしんや石炭の積出港として栄え、海運・倉庫・金融業などあらゆる商品とお金、情報が飛び交った商都でした。いつの頃からか“北のウォール街”とも呼ばれた繁栄期も過ぎて、日銀は2002(平成14)年9月を最後に小樽支店の機能を札幌に統合。銀行として使われなくなった歴史的建造物を活かし、金融資料館として翌年5月に開館しました。入館は無料なので、ぜひ入ってみましょう。
 
 

商都小樽の顔日銀。名建築をガイドと見学

 
 
日銀の本店や国内に32ある支店でも日銀のことは学べますが、小樽には築103年の重厚な建物があり、ここでまちの歴史や日銀の歴史、日銀の業務や金融の仕組みを知ることができます。2003(平成15)年の開館以来、年間約10万人が訪れる商都小樽の目玉スポット。資料館には日銀札幌支店の職員が勤務しており、来館者の質問に答えます。営業課の小林秀人さんに案内していただきました。
 
 
 
 
まず入ってすぐの空間、現代の銀行でもこんな天井高の空間はそうありません。「ここは、営業場(えいぎょうば)というところで、13年前までここで通常業務を行っていました。日銀の主要な取引先は銀行や官庁ですが、交通反則金の収納業務など、国のお金である国庫金の取扱いも日銀で行っており、これはあまり知られていないと思います」(小林さん談)。うっかり破いたり、火事で燃えたりした紙幣を持ち込む時も日銀だそうです。
 
 
 
 
室内の調度についての説明もリアルです。「かつてカウンターには、鉄枠の優雅な窓口がありましたが、第二次大戦時の鉄の供出で失ったそうです」とのこと。戦争の記憶は所々に残されています。ほかにも建物の内外壁を飾るレリーフが、アイヌの人びとの守り神シマフクロウを模したとされるデザインであることなど、へぇ~、なるほどと感心する発見が続きます。
 
 
 
 
金融資料館を訪れたら、ぜひガイドツアーに時間を合わせるのもおすすめです。日銀職員から日銀の歴史や業務、お札の偽造防止技術の説明をわかりやすく聞くことができます。「職員がガイドツアーをしますから、ぜひ参加してみてください」と小林さんのすすめで、1日1回14時から約30分のガイドツアーに参加してみました。
 
 
 
 
展示は営業場を使った歴史展示ゾーンと、奥に日銀の業務展示ゾーンの2つに大きく分かれます。元は店舗だったため金庫も本物!模擬券ですが1億円の重さ体験や、映像コーナーもあります。この日のガイドツアーは、入行13年目の職員さんが担当しました。
 
 
 
 
30分の前半で建物の特徴と小樽や日銀の歴史の話、残りの半分でお金の話に移ります。ちなみに、古くなったお札はどうなるのでしょう?「日銀では支店ごとに古い紙幣の処理を地域の事情に合わせて行っています。札幌支店では細かく裁断したのち、固形燃料に再利用しています」(ガイド談)。
最後は燃やされるとはややもったいない話ですが、お札を常にきれいな状態に保つことが、偽造の防止につながるそうです。
 
 
 
 
 
 

日銀の周辺、建物散策へ

いまと昔が交錯する金融資料館の建物を後にしました。日銀周辺には有名な大銀行が建ち並んだことから、銀行建築を活かした建物が数多く残っています。ぜひ散策しながら観賞してみましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日本の近代建築の父、辰野金吾(たつのきんご)が多くの設計を手がけた、国内各地の日銀。その貴重な銀行建築がいまに残り、広く公開されている日本銀行旧小樽支店金融資料館。商都小樽の面影を探しに、足を伸ばしてみてはいかがでしょう!
 
 
 
 

交通アクセス

(1)JR札幌駅から列車とバスで
JR札幌駅から普通列車(所要時間約50分)か快速エアポート(同30分強)にてJR小樽駅で下車。日銀通りを小樽運河方向に、坂を下り徒歩約10分、約800m。
 
(2)路線バスで
JR小樽駅前のバス停「小樽駅前」から乗車して約5分、「本局前」で下車。
 
(3)自動車で
札幌方面から札樽自動車道「小樽」IC下車、約2km、周辺の有料駐車場をご利用ください。(団体及び障がい者利用の車は、資料館にお問合せください)
 

関連記事

歴史流れる小樽運河とメルヘン交差点
小樽運河の北の端、通称「北運河」のオシャレCAFE