2015年03月11日 | うずらはしちあき

情熱の仕事人。北海道の音楽シーンを動かし支え続ける。WESS代表「小島紳次郎」

札幌のイベンター・ウエスの小島紳次郎社長
 
 
年間450本にのぼるコンサートの企画・制作を手がけるとともに、国内最大級のオールナイト野外フェス「RISING SUN ROCK FESTIVAL」をプロモート。今回の情熱の仕事人は、イベント会社WESS(ウエス)代表の小島紳次郎さん。北海道の音楽シーンにおけるキーパーソンのひとりです。
 
WESSの設立から34年。アーティストのライブを北海道のファンに届け、音楽をベースとしたオリジナル企画にこだわり、人が集いまちを活気づける数々のイベントを仕掛けてきました。
 
 

学生時代にイベントとものを生み出すおもしろさを経験

音楽と札幌を愛する。「なにか変わったことはできないだろうか?」。毎年海外のエンターテインメントの現場へ足を運び、世界を知って刺激を受け発想の糧に。
「札幌はやれるまちだろうなと。いま190万都市。わずか150年くらいでこの規模になっているところって世界的にみてもそうないですよ」。まち自体にのびていく勢いを感じられる点が、札幌を好きなところのひとつだと小島さんはいいます。
 
 
札幌のイベンター・ウエスの小島紳次郎社長
▲1950年生まれ、江別市出身。株式会社ウエス代表取締役社長 小島紳次郎さん。40年以上にわたり北海道の音楽シーンに深く関わり、北海道・札幌の音楽振興に尽力
 
 
高校を卒業後、デザインの専門学校に進学。友人が関わっていた、寺山修司主宰の劇団・天井桟敷の札幌公演を手伝ったことが、「イベントのおもしろさを知った」最初でした。
同じころ、1969年にアメリカで開催された大規模野外コンサート・ウッドストックのドキュメンタリー映画が公開に。40万人の若者を動かした音楽の力、会場の熱に圧倒されると同時に、目に留まったのが観客のファッションでした。
「絞りのTシャツだったんですが、いいなと思っても売っていない。だから学校の仲間と作っちゃったの」。ショップにも卸すほどTシャツは大ヒット。その後の様々なプロデュースにつながる、「ないものを最初に作るおもしろさを味わった」経験でした。
 
WESSの起こりは、コミュニケーション・ポイントというクリエーター集団。前身は音響会社のウイークエンドです。
「札幌にまだ音響機材とか扱うところがなかったから、自分たちで機材・楽器を揃えて。PAのレンタルと並行してイベントやコンサートをやって、喫茶店の電話を借りて東京とやりとりしていた。そういう時代でした」。
人脈が広がり口コミからどんどん仕事の依頼が入ってくるように。81年、音楽イベントに重心を置いたWESSが立ち上がりました。
 
 

17年目を迎える「RISING SUN ROCK FESTIVAL」

石狩市で毎年8月に開かれるRISING SUN ROCK FESTIVALで盛り上がる観客
▲突き抜ける開放感と音楽につつまれて過ごす2日間。北海道の夏に定着した「RISING SUN ROCK FESTIVAL」(写真提供/WESS)
 
 
「これだけ季節感のいいところで、夏に野外でというのは自分の中で最大の夢でした」。
札幌市内真駒内での「ROCK CIRCUIT」、「WONDER ROCKET」を経て、日本初の本格的オールナイト野外ロックフェスティバルとして「RISING SUN ROCK FESTIVAL」(以下、RSR)がスタートしたのは99年。今年で17回目を数えます。
石狩の広大な会場に毎年全国から6〜7万人の音楽ファンが集結。回を重ねるごとに進化していくRSRは、リピーターが多いフェスとしても知られています。
 
「1万張り近くテント並んでいると、隣の人たちとも仲良くなっちゃうわけですよ。そこに音楽があって、コミュニケーションが生まれていく。アート、デザイン、食、つねに発想を加えていかなければ新しいものになっていかない。毎回学習することは多いですね」。
 
