2014年10月18日 | T・H

「土の博物館『土の館』」上富良野町:北海道遺産シリーズ(17)

スガノ農機株式会社が開設している「土の館」は、北海道開拓が過酷な気象条件の中で進められた経緯や、土と人間の関わりの大切さを今に伝えています。併設のトラクタ館には、60~90年前のトラクタを74台展示。その展示内容が評価され、2004年10月に北海道遺産に選定、今年8月には、日本機械学会の機械遺産にも認定されました。
 
この博物館は大きく3つの展示から構成されています。
 
第1展示場には、北海道の開拓期に過酷な条件の中で開墾に立ち向かった人々の農機具類と、初代社長菅野豊治氏の農機具への取り組みが展示されています。
 
 
土の館、農機具、土づくり
▲世界の農器具類の展示 貴重なスキやプラウが多く展示されている
 
 
第2展示場は、土そのものがメイン。壁に取り付けられた土層の展示・土壌モノリス(標本)は国内外から採取したもので、それぞれの土壌の特色・土地改良・土づくりの苦労など、土の大切さと土の関わりを学ぶことができます。
 
 
土の館、土壌標本、土づくり
▲土づくりコーナーの土壌モノリス(標本)
 
 
とりわけ目を引くのが十勝岳大爆発による泥流土の高さ4mもの標本展示で、もっとも下層には沼地に土砂が堆積した層があり、何層か上には1926年に起こった十勝岳噴火による泥流大災害の痕跡を、地層の境目からはっきりと見ることができます。
 
 
土の館、土壌モノリス、十勝岳噴火、泥流災害
▲高さ4mもの土の標本展示 土の層から土地の歴史を知ることができる
 
 
1926年、十勝岳大爆発によって25km離れた富良野原野の田園風景は、たった25分というわずかな時間の間に泥流で埋め尽くされてしまいました。鉱毒を含んだ土は草も生えず、何とか土を甦らせようと客土を何度も繰り返して最上部の現代の豊かな土層になったのです。その作土層に、どん底から立ち上がり、土と生きた人々の強い意志を感じ見る事ができます。
 
 
土の館、十勝岳噴火、泥流災害 
▲1926年十勝岳噴火による泥流大災害の様子
 
 
別棟の「トラクタ博物館」には、北海道に初めて導入された鉄車輪トラクタや実働するカナダ製の蒸気式トラクタなど、歴史を伝えるトラクタが並びます。80台を有するトラクタは、各地域、各営農者への導入、使用、館への寄贈・寄託の経緯が記録されており、国内の他地域とは根本的に異なる北海道の大規模農業の歴史の足跡を、機械面から語る証人となっているのです。
 
 
「土の館」、トラクタ館、機械遺産
▲「トラクタ博物館」に並ぶ歴代のトラクタ
 
 
土づくり、それを助ける機械の発展、そして不毛の地から北海道を代表する農業の大地へと甦らせた先人の努力の積み重ね。農業関係者だけでなくたくさんの方々に「土の館」を訪れていただき、今ある十勝の美しい田園風景から、土づくりの取り組みを学び、自然の恵み・食べ物の大切さを改めて感じてもらえることを願います。

 

北海道遺産

・Webサイト http://www.hokkaidoisan.org/
・Facebook http://www.facebook.com/hokkaidoisan
 

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