情熱の仕事人。人馬一体でレースに挑む。ばんえい競馬ジョッキー

 
 
巨大なばん馬が鉄そりを引き、人馬一体で熱戦を繰り広げるばんえい競馬。現在、北海道帯広市でのみレースが開催されています。「ばんえい十勝」を盛り上げる、注目のジョッキーをクローズアップ!
 
ばんえい競馬は、北海道開拓を支えた農耕馬のお祭りに起源を持ち、馬の力比べから現代のレースへと発展。体重1トンものばん馬が最大1トンにも及ぶそりを引くばんえい競馬では、騎手がそりの上に立ち、手綱をさばき、馬を動かします。どうレースを運び、コースに2カ所ある障害を攻めるか。騎手の技量が勝敗の大きなウエイトを占めます。
 
ばんえい十勝で騎乗するジョッキーは現在27人。今回話をうかがったのは、島津 新騎手、浅田達矢騎手です。
 
 

若手のホープ。島津新騎手


 
デビュー4年目の島津騎手は午年の生まれの24歳、今年は年男です。
祖父・父がばんえいの馬主という家庭に育ち、子どもの頃から馬に親しむなかで騎手を目指してきました。
高校卒業後、岩本利春調教師の厩舎に厩務員として勤務し、2年目に騎手試験に合格。2011年1月の初騎乗で勝利をおさめ、デビュー年に重賞初制覇を含むばんえい新人史上最多という86勝を挙げました。以来躍進を続ける島津騎手は、“ばんえいに新時代到来”とうたわれる存在です。この状況をどう感じているか尋ねると、「調教師と勝てる馬に乗せてもらったおかげです」と返ってきました。
 
 
 
 
ばんえい十勝のレース開催は年間約150日。基本1日11レース、騎手は最大で7頭に乗るそうです。
「壁にぶちあたって勝てない時期はある。そのときは無理をしないで、馬の能力をしっかり引き出せるような乗り方をする。そうすれば次につながるから。一通り乗ってだいたいの馬の気性はわかってきました。クセのある馬、山(障害)が苦手な馬をどう操るか。(リーディング)上位の騎手はみんな上手い。先輩の技をよく見て自分ももっと上手くなりたい」。
 
思い通りのレース運びで勝てたときに喜びがあるという島津騎手。目標は「数字でいうと今年は100勝」。2014年後半戦、ますます期待がかかります。
 
 
 
 

10年目で手にしたビッグタイトル。浅田達矢騎手

 
 
浅田騎手は奈良県出身。大学受験に失敗し、「憧れのようなものがあった」北海道へ。道内を自転車で旅していたときに訪れたある牧場で、ばん馬と出会ったことが騎手を志したそもそものきっかけでした。
「その牧場で働かせてもらってばん馬と触れ合ったり、競馬場で手伝いをさせてもらったりしていくうちに、騎手になりたいと思うようになって」。
ばんえい競馬の世界に飛び込み、騎手デビューを果たしたのは2005年。27歳のときでした。
 
「勝負の世界なので甘くはないし、失敗もしてきました。勝てるレースでも、ひとつタイミングが狂うと勝ちを逃してしまう。ばんえい競馬は奥が深いんです。障害のかけ方をはじめ、先輩方に見習うところはまだたくさんあります」。
 
 
 
 
最高峰レースは、1トンのそりを引くばんえい記念です。2013年度(14年3月開催)の一戦は、浅田騎手が手綱を取った6番人気のインフィニティー号が勝利。人馬ともに、ばんえい記念初挑戦での制覇でした。
 
ばんえい記念を獲ることは、騎手になったときからの目標のひとつ。昨年までコースの外から観ていたという浅田騎手にとって、思い入れの強いレースでした。
「支えてくれる方々がいて、勝たせてもらったっていう気持ちが大きいし、ばん馬の神様はいるんだなって思いました。インフィニティーは、サッポロビールの今年の『ばんえい十勝缶』にデザインされていますよ」。
 
今後の抱負を尋ねました。
「勝ちにも内容にもこだわって、少しでもいいレースをすることです。北海道に来たときは目標も何もなかったけど、ばんえい競馬が人生を救ってくれた。だからこれからも頑張っていきたい」。そう力強く語ってくれました。
 
 
 
 
島津騎手、浅田騎手ともに、「迫力あるレースをたくさんの人に観に来てほしい」と話していました。ばん馬たち、ジョッキーのみなさんにぜひ声援を!
 
 

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