 
石狩市で毎年8月に開かれるRISING SUN ROCK FESTIVALのサッポロビール黒ラベルブース
▲「サッポロ生ビール黒ラベル」特設ブースも出現。いろいろな北海道の味覚を楽しめるのもRSRの大きな魅力(写真提供/WESS)
 
 
RSRのテーマに、オーディエンス、出演アーティストをはじめ、フェスに関わる人に対して「ホスピタリティーを充実させること」があるといいます。そのひとつが、バックヤードでのおもてなし。北海道の食をアーティストにも楽しんでもらおうと、シェフが料理を提供するレストランを設けています。「初年度からずっとやっています。食べることってコミュニケーションとかモチベーションとか、いろんなことに影響する。イベントにおいても大事な要素です」。このバックヤードのレストランから、アーティスト同士の新たなつながりやセッションが生まれているそうです。
 
今年も石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージにて「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO」が開催されます。8月14日(金)〜8月15日(土)、北海道がもっとも熱くなる夏の日を迎えます。
 
 

北海道発のアーティスト、音楽を

音楽プロモーション・制作も手がけるWESS。ライブハウス「PENNY LANE 24」、「KRAPS HALL」を運営し、自主レーベル「WESS RECORDS」も立ち上げています。
ファッションやライフスタイルにも影響を与え、アルバムのジャケットやイベント空間をつくる過程でアートやデザインとも深く結びつく音楽。「音を出せる場所があることで、いろんなジャンルが育っていくと思いますし、北海道からアーティストを送り出そうという目的でつくったのがWESS RECORDSです」。
 
 
札幌市西区、WESS本社下にあるライブハウス「PENNY LANE 24」のステージ
▲札幌市西区、WESS本社下にある老舗ライブハウス「PENNY LANE 24」(写真提供/WESS)
 
 
市内南区の芸術の森地区、札幌アートヴィレッジ内に「芸森スタジオ」があります。環境、設計、機材すべてがハイクオリティで、宿泊棟も備わった音楽スタジオですが、長く創作の場として機能していませんでした。
小島さんは熱く呼びかけます。「このスタジオは北海道の文化遺産。北海道に根ざした人間で動かし始めよう」。2008年、WESSと歌手の松山千春さんがスタジオを取得し、新たに運営をスタートさせました。
 
 
札幌市南区にあるWESS運営「芸森スタジオ」の自然光が入るAスタジオ
▲「芸森スタジオ」のAスタジオ。自然光が差し込むゆとりの空間。天井は高さ7.5m(写真提供/WESS)
 
 
「北海道発の音楽を育てていきたい。北海道出身のアーティストたちは、全国の人が聴いてこの北海道の季節や自然をイメージできるような曲を作ってきています。再びそうした音楽が生まれてくれるとおもしろいですね」。
「芸森スタジオ」には著名なアーティストたちもレコーディングに訪れ、海外からも問い合わせが寄せられているそうです。
 
 
札幌市南区にあるWESS運営、豊かな緑に囲まれた「芸森スタジオ」
▲市内中心部から車で30分ほど。豊かな自然に囲まれて建つ「芸森スタジオ」(写真提供/WESS)
 
 
「ずっとやってきていますが、北海道のオリジナルが海を超えられるかはいまもテーマ。メディア、ネット、そういう環境が揃ってこれから動いていくいいチャンスなのかなと。海外までいけるアーティストを育てたいですし、札幌を世界に通用する場所にしていきたい。そのためにまだまだ視野を広げてアンテナを立てておかなくちゃと思いますね」。
 
様々な経験を重ねてきても、小島さんの好奇心は尽きることなく、音楽を好きという想いはまっすぐなまま。「いろんな夢がもてる音楽ってすごいよね」。実感のこもった生きた言葉が響いてきました。
 
 
札幌のイベンター・ウエスの小島紳次郎社長
 
 

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関連リンク

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO
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株式会社ウエス
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