浜の凄ワザを直伝!羅臼で「折ウニ」づくり体験

 
 
舌でとろけるウニは旅心くすぐる海の幸。ウニは北海道各地で試食を体験できますが、知床の羅臼ではさらに高難度の体験が!浜の熟練ワザが詰まった美しい「折ウニ」づくり。自ら折ウニを盛って昼食に食べる体験を、2014年春から始めました。羅臼のウニの加工を、ガイドの後藤菜生子(なおこ)さんに聞きました。
 
地元の水産会社、濱田商店の加工場を使った折ウニづくりは、最初は試験的に始めた“裏メニュー”的な体験でした。2014(平成26)年の4月、町内の株式会社知床らうすリンクルが、地元ならではの体験商品として、折ウニづくりを積極的に発信。楽しさと美味しさを広めています。
 
 
 
 
2015年のシーズンは1月22日に初めてウニ漁の船が出ました。「この2月は暴風雪で町の交通が遮断されるなど、観光も漁業も自然に翻弄されましたが、ウニは高品質なものが揚がっています」と話す後藤さん。体験は1名4,300円で小学生以上は参加が可能、前日までに予約が必要です。
 
 
 
 
今回のウニ体験は、旬の海鮮3種が贅沢にのった海鮮丼に自分でつくる折ウニを加えて、体験後にゆっくり味わいます。エプロンなどを着けて加工場に入り、説明を聞き、折ウニを盛って食べる、一連の体験時間は食事の時間も含めて約1時間です。
 
 

まず羅臼の海を知ることから

リンクル代表の後藤菜生子(なおこ)さんは、仕事で赴任した羅臼の良さに離れられなくなり、ここで起業した人。起業の後に、実家の埼玉県上尾市に暮らす妹も誘い、知床羅臼の観光ガイドを姉妹で行い、折ウニを魅力あるアクティビティに育てています。
 
 
 
 
まずはこのウニ、地元の漁師さんはどのようにしてとってくるのでしょう。折ウニに使うのは「ガンゼ(エゾバフンウニ)」で、羅臼では例年1月下旬から6月末までの漁期に主にタモ採り漁と、水深のある場所は一部で潜水漁を行います。タモ採り船は現在約65隻あります。
 
 
 
 
「ウニ漁師さんは小型船でひとりで出ます。上体を船から乗り出し、顔は海底を覗きこんだまま、片手は箱メガネ、反対の手にタモ網、片足で舵を操り、足でバランスをとり全身を使って漁をするんですよ。今は機械化が進み、手元で操作できるようになりましたが、昔は『かい』といって片足で舵とりをしていたんですよ。写真のような漁のスタイルは少なくなりましたが、今でも数名の方は『かい』を使って操業しています」(後藤さん談)。
 
 
 
 
漁師さん達は海況を見てその日の出漁を判断。同時に「今日はひとカゴにしようや」と、ウニの漁獲量を相談して決めるそうです。世界遺産の海だからこそ持続可能な漁を行い、水産資源を次の世代に渡したい。漁業者の想いが伝わるお話です。
 
 
 
 

浜の凄ワザを拝見! 

後藤さんによると、港から運んだウニの一部は折ウニに加工します。殻を割ったウニは殻の破片や海草類が混じるため、それらをきれいに取り除きます。その手際の良さは、まるで1.5倍速の映像を見ているかのよう!
 
 
 
 
 
 
「濱田商店のワザも相当凄いですが、羅臼では漁師ごとに折ウニのファンがいて、その人の手でつくられた品が、半ばブランド化しているんですよ。長年高品質のウニしか出さないことで培った信頼のもと、よい値がつく人が何人もいます」(後藤さん談)。
同じ材料でも折の詰め方で、変わる価格はなんと倍以上!そのくらい、折詰の技術の良し悪しは価値を決める鍵のようです。
 
 
 
 

手本を元にいざ本番  

 
 
ウニをめぐる話を織り交ぜながら、実際に体験します。先生は濱田商店の佐藤裕行さん。魚介類全般の加工で約30年の経験があります。佐藤さんが実物を使いその手順やコツを説明したあとは、いざ本番。
 
 
 
 
 
 
皆さん真剣そのもの、マスクがあるのに息を詰めて作業しています。つかの間、加工場には沈黙の時間が流れます。完成のタイミングをみながら厨房では、定食の調理が進んでいます。
 
 
 
 
ウニ2個を使った折ウニが完成したら、まずは記念写真を。そしてエプロンを外して店舗側に回ってお食事タイムです。羅臼コンブをエサに食べて育つウニは、サラリとした甘み。崩れを防ぐミョウバンを加えないウニに皆さんうっとりで、この日は「ぺろっと全部いけます!」との嬉しいコメントがありました。
 
 
 
 
「お客様に笑顔が浮かび、新たな驚きの瞬間に立ち会えると、ガイドとしてとても嬉しいです」と後藤さん。道内各地でウニが旬を迎える“走り”が味わえるのが、魚の城下町羅臼です。羅臼町を訪れる際には、ぜひ体験してはいかがでしょう。
 
 

 

交通アクセス

★羅臼町では夏と冬で交通事情が一変します。羅臼町への交通情報を、知床羅臼町観光協会が一覧化し「知床らうすへのアクセス」にまとめていますのでご参照ください。
知床羅臼町観光協会「知床らうすへのアクセス」
 
★冬期の道東方面に、公共交通を使って計画する際には、道東オフィシャル観光情報サイト(ひがし北海道観光事業開発協議会)に掲載の、「ひがし北海道2015エクスプレスバス」をご参照下さい。
道東オフィシャル観光情報サイト「ひがし北海道2015エクスプレスバス」
 
(1)飛行機・バスで
根室中標津空港から羅臼まで約73km、車で70分。レンタカー、もしくは「ひがし北海道エクスプレスバスが」便利です(道東には根室中標津空港の他に、2つの空港があります。女満別空港から羅臼は約130km、釧路空港は約180km)。
 
(2)JR釧路駅から路線バスで
JR札幌駅から特急「おおぞら」に乗車し約4時間、釧路駅(終点)で下車。釧路駅から路線バス(釧路羅臼線)に乗車して約4時間、終点「羅臼営業所」バス停にて下車。
 
(3)都市間バス・路線バスで
札幌ターミナルから道東方面の高速夜行バスにて、釧路市や中標津町に早朝に到着し、路線バスに乗り継ぎ、羅臼町に行く方法もあります。(スターライト釧路号は約6時間半、中標津行きのオーロラ号は約7時間)
 

冬の羅臼を楽しむ「旅のポイント」

羅臼町にはJR駅がないため、夏期の最寄り駅は知床斜里駅ですが、冬期は旅行の行程によって駅が複数(釧路駅、網走駅、知床斜里駅)考えられます。車の場合、札幌から約450km、約8時間かかります。国道は、知床半島のウトロ-羅臼を結ぶ「知床横断道路(国道334号)」が4月下旬まで冬の通行止めとなります。交通情報・気象情報を確認のうえお出かけ下さい。
 
 

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