札幌の飲食店が取り組むアグリキャラバン

 
 
「お客さんにもっと喜んでもらいたい、もっとおいしく食べてもらいたい」と、真摯に考える札幌の飲食店が集まり、「そのためには、まず現場を知らなければ!」と生産農場を回るアグリキャラバンが実施されました。地元の人はもちろん、札幌に来る観光客にも、安心・安全な食材で、おいしい北海道を味わってもらいたいと取り組む彼らのキャラバンに同行してきました。
 
 
 
 
道産食材は、おいしくて当たり前。では、その食材は、誰が、どこで、どうやって、どういう考え方でつくっているの?同業者はライバルだけど、みんなで一緒に切磋琢磨すれば、札幌の飲食業はもっともっと良くなって、もっとお客さんに喜んでもらえるんじゃない?という、シンプルな発想から、生産者の農場を回るアグリキャラバンを仕掛けたのが、株式会社タフスコーポレーション代表の田村準也さんです。去年から、自社農園を持ち、自ら農業に取り組み、札幌市内に6店舗の飲食店を展開しています。

 

羊蹄山麓にある3つの農場を回る

参加者は、札幌市内で飲食店を営むオーナーや料理人などで、羊蹄(ようてい)山麓のニセコ、倶知安(くっちゃん)、ルスツにある農場を回りました。
最初に訪問したのは、肥料や農薬は一切使わず、畑も耕さない、自然が持つ本来の姿で野菜を育てる「自然栽培」で、トマトやナス、カボチャなどを栽培している、ニセコの「ラララファーム」。
 
 
 
 
 
 
2軒目は、倶知安のニセコグリーンファーム。ここは、オランダ人のデニスさんがオーガニック栽培でニンジン、カボチャ、スイカなどの野菜をつくっています。特に、黄色、紫、赤、オレンジ、ピンクなどカラフルな珍しい野菜を多種栽培しているのが特徴です。
 
 
 
 
ここでは、アスパラの収穫体験が行われました。アスパラを畑で収獲するのは、ほとんどの方が初体験の様子。デニスさんにやり方を教えてもらって挑戦です。
 
 
 
 
 
 
ニセコグリーンファームでは、収穫した野菜を使って石窯ピザづくり体験ができます。先ほど収穫したばかりのアスパラを使って、この日のランチは石窯ピザです。
参加者たちは、畑見学や収穫時はちょっとおとなしかったのですが、まな板と包丁を目の前にしたら、急に活き活きし始めました。さすが、飲食店関係者のキャラバンです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1軒目の「ラララファーム」も2軒目の「ニセコグリーンファーム」も、田村さんとはさぞ古い付き合いなのか?と思いきや、「知り合ったのは去年です(笑)」と田村さん。
「服部さんは彼のブログを見て、とても興味がわきました。デニスさんも、知り合いの知りあい、みたいなひょんなつながり。どちらも、栽培方法やつくっている野菜はもちろんですが、『ひと』として会ってみたいと思いました。どんな人なのか、どんな考え方なのか、これから彼らがどんなものをつくって、どんな影響力を持つのか。そういうところに、強く惹かれました。私たちは、店に来るお客さんに料理をつくって提供しています。が、店にいると市場から食材が届いて、それを扱うだけです。でも、野菜ができる畑や、つくっている人、野菜のつくり方などを知っていると、市場から届いたものでも、もののありがたみが違ってくると思うんです」(田村さん談)。
 
 
 
 
「知っていて取り組む」のと「知らずに取り組む」のとでは、全く意味が違うと田村さんは言います。そして「札幌の飲食店は、価格競争をやっていてはダメになる。野菜ができるまでの1シーズンをちゃんと知っていて、流通などの仕組みもきちんと理解できれば、大量生産の食材を使うべきところは使い、そうではない、例えばお客さんから『スペシャルなトマトをどうしても食べたい』などリクエストがあった時に、『ルスツの服部さんに聞いてみよう』とか『デニスさんならつくっているはずだ』と、それをお客さんに提案することができます。そういう人間的なつながり、ネットワークを、私は北海道で構築したいと思っています」と話してくれました。
 
 
 
 

タイプの違う3つの農場から学んだことを活かして

最後に訪れたのは、ルスツの「農業生産法人有限会社サンファーム」。自然のままの姿で野菜をつくっていたラララファーム、オーガニック栽培にこだわるニセコグリーンファームとはまた違って、ここは羊蹄山麓の気候や地形を賢く活かし、計算された生産管理体制でクリーンな野菜をつくっている大規模農場です。
 
 
 
 
ダイコン、ゴボウ、アスパラなどをつくっていますが、特に雪の下で越冬させる「雪の下人参」は、甘さ、香り、歯ごたえなど、大変評判がよいそうです。
 
 
 
 
 
 
 
 
タイプの違う3つの畑を回り、生産者たちと直接会話をする中で、参加者からは「見てみないとわからないもんだね」「初めて知ったことがいろいろあった」という声があがっていました。
これをきっかけに、これからも札幌の飲食店に声をかけて、農場を回るキャラバンを続けたいと言う田村さん。「将来は『食』というコンテンツで北海道を代表する企業になりたいと思っています。そして、北海道の食のことなら田村に聞け!と言われるようになりたい」と目標を語ってくれました。
 
 
 
 
札幌に限らず、北海道内にはたくさんの飲食店があります。おいしい北海道産の食材を使って、地元の人や観光客に喜んでもらうため、田村さんたちのように、食材をつくるひとや畑から学び、それを活かそうと努力している人たちがたくさんいます。
北海道Likersは、そんな取り組みをこれからも一生懸命応援します!
 
 

関連リンク

株式会社タフスコーポレーション
ラララファーム
ニセコグリーンファーム
農業生産法人有限会社サンファーム