2014年08月15日 | nobuカワシマ

地元の方と一緒ではないと行けない知床散策、男の涙へ

男の涙
 
 
手つかずの自然が残る知床半島。海の断崖の間から地下水が吹き出し滝となって水飛沫が舞う「男の涙」も大自然を感じる場所の一つです。
 
ただし、ここの観光は遊覧船で海上から眺めるのが一般的。陸上から眺めるには、ヒグマが出没する地域を通らねばならないうえ、一般の観光客向けの散策路もなく、道筋が不明瞭な山道を歩くことになります。そのため、自然ガイドなど地元に詳しい方の引率が必須です。
 
今回、知床で長年ガイドをつとめる「星の時間」の綾野さんに案内して頂きました。
 
 
「星の時間」綾野さん
▲「星の時間」綾野さん
 
 
7月の上旬、綾野さんの先導で知床の某所から男の涙を眺めるため山林に入りました。
 
 
男の涙散策
▲最初は踏み固められた散策路があり、比較的気軽に歩いていけます
 
 
男の涙散策
▲途中、腰から胸位まで伸びる草むらの中を進んでいきます。先導がいないと迷いそう…
 
 
平坦な部分もあれば、多少アップダウンがあるところもあります。背の高い木に囲まれた森の中を進む場面もあれば、木がなく背の高い草のみで見通しのよい場所もあります。
野生動物に遭遇するのでは…という期待と恐怖が入り混じります。散策途中では実際にこんなものも。
 
 
ヒグマの痕跡
▲ヒグマが木の根元を掘り返し、セミの幼虫を探した跡。掘ったばかりのようで、ついさっきまでここにいたようです…
 
 
もしヒグマに遭遇したらこの先行くのは即中止ですが、しばらく様子を伺うと既にいなくなっていたようなので、先へ進みました。ヒグマの痕跡など、野生動物が身近にいる証は各所で見ることができます。
 
 
ヒグマの痕跡
▲ヒグマが冬眠していた穴の跡。正確にはヒグマは餌を全く食べず春まで眠るのではないので、冬眠ではなく「冬ごもり」が正しいのだとか
 
 
ヒグマと実際の遭遇はなくてもエゾシカは随所に現れます。
 
 
エゾシカ
▲草むらがガサガサ、って動く音がしたので見ると、エゾシカが顔を出してこちらを見ていました
 
 
エゾシカの痕跡
▲秋の繁殖時期に雄鹿が泥を浴びる蒐場(ぬたば)です
 
 
エゾシカの痕跡
▲エゾシカの骨。冬を越せず死んだエゾシカが雪に埋もれ、雪解け後にヒグマなどが食べた跡だそうです
 
 
歩いて進んでいくだけで、自然の営みを随所で感じることができます。
綾野さんが途中でこんなことをしてくれました。
「ちょっとイタズラします」
 
 
「星の時間」綾野さん
▲紙片を使って口笛を吹きます
 
 
エゾシカ
▲草むらにいた数頭のエゾシカが口笛の音に反応してみなこっちを振り向きました
 
 
エゾシカの鳴き声に近いという音を口笛で吹いてくれました。エゾシカが仲間の鳴き声かと勘違いし、反応するそうです。
とはいえ、野生動物相手に人間が余計なことをするのはよくありません。イタズラはこの位にして、そのまま進んでいきます。
 
 
男の涙散策
▲国立公園なので倒木も撤去されずにそのまま残っています
 
 
自然溢れる散策ルートを抜けると、海岸線の断崖の上へ到着しました。断崖はかなり高さがあり、海岸線まで下りることは危険です。
 
 
 男の涙
▲草木の緑と真っ青なオホーツク海の色合いがとても綺麗
 
 
この入り江の崖に、地下水が染み出て海へと落ちる滝、「男の涙」があります。
 
 
男の涙
▲男の涙を崖の上から眺めます
 
 
「男の涙」という名は通称で、近隣にあるフレペの滝(通称:乙女の涙)と比べて勢いよく豪快に流れているからとか、本来は海上からしか見ることができないので見えないところで泣く男のようだとか、諸説あるようです。
 
この日偶然にも、奇跡のような光景が広がりました。
なんと、滝に太陽の光があたり、オーロラのようにゆらゆらと揺れる虹が現れました!
 
 
男の涙
▲水飛沫がスクリーンのような役割をしたのでしょうか。虹がゆらめいていました
 
 
長年ガイドをしている綾野さんも初めて見たという光景。何とも神秘的な出来事でした。
ゆらめく虹、ほんの5分もするとスーッと消えてしまい、その後待っていても二度と現れませんでした。天気と光の角度と水の出方が生み出した偶然の賜物です。
 
自然溢れる「男の涙」への散策。道迷いやヒグマとの遭遇などの危険があるので、ガイドさんなど地元で詳しい方の同伴は必須です。
少々一般的な観光ではない冒険心溢れる体験をしてみたい、と思う方にはオススメです。
 
 
男の涙
▲沖合をいく観光船。一般的な観光はこの船で

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