情熱の仕事人。飲食企業の農業への挑戦!札幌・タフスコーポレーション代表「田村準也」


 
札幌・ススキノを拠点に6店舗の飲食店を展開する、タフスコーポレーションの代表、田村準也さん。飲食店から農園へと活動の場を広げて、北海道の食を発信しよう、未来につないでいこうと熱い思いで奮闘中!
 

もっと知りたい!自分たちで作物を育てる経験を

田村さんは20歳で独立。小さなバーからスタートし、ススキノで飲食店を経営して約20年。現在は社員40人、総勢約80人のスタッフを率いています。
 

 
札幌から車で1時間弱、訪れたのは由仁(ゆに)町にある「タムラナチュラルファーム」。縁あって体験農園の農地の一部を借り受け、2013年から運営しているタフスコーポレーションの自社農園です。
 
田村さんはこの農園を開く以前から、スタッフと共に北海道各地の畑、チーズ工房などを訪ね歩いていました。高品質な食材を仕入れたいこともありましたが、生産者から直接話しを聞き、「食に携わる者として、農業を知りたい」という思いから始めた取り組みでした。

 

 
ではどうして、農園をもつことになったのか。田村さんに尋ねてみました。
「もともとやってみたい気持ちはありました。農家さんと交流するなかで、自分たちで実際に作物を育てる経験をして、もっと知りたい、勉強したいという欲求が高まっていったんです」。
おいしい野菜を求めるならば、プロに届けてもらえばいい。飲食店がなぜ農業なのか。農園を始めるにあたり、否定的な声も聞かれたそうです。しかし、これまでもそうしてきたように、田村さんは挑戦することを選択しました。
 

野菜を育て、調理し、料理を提供。ストーリーを伝えたい

園主や近隣農家の方々に指導を仰ぎながら栽培に取り組み、つくっている作物は約80品種に及ぶといいます。農作業や農地の管理はベテランシェフである同社の中村貴幸さんが務め、農園には各店舗のスタッフも足を運んで、作業や収穫にあたっているそうです。

 

 
収穫した野菜は、タフスの店舗で使用・販売しているほか、他の飲食店にも卸したり、食のイベントなどにも出品したりしています。
どこで誰がどんな思いでつくった野菜なのか、どんな食べ方ができるのか。
「実体験から自分たちの言葉でストーリーを伝えることができれば、お客様に料理をもっとおいしく味わってもらうことや、店で過ごす時間に新しい価値を見いだしてもらうことにつながっていくのではないかと思っているんです」。
それは「有意義で価値ある時間を提供する」という会社の理念の体現そのものでもあります。

 

 
 
 

出会えた農業者とのネットワークを生かして

開園から2年目。農園をもてたことで野菜を生産するという経験はもちろん、一番の財産になっているのは、人との出会いだといいます。
「農園の運営は決して低いハードルではなく大変な面はありますが、自分たちの活動は未来にむけての種まきですから」。
 
道内各地の農業者の方々とのネットワークができたことで、新たな活動や目標も生まれています。そのひとつが、札幌市内の飲食店のオーナーや料理人などを募り、参加者が畑を見て、生産者から野菜づくりやその考え方などを学ぶアグリキャラバンです。
 
北海道Likersで田村さんの企画によるアグリキャラバンを紹介しています↓
札幌の飲食店が取り組むアグリキャラバン
 
このアグリキャラバンを、飲食店、生産者、飲食店を利用するお客様、三者にとっての価値が生まれるような活動にしていきたいと田村さんは考えています。
また、自社の野菜、北海道の農産物に付加価値をつけることや、つながった人、志を同じくする人たちと共に北海道の食を発信していきたいというビジョンも語ってくれました。そして発信するだけではなく、「安心できる食を未来につないでいくことが本当に必要だ」と力を込めました。

 

 
目標は「食というコンテンツで北海道を代表する企業になること」だといい、また、「ファームレストランとオーベルジュをつくりたい」と夢も打ち明けてくれました。
田村さんには食を通じて人に社会に貢献し、経営者として社員にもより豊かさを提供したいという思いが強くあります。まだまだこれからと語る語調に、そこに向かって挑戦していこうという勢いが感じられました。

 

 
「目標、夢は常に持ち続けています。それが自分の原動力でもありますし、まずは自分が行動したり、経験を伝えたりすることで、社員にも、若い人たちにも、いろんな世界を見てもらうことができたらと思っています」。
 
田村さんたちによってまかれた種が、将来、北海道の食のシーンをもっと楽しく元気にしてくれそうです。