2014年08月26日 | うずらはしちあき

育てた麦と天然酵母でパン作り。「奥土農場 石窯パン工房」

ニセコ 奥土農場 石窯パン
 
 
外はこんがり香ばしく、中はしっとり。風味豊かなパンたちが羊蹄山の麓で焼き上がっています。ライ麦・小麦を育て、手造りの石窯でパンを焼く、ニセコの奥土農場を訪ねてきました。
 
 
ニセコ 奥土農場 石窯パン
▲この道の奥にお店があります
 
 
ニセコ町の近藤地区で農業を営みながら、パンを作っているのは奥土盛久さん一家です。奥土さんは神戸の出身。北海道で農業を始めるために占冠(しむかっぷ)村に入植し、その後1990年にこの地に移り住みました。農地を耕作できる環境に整え、作物を育て収穫に至るまでは苦労の連続だったそうです。
 
 
ニセコ 奥土農場 石窯パン
▲奥土盛久さんと奥さんの敦子さん。お二人の人柄も魅力です
 
 
奥土農場のパンは、奥土さんが子どもの頃から食べていたライ麦パンと、20代の頃に農業研修で訪れた、ドイツのパン屋さんの味が原点なのだそうです。
「ドイツの地方都市にあったパン屋さんの、皮の黒い、ぽこんと割れるパンが本当においしくて。その味が忘れられなくてね」と奥土さん。
 
奥土家には小さな石窯があり、以前から奥さんの敦子さんが家族で食べるパンを焼いていました。収穫した作物を生地に練り込んでアレンジし、試行錯誤を重ね、自家用だったパンを製品として本格的に販売し始めてから十数年が経つといいます。
 
 
ニセコ 奥土農場 石窯パン
▲写真上が小麦・はるゆたか、下がライ麦。粗挽きにすることで風味の強いパンができるのだそう
 
 
「うちは農家なんでね、できるだけ自分たちで生産したものを使ってるんですよ」。
自家栽培したライ麦・小麦は、収穫後に乾燥させて選別し、粗く挽いて粉(全粒粉)にするそうです。生地に練り込む黒豆、とうもろこし、じゃがいも、かぼちゃなども農場産のもの。酵母もライ麦やぶどうから起こしているそうです。
 
 
ニセコ 奥土農場 石窯パン
▲粉に挽いた後に残る粗いふすま(表皮)は、パンの表面に付けて使用。素材を余すことなく生かします
 
 
必要なものは自分たちの手で作るのが奥土家の基本。工房のレンガを積んだ石窯も手造りです。
 
 
ニセコ 奥土農場 石窯パン
▲パンを焼く4時間前に薪を焚き始めるそう。天候で生地の発酵度合い、薪の状態が左右されるため、窯の温度の調整が難しいのだといいます
 
 
パンは、窯の内部で薪を焚き、レンガに蓄積した熱で焼きます。窯内は約400度の高温になり、300度に下がったところでライ麦パンから焼き始め、ハード系の後にほかの種類のパンをそれぞれ適温で焼いていくそうです。
「ガス窯だと、雑穀の入るうちのパンはカチカチになっちゃうの。おいしく食べるには、石窯で焼くのが一番なんですわ」。
石窯を使うことで、表面が乾燥することなく短時間で生地の中心まで熱が入り、外側はしっかりと焼け、中はしっとりもっちりとしたパンに仕上がるのだと教えてくれました。
 
 
ニセコ 奥土農場 石窯パン
▲写真手前がライ麦パン。左上がかぼちゃぱん、右は黒豆パン
 
 
ライ麦パンは、手に持つとずっしり。レーズンとクルミ、キャラウェイシードが入っていて、香ばしく、酸味がしっかり感じられました。黒豆パンは、ローストして砕いた光黒豆を生地に練り込んでいるそう。シンプルな塩味で、フランスパンのような印象です。
 
 
ニセコ 奥土農場 石窯パン
▲じゃかいもと自家製ヨーグルトを練り込んだ開拓者のパン、はるゆたか全粒粉の田舎パン、とうもろこしパンなどもあります
 
 
ソフトな食感なのは、かぼちゃパン。ちぎってみると、中はかぼちゃそのものの色で、噛んでいると素材の甘さがわります。練り込むかぼちゃは、熟したものを丸ごと窯で焼いてから使うのだとか。ほかもいただきましたが、ここのパンはどれも、噛み締めると素材の風味がじんわりと広がるパンです。
「噛むほど味が出て、それぞれに味わいが違うのは、パンも人の人生も一緒ですわ」。奥土さんはそう言って目を細めていました。
 
 
ニセコ 奥土農場 石窯パン
▲店頭にはパンのほかにラスクなどもあり、自家製ベーコーンを使った石窯バーガーも注文できます
 
 
畑からスタートし、手間をかけて焼き上がった石窯パン。ぜひ味わってみてください。
パンは地方発送も受付けているそうです。詳しくは同農場のホームページでご確認を。
 
 
ニセコ 奥土農場 石窯パン
▲奥土さんが、とうもろこしの実取りをしていました。これは秋に収穫し半年乾燥させた八列とうもろこし。とうもろこしパンの材料になり、また、良い種は翌年畑に播くそうです
 
 
ニセコ 奥土農場 石窯パン
▲いろいろな話を聞かせてくれた奥土お父さん、ありがとうございました!

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