港街に暮らす生き物に出会う、おたる水族館への旅

 
 
冬の北海道旅行は野生動物を観察するのも醍醐味ですが、小樽市郊外のおたる水族館もおすすめ。例えば厳冬期に元気いっぱいのジェンツーペンギンの散歩や、沿岸の島では野生の海獣が群れで来ていることも!札幌からバスで小旅行。おたる水族館を訪ねました。

JR小樽駅から約7km、高島漁港を超えて祝津(しゅくつ)漁港の反対側の、丘に建つのがおたる水族館。小樽駅前から路線バス約25分で到着です。館内を佐藤友美さんに案内していただきました。
 
 
 
 
1958(昭和33)年に開催した「北海道大博覧会」で、おたる水族館はその一部「海の会場」として前身施設がつくられました。現在の建物は当時よりもやや丘に上がり、約40年前の1974(昭和49)年に新館として竣工。園内の随所から海が見渡せて、どこか懐かしい雰囲気を醸しています。

「屋内外の62水槽で、250種5,000点の生物を飼育スタッフ17名で飼育、事務スタッフを含めて全26名でおたる水族館を運営しています。大きなものに目がいきがちですが、小さな生物にも注目してみてください」と佐藤さん。この時期にしか見られない魚の卵を「冬・命の輝き」と題し特別展示しています。
 
 
 
 
ハタハタは道内スーパーの魚売場でよく見かける冬のごちそう。卵の色が違うのは、親が食べたエサによるそうです。特別展示の近くには、目を凝らすような小さな魚がいます。「ナメダンゴと呼ばれるフウセンウオの仲間。冷たい海に住み、体は丸くてお腹に吸盤があり、目がクリクリしているのがチャームポイントです」(佐藤さん)。
 
 
 
 

「ペンギンの雪中さんぽ」に歓声!

おたる水族館では冬期営業期間中、毎日7羽のジェンツーペンギンを屋外に出して、半ば自由に散歩させています。この日は前日に降った雪がコース上を覆い、絶好の撮影日和でした。見る人との距離がとても近い「ペンギンの雪中さんぽ」は1日3回。約10分間の散歩を見た人達からは「カワーイー!」「可愛!」など、さかんに歓声が上がっていました。
 
 
 
 
今シーズンお散歩デビューしたのは生後半年の若いメス、ナディ。まだ子どものため好奇心が強く、群を率いて先頭を歩きます。お散歩タイムは基本、ペンギンの自主性に任せています。2周回る基本形を1周で止めて、小高い山の上でノンビリしているものや、毎回のようにコースアウトするものも。
 
 
 
 
体長およそ75cmがジェンツーペンギンの標準的な大きさです。コースには膝の高さまで雪が積んであるぶん、写真を撮る際は人が軽く屈むだけで、ペンギンと高さを合わせられます。撮影しやすいのでぜひ素敵なショットを狙ってみては。
 
 
 
 

縦横無尽!コツメカワウソ

ペンギンのお散歩の後は、タッチングエリア「さわってEzone」で、飼育員による解説など、館内イベントが次々と展開。訪れた人に楽しんでもらいたいという飼育員の工夫が感じられます。
 
 
 
 
南や北の魚が並ぶ水槽でひときわ愛嬌のあるコツメカワウソは、どこの水族館でも人気者。この“豪邸”には2頭が暮らしています。遊んでいるか寝ていることが多いのが、彼らの日常。この日は予想通り、ハンモックで熟睡中です。
 
 
 
 
寝ている時はアッサリあきらめて、ほかの生物を巡ってから再び戻ってみましょう。すると、上下に配したトンネルを使い、縦横無尽に動き回っていました!何でも遊びに変えてしまう、カワウソらしい愉快な光景です。水中トンネルをくぐって、らくらく離れに移動していきました。
 
 
 
 

野生海獣がコロニーをつくるトド岩

冬のおたる水族館ならではの体験としては、館内から沿岸の「トド岩」を観察することも、お天気により可能です。こんなに街に近い海に、野生のトドやアザラシがやって来ます。おたる水族館の海獣公園は、自然の入り江を活かし最小限に防波堤で仕切った飼育施設。12月20日から3月1日までの冬期営業期間中は、波が高く悪天候が多いため閉鎖していますが、特別に見せていただきました。
 
 
 
 
海獣公園の左手に見えるトド岩からは、海獣が「ガオ、ガオ」と鳴く声が聞こえてきました。食欲旺盛な海獣は漁網を破って魚を食べてしまうなど、漁業者にとって頭の痛い問題が生じ、北海道ではいま、海獣の適正な生息頭数の設定と維持が検討されています。海獣公園に暮らす動物も野生の海獣も、双方を温かく見守る佐藤さんでした。
 
 
 
 
今回は、札幌市内9ヶ所から乗降できる北海道中央バスのセット券「小樽1日フリーセット券」を使った、冬の安心ノンビリ旅でした。バスの運行本数も多い祝津には、小樽市鰊御殿(にしんごてん)や遊園地、マリーナなど多様な体験ができる見どころがいっぱい。脱定番、小樽リピーターの皆様は、おたる水族館に足を伸ばしてみてはいかがでしょう!
 
 
 
 
 
 

交通アクセス

(1)JR札幌駅からバスで
札幌駅隣接「エスタ」バスターミナル1F、南レーンの北海道中央バス窓口で「小樽1日フリーセット券」(1,700円)を購入。札幌市街地からJR小樽駅ターミナルまで1時間強。同ターミナルにて路線バスに乗換え。11番「祝津線」(山まわり)で約25分、10番「高島・祝津線」(海まわり)系統で約20分。「おたる水族館」バス停にて下車。おたる水族館行きバスは、1時間に3本運行。
 
(2)JR札幌駅から列車とバスで
JR札幌駅から普通列車(所要時間約50分)か快速エアポート(同30分強)にてJR小樽駅で下車。駅前で路線バスに接続。(1)を参照。
 
(3)自動車で
札幌方面から札樽自動車道「小樽」IC下車、約9km、所要時間約15分。国道5号「稲穂5丁目」交差点を右折し、道道454号線を祝津方面にトンネルを3本通過し、祝津港を左折。(冬期は駐車場料金無料。通常営業期は1,000円)

 

小樽1日フリーセット券

●問合せ先(北海道中央バス株式会社 札幌ターミナル窓口) / 011-231-0500
●営業時間 / 7:30~19:00
北海道中央バス株式会社【札幌発着】小樽1日フリーセット券