「キンキの湯煮」今がおいしい季節!冬魚のあったか料理(1)

厳しい寒さが続く北海道。体も心も温めてくれる、冬においしい魚の煮込み料理を3回シリーズでお届けします。初回は人気店「はちきょう」の「キンキの湯煮(ゆに)」。羅臼の漁師が1番おいしい食べ方だと自慢する「湯煮」とは一体なに?!
 
 
 
 
脂がたっぷりのった真っ赤なボディの「キンキ」。地方によっては「キンキン」とも呼ばれていますが、正式名称は「キチジ(吉次)」。煮つけや一夜干しを焼いて食べるのが定番ですが、産地の漁師が好んで食べるのは「湯煮」です。
 
「この料理はキンキの鮮度が命。昔は前浜でしか食べられなかった漁師料理ですが、流通事情が良くなって、産地以外でも楽しめるようになりました」。そう話すのは、羅臼料理「はちきょう」本店の料理長、池田圭さん。
 
 
 
 
はちきょうは、知床半島の羅臼町から直送される魚介類を楽しめる居酒屋。「オイサー!」のかけ声とともにイクラをなみなみと盛っていく「つっこ飯(イクラ丼)」でお馴染みの人気店です。つっこ飯も元々、時間のない漁師が船上でかき込む=突っ込んで食べたイクラ丼に由来します。
 
「簡単にいうと、湯煮はキンキを水から煮た料理です」。え…、読んだままですか?
「水から煮るというのが1つポイントです。鍋に水と昆布、ひとつまみの塩を入れて煮ていくのですが、生臭さが出ないのは鮮度が抜群に良いからです。流通事情に加え、漁師の魚の扱いが丁寧なので、より鮮度の良い状態で届きます」。おー、なるほど!
 
 
 
 
「もう1つのポイントは、煮立ったら火を弱め、落し蓋をして40分じっくり煮ることです。身に火を通すだけなら、そこまで時間はかかりませんが、湯の中にキンキの出汁を出すのが目的。キンキの出汁でキンキを煮つけるようなイメージです」。
 
できあがった湯煮は、煮汁と一緒にお皿に盛りつけて登場します。なんて豪快!そして、キンキ独特のいい香りが湯気と共にふわりと立ち上ります。
 
 
 
 
ところで、味付けはどうするのでしょう?「うちの特製醤油をひと回しかけて、煮汁と一緒に召し上がってください」。醤油だけで食べるというのも、シンプルで浜料理ならではですね。
 
 
 
 
たまらず身を頬張ると、ふっくらしっとりした食感。皮と身の間の脂、見えますか?脂がしっかりのっているのに、上品でまろやかな余韻。「ほかの魚にはない旨味があるでしょ。これがキンキ本来のおいしさです」と、池田料理長。もう、箸が止まりません!
 
 
 
 
そして、キンキといえば肝。この大きな肝もぷりっとして濃厚。あ~、たまりません。骨と骨の間の身は肉質がしっかりして、また別な食感を楽しめます。目の周りのゼラチン質も最高!
 
 
 
 
湯煮はキンキの仕入れ値により時価となっていますが、1尾5,000円~とのこと。高価な1品ではありますが、漁師が誇るキンキのあったか浜料理をぜひ堪能してください。※人気店なので、早めの予約をお薦めします。
 
 


 

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