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公開 | 宮下 修平

世界に誇れる美しい街並みを目指して ~札幌の景観色70色~

四季折々に変化する美しい景観が魅力の一つである札幌市。訪れる季節によって全然違う札幌の風景に、驚かれた方も多いはずです。そんな札幌市には、景観色を科学的に色彩分析し策定された『札幌の景観色70色』というガイドラインがあります。
 
『札幌の景観色70色』、札幌でもまだ馴染みの薄い言葉ですが、始まりは今から12年前にさかのぼります。大規模な建築物を多数保有する札幌市では、以前からその街並みと自然との色彩の調和が重要だと言われていました。そして平成12年6月、都市景観条例に基づき『大規模建築物等景観形成指針』を定め、一定規模以上の建築物などの新増改築や大規模な修繕、外観の過半の色彩変更などを行う場合の届け出を制度化しました。しかし、都市景観における重要な事柄の一つである色彩については、その数値的規制や誘導などを具体的に示すことに非常に難儀したそうです。
 
そこで、札幌市が市立高等専門学校(現札幌市立大学)に委託し、当時のデザイン学部宮内博実教授を中心に大規模建築物等の外装色として札幌の風土イメージから70色を選び、ガイドラインとして選定されました。もちろん、それら70色はイメージや主観で選ばれたわけではありません。1年を通じ、札幌市12区の地域ごとにおける人工物や自然物の色彩変化を遠景・中景・近景に記録したのをはじめ、地域色の抽出、色彩感覚アンケートなど多岐にわたって色彩分析。札幌の景観色として最も適した色、そして誰もが綺麗だと思える70色が選定されました。

 
札幌の景観色70色

 
札幌の景観色70色

 
また、これら70色のひとつひとつには風土イメージを想像できるオリジナルの札幌らしい色名とカラーストーリーが付けられています。例えば牛乳の白に近いアイボリーホワイトを表現した「乳白(ミルキースノー)」や生ビールがジョッキに注がれた時に現れる色を表現した「ビア茶」、地名からそのまま名付けられた「羊ヶ丘」など、人々の心にはたらきかけ、心に留められるようつけられたこの色名も70色の魅力の一つです。

 
札幌の景観色70色▲札幌の景観色70色カラーガイド

 
そして、『札幌の景観色70色』のもう一つの魅力、それは『立体』のカラーガイドがあること。札幌景観色の普及を活動の一つとしている『札幌イメージコーディネート研究会(Sapporo Image Coordinate Study)』※に所属し、実際に『立体カラーガイド』の作成にあたった㈱伊藤塗工部 伊藤雅彦専務にお話を伺いしました。

 
札幌の景観色70色▲㈱伊藤塗工部 伊藤専務取締役

 
 札幌景観色が出来る前から札幌の美しい景観を育てる活動をされている伊藤さんは、周辺建築物等との色彩調和を図る為に立体カラーガイドの意味と重要性を宮内教授から学びました。「色は光の状態で常に違って見えます。同じ色でも、明るさ、大きさ、素材の違いなどで微妙に変化します。平面的な色見本だけでは捉えにくい環境の変化を、この『立体カラーガイド』を使って現場で確認し、札幌の景観色70色を上手に活かすことを目的とし作製しました。」

 

 
▲札幌の景観色70色 立体カラーガイド

 
すべて手作りで丁寧に作られたそれらは、一つ一つ手触りが非常に柔らかく手に優しく収まる感触はまるで積み木のようでした。もちろん美しい色で彩られたそれらを手に私も街並みを作ってみたところ、取材中にも関わらずその魅力にすっかりハマってしまいました(笑)

 

 

 
最後に、今後の展開や夢について伺いました。「建設工事は素材によって価格が変わりますが、色彩の違いによって価格が大きく変わることはありません。『札幌景観色70色』に倣い、札幌市民が一致協力して調和のとれた街並みを作り続ける事を夢見ています。そして、それを30年後、50年後、100年後と 次の世代につなげ、日本、そして世界に誇れる美しい街並みとして北海道から発信できるよう、これからも活動を続けていきます。」
 
札幌市の街並み自体が一つの観光資源になるのも、そう遠くはなさそうです。
 
※色を扱う様々な業種の有志が、現在は静岡文化芸術大学副学長である宮内博実教授のもと、感性マーケティングの手法等を学び、会員個々のスキルアップを図ることを目的に2000年から活動している団体。

 
立体カラーガイドについてのお問い合わせは下記にご連絡ください。

 

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宮下 修平

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