函館発「OZIO」のハンドメイド革バッグと小物たち

 
 
函館山の麓、教会や洋館をはじめ、歴史を刻んだ建物、坂のある風景が絵になる西部地区。革製のバッグや小物を手がける「OZIO(オジオ)」のアトリエ兼ショップは、元町の二十間坂そばにあります。イタリア語で「ゆったり気ままに」の意味をもつOZIOは、鞄作家の永嶺康紀さんによるブランド。ここ本店では永嶺さんとともに、4人の職人さんが制作に携わっています。
 

 
 
牛革、ベロア、スエードといった素材となる革は、国内とイタリアから仕入れたものを使用。革の厚みの調整、毛羽立ちを抑える処理、プリント、裁断、縫製などすべての工程をここで行っています。
 
OZIOの製品は、まず、色が印象的。そして、軽くて柔らかい手触りです。質感だけではなく、「自然素材の革がもつ表情を生かし、使いやすく長く愛用してもらえるものをつくること」を永嶺さんは大切にしています。
代表的なデザインは、フラミンゴ、キリン、ペンギンなどをモチーフにしたアニマルシリーズ。永嶺さんの描く動物たちが、シルクスクリーンによるプリントで革の上に生き生きと表現されています。
 

 
 
旧函館区公会堂やカトリック元町教会をスケッチして生まれたバッグもあり、絵を写したものだけはなく、シンプルなバッグも手がけています。
 

 

 
 
ケース類やブックカバーなど小物も素敵。手にとってみると、丁寧につくられているのがわかります。色がきれいで遊び心が楽しくて、自分でももちたくなり、プレゼントしたい人の顔も浮かびました。
 

 

 
 
取材中、刷る作業を見ることができました。1枚の革にプリントされるのはフラミンゴ。まずは1色目の黒を入れ、乾燥させてから2色目の赤を入れるそう。OZIOの製品はこんなふうに手をかけて、1つ1つ作られています。
 

 

 
 
店頭にはその都度仕上がったバッグが並び、その多くが1点もの。セミオーダーで革や色や動物モチーフを選んでつくってもらうこともできます。外に卸すことはしていなく、実際に見てさわれるのは、ここの店舗と、直営の函館空港店、札幌円山店だけです。
 
永嶺さんは函館出身。東京芸術大学で染色を学ぶと同時に、鞄職人に弟子入りして鞄制作の技術を習得しました。動物のモチーフは、そのころに上野動物園に通ってスケッチしたものです。在学中にOZIOを立ち上げ、革に動物の絵を手刷りでプリントしたものなど作品は注目を集めていくことに。大学3年のときに初個展を開き、卒業後は都内にアトリエを構えて活動していました。
 

 
 
仕入れ先との信頼関係も築いてきました。「材料はどこにいても出してくれる。ゆっくりいいものをつくって、函館から発信しよう」と、2008年に地元・函館に戻ってきました。一度外に出て戻ってきた永嶺さんには、いろいろな思いがあります。全国の百貨店などで行う展示会は「函館をPRする機会でもある」といい、また、「函館に観光で訪れる人の、少しでも旅の記憶に残るお店になりたい」と話してくれました。函館シリーズのバッグも、徐々に増やしていくそうです。
OZIOファンは全国に広がり、来店を目的に函館を訪れる人も。元町散策の途中、ぜひ立ち寄ってその世界観にふれてみてください。