大地を創る人。噴火湾の〝日本一おしゃれなホタテ漁師〟!?内海雅仁さん

 

インタビューシリーズ「大地を創る人」。今回フィーチャーするのは、噴火湾の養殖ホタテの漁師、内海雅仁(うちうみ・まさひと)さんです。祖父の代から続く養殖場を引き継ぐ3代目。プライベートでは〝日本一おしゃれなホタテ漁師〟として(!!)、そのギャップを楽しむというユニークな一面もお持ちです。そんな内海さんに話を伺いました。

 

噴火湾で年間500tものホタテを養殖

噴火湾。それがどこにあるのか、知っていますか。北海道地図でいうと左下の、丸く湾になっている部分。そこが噴火湾です。地図には内浦湾と表記されており、1年を通して様々な魚介が水揚げされる他、ホタテの養殖がとても盛ん。約50年の歴史があります。
 
 

 
内海雅仁さんも、噴火湾沿いの洞爺湖(とうやこ)町で、ホタテの養殖を営んでいる漁師のおひとり。幼少の頃から海が大好きで、ホタテ漁師だった祖父や父の仕事を手伝っていたといいます。高校は「早く漁師になりたい」という理由で夜学を選択。昼間は漁に携わり、1級船舶など必要な免許を順次、取得されました。
 
 
 
 
そしてそれから20数年後の2012年に、念願だった自分の船を購入。その名も第八十八若潮丸。「重量9.7t。いままでの船よりも大きいんですよ。これで年間500tのホタテを水揚げしています」と内海さんは語ります。
 
 
 
 

壁はあるけど、やる。家族を路頭に迷わすわけにはいきません

 
 
養殖の手法は、ロープにホタテの稚貝をひとつずつ括り付け、海中に沈める耳吊り法。毎年4月~6月頃に作業を行い、12月~3月の漁に備えるのだといいます。
 
また、内海さんは2年貝を出荷しているため、7月~10月は、その年に生まれたホタテの稚貝を選別する作業も行います。そして漁の時期になれば、「毎晩8時に寝て深夜0時~1時に起きる生活」です。
 
1年目と2年目のホタテを同時に管理するため年間を通して大忙しですが、おいしいホタテを目指し、とても手をかけています。
 
 
 
 
そんな養殖ホタテの漁師の仕事は、どんなところが魅力なのでしょうか。
 
「頑張った分だけ成果が得られ、それが収入に繫がるところでしょうか。災害の影響を受けるなど思い通りにいかないことも多々ありますが、そこを乗り越え、知恵を得ていくことにもやりがいを感じますね。まあ、家族を路頭に迷わすわけにはいかないので、何があってもやるしかないのです」
 
 

漁師のイメージと真逆なことをするのが楽しい

内海さんは、面白い取り組みもされています。例えば、ホームページ。ホタテのむき方の動画もアップするなどして、自分達のホタテをPR。個人からの注文もここで受け付けています。
 
 
 
 
また、札幌のイタリアンレストラン「デッラ・アモーレ」や東京広尾の「ちいさな台所ひらた」などに、朝、水揚げしたばかりのホタテを貝付きのまま直送。
 
「様々な料理に使ってくれているようです。うちのホタテは貝の長さが9cm程の2年貝なので、サイズ的に料理しやすいみたいで」。
 
そう謙遜されますが、シェフからのラブコールがあっての出荷です。実際、内海さんのホタテは甘く、マイルドでおいしい! 毎年頼みたくなるシェフの気持ちもわかるというものです。
 
「いつも海にいると出会いに乏しいですから、料理人や注文してくださるお客様と触れ合い、感想を直接聞けるのは励みになりますね」
 
 
 
 
今後の夢は、技術面でも収入面でももっと上を目指すこと。漁のさらなる機械化と効率化を成し、この豊かな海を孫の代まで残していきたいのだといいます。
 
 
 
 
最後に、そんな内海さんのプライベートな面も少しご紹介しましょう。実は取材日に着用していたのは、上質なオーダーメイドのスーツ。たまに札幌へお出かけの時にはデザイナーズホテルに宿泊し、引退したらイタリアでのんびりするのが夢。また、趣味はカメラで、景色や料理を撮影しているといい、私達が想像する漁師のライフスタイルとは少し違うように感じられます。
 
「一般的な漁師のイメージと真逆のことをするのが楽しくて、〝日本一おしゃれなホタテ漁師〟を目指しています(笑)ギャップがいいでしょ」
 
そう語り相好を崩す内海さん。常に新しいことや人と違ったことに挑戦しようとする、クリエイティブな気質のホタテ漁師とお見受けしました。
 
 

「大地を創る人」とは

さまざまなおいしい食を生み出す北海道を「大地」と表現。農業や漁業、酪農業を通し、「新しい北海道を創りたい」「北海道を支えたい」「未来の北海道をデザインしたい」。そんな思いを胸に抱く北海道の生産者を、「大地を創る人」としてご紹介します。
 
 

関連リンク

第八十八若潮丸 内海漁業部
 
 

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