ホタテ殻が資源に!「ダストレスチョーク」

 
 
北の味覚ホタテの貝殻を原料にしたチョークが、北海道の美唄(びばい)市でつくられています。「これ知ってる!」という学生さんも多いダストレスチョーク。ホタテの貝殻がチョークになるまでを追いました。
 
ホタテの加工で出る貝殻は年間20万tにものぼり、一部は肥料などに利用されますが多くは産業廃棄物となります。神奈川県川崎市に本社をおく日本理化工業学株式会社では、北海道の課題に着目したチョークづくりに着手。ホタテ貝殻入りの「ダストレスチョーク」を2005(平成17)年に発売しました。チョークの製造を営業部の西川仁孝さんに見せていただきました。
 
 
 
 
 
 

人と環境に優しいチョークづくり

ダストレスチョークは札幌市と旭川市の中間にある、人口2万4千人の美唄市にある美唄工場でつくられています。ここで働く人の多くは知的障がい者のみなさん。日本理化学では各人の能力に応じて、工程を組み替えたり道具を工夫するなどして改善。社員の働く喜びを実現しています。
 
 
 
 
工程はまず殻を洗浄して5ミクロンの粒子に粉砕します。石灰石からできた炭酸カルシウムの粒子はつぶ状ですが、ホタテ殻の粒子は棒状。「棒状の粒子が混ざることでチョークは折れにくく、書き味が滑らかになります。ホタテ殻を加えると白色度も増すんですよ」と西川さん。粒子が棒状のホタテのチョークは石こう原料の製品と比較して、粒子が重く消した際の粉が飛散する時間は短く、飛散範囲も広がりにくいとのこと。さらに使い終えた短いチョークは、捨てずに庭に蒔けば土壌改良剤の働きもあります。ゴミも少なくムダがありません。
 
 

練って絞り出し、切って固める

レクチャーを経て工場へ。混練(こんれん)という工程で、粉に水と粘結剤を足して練っていきます。チョークの書き味や強度を検討し、ダストレスチョークはベースの炭酸カルシウムにホタテの粉末を約10%加えています。
 
 
 
 
 
 
最も熟練を要する工程はこの押し出し作業。材料が伸びやすいため鉄板移動にはスピードと正確さが求められます。長い人で勤続44年の熟練者も活躍しています。
 
 
 
 
 
 
「美唄工場では近郊の小学校の社会見学に協力しています。子供たちは障がいを持つ人たちがそれを克服して、ものすごいスピードでチョークをつくる姿に目を輝かせています。最終工程を見る頃の子供たちは嬉しそうですね」(西川さん)。
 
 
 
 
多くの工程を経て完成したホタテのチョーク。この商品は2005(平成17)年の発売以来学校などに普及し、2007(平成19)年には北海道リサイクルブランドに認定されました。道内で製造販売する136のリサイクル製品中まだ4品目しか認定のない、優れた特性を持つ製品。それがダストレスチョークなのです。
 
 

暮らしに提案。チョークの温かみ

工場を見て「大人になればチョークは卒業だよ」と思ったみなさん!これが結構使える道具なのです。お次は札幌でチョークのある暮らしを提案するチョークアーティスト、笹森花絵さんに家でも楽しめるアイディアを聞きました。
 
 
 
 
近年お店で“旬メニュー”やお薦め商品を紹介する黒板POPがさかんです。ダストレスチョークの色彩に目を輝かせた笹森さん、「子供のワークショップで私もチョークを使いますが、道具を見せるとテンションは上がります。チョークには、ペン書きやクレヨンでは出せない柔らかな味わいが出るんですよ」(笹森さん)。
 
白を1本手に取り、笹森さんが2分弱で描いた黒板POPはお家カフェ的でこんなにキュート!子供のいる家庭ならばおやつの時間が楽しくなります。「チョークには、使うにつれて短くなっていく過程や充実感がありますよ」(笹森さん)。
日本理化学ではミニ黒板など商品バリエーションも豊富に揃えているので、ぜひお試しを。
 
 
 
 
北海道の困りごとを資源に活かしたチョークは、美唄工場のみなさんが真摯に取り組む大事な商品で、学校の利用に加えて意外とカワイイ大人雑貨。北海道の楽しいお土産としてお勧めしたい逸品です!