富良野の古民家カフェで世界の料理を~cafeゴリョウ~

 
 
関西出身の元バックパッカーが富良野へ移住して作った「cafeゴリョウ」。傾いていた古い納屋を自らの手で修理して改造したお店で、自分たちが作った野菜を各国で見てきた世界の料理にアレンジして提供しています。
 
 

古民家カフェ「cafeゴリョウ」の雰囲気

お店は富良野市街地から南へ車で約10分。森と畑に囲まれた中にあります。
 
 
 
 
木造の古い建物の扉をガラガラッと開けると、中も古めかしい雰囲気。店内は綺麗に施されているので、年代を感じつつも、それが逆にお洒落な空間を生み出し新鮮な雰囲気です。
 
 
 
 
入口付近には薪のストーブがあり、冬でも暖かく過ごせます。
客席は1階にテーブル席とカウンター席があり、ほか2階にもテーブル席があります。はしごかと思う位急な階段で2階へ上がると、屋根裏部屋のようなスペースが現れます。まるで秘密の隠れ家に来たような雰囲気です。
 
 
 
 
この建物、元々は1929(昭和4)年に建てられたと言われる農家の納屋でした。長いこと使われていませんでしたが、大改装の末、カフェとして蘇りました。併設している母屋も同じく改装をし、ゲストハウスとして使用されています。
 
 

「cafeゴリョウ」誕生物語~ちょっと壮絶な誕生秘話

なぜここでカフェを始めたのでしょうか。
オーナーの澤井夫婦に話を伺いました。
 
 
 
 
「元々僕ら、世界一周旅行していたんですよ」
突如突拍子もないことから会話がスタートしました。
 
関西出身のお2人、バックパッカーとして1年ほど世界を巡り南米にいた時、以前世話になった陶芸家から独立し富良野でカフェとギャラリーを始めるので手伝わないか、と連絡が来たそうです。そこで帰国をして夏の繁忙期だけ手伝い海外へ戻り、翌年夏もまた富良野へ手伝いに訪れると、旅よりも富良野の冬を見てみたいと感じ、家を探し始めました。
そこで地域の方に紹介されたのが、傾き朽ち果てた農家の母屋と納屋でした。
傾いている家をロープで引っ張り、まっすぐ立ったら住もうと決め、やってみました。
 
 
 
 
「見事しっかり立ってしまい、その時僕ら富良野で定住することが決まりました」
と語る澤井さん。2007(平成19)年の晩秋のことでした。
 
電気もなく、井戸も壊れて水もなく、トイレは穴があるだけ。壁は崩れ、そもそも古い建物で断熱材もない建物での生活。真冬は家の中でもマイナス15度になり、朝起きると顔のまわりに息が白く凍りついていることもあったそうです。
 
 
 
 
ひとまず住み始め、ここでできることは何だろう。極寒の中で考えた答えが、カフェとゲストハウスでした。
春を迎え、地元の大工さんの助言をもらいながら半年かけ、建物の補強や断熱材を入れる改修を自分たちの手で行い、2008(平成20)年の12月にカフェとしてオープンしました。その3年後、ゲストハウスもオープンしました。
 
 

富良野の食材を使ったワールドワイドなメニューを提供

2人が世界各地を巡り、自分たちが見て、食べて、美味しいと思ったものをカフェで再現しているそうです。
食材は極力自分たちの畑で栽培した野菜を使っています。中には世界各国の料理で通常なかなか手に入らない食材もあり、自分で作るしかない、と栽培を始めたものもあるそうです。
 
食事メニューは大きく2つ。そのうちの1つが、ゴリョウサンドです。
 
 
 
 
サンドは2種類。訪れた時の内容は、全粒粉で作ったパンに、豆のパテとズッキーニを挟んでいます。デザートは畑で採れたラズベリーのジャム入りヨーグルトです(野菜やジャムは季節により変わります)。
ボリュームは多いのですが、野菜中心のヘルシーメニュー。全てのメニューで肉を使用せず、豆のパテや豆腐のハンバーグを使用しています。
 
もう1つのメニューは日替わりごはん。マライコフタ、ガドガド、ロコモコ、モーレ、チャナマサラ、グリーンカレーからの日替わりで1日2種類登場します。さて、どのメニューがどの国・地域のものか、皆さんわかりますか?全てパッと思い浮かんだ方は、ちょっとしたグローバル人材かも!?
 
ドリンクは自家焙煎のコーヒーのほか、ベトナムコーヒーやチャイなどもあります。
 
 
 
 
自家焙煎しているコーヒー豆は、東ティモール産の有機栽培をしたフェアトレード商品。店内でも豆の販売をしています。
 
 
 
 
古くても新しい感性で立ち上がった古民家カフェ。昔の傾きかけた納屋の写真を見せてもらうと今のカフェが嘘のようです。
「もう一度一から同じことしろって言われたら、もうゼッタイ嫌です」
と笑いながら語ってくれた澤井さん。
富良野へ移住をして定住しつつも根っからのバックパッカーの血は変わりません。お店は夏でも冬でも営業していますが、例年3月中旬から4月中旬位は1か月近くお店を閉じて夫婦で海外を放浪しているのだとか。
 
一見破天荒な勢いとワールドワイドな感性が、この古民家の雰囲気をより魅力的にしています。
昔の富良野の雰囲気とともに景色と空気と新鮮な味を楽しみつつ、富良野のライフスタイルをのぞきに行ってみませんか?