自然の奥深さに触れるガイドツアー~知床五湖散策(1)

 
 
知床を代表する観光地、知床五湖。湖底まで見える透き通った水、水面に映る知床連山、森の動物の落し物。ハッと思わず息が止まってしまうほど美しい風景が広がります。
 
知床五湖の散策は2パターン。
誰でも安全に雄大な自然を楽しめる「高架木道(所要約40分)」での散策、5つの湖畔沿いを歩き静かに奥深い自然に触れられる「地上遊歩道(所要約3時間)」での散策、いずれかです。今回は後者を紹介します。
 
「地上遊歩道」では、観光客の混雑による植生の破壊から守るため、またヒグマとの遭遇のリスクを減らすため、散策のルールが厳格に定められています(ルール詳細は最後に紹介します)。
今回訪れた日(2014年7月上旬)はヒグマ対策の知識と技術を持つ知床五湖登録引率者(専門のガイド)の引率が必須な時期。ガイド会社「星の時間」の綾野さんに引率して頂きました。
  
 
 
 
今回はインバウンドのツアー、台湾からいらしたご家族連れの皆さんに同行しました。
 
 
 
 
まず、知床五湖フィールドハウス内で約10分間ビデオ映像(英語字幕)でのレクチャーを受けます。ヒグマについての知識を中心に知床の自然環境についてと注意事項を学んだ後、いざ出発! 
 
 
 
 
森の中を進む散策路を、綾野さんの解説を聞きながら進んでいきます。
この日は外国の方のツアーなので基本的には英語での案内。日常で英語を使わない私にとっては英会話を勉強しながら自然体験も勉強できる、一度で二度オイシイ気分でした。
 
 
 
 
ヒグマが通った跡やヒグマがアリを食べた跡など、普通に歩いていては気づかずわからないことも教えてくれます。ガイド同行だからこそ、自然の醍醐味をより感じられます。
 
しばらく歩いていくと、最初の湖「五湖」に到着です。
 
 
 
 
ただ、この日は生憎の天候。湖は見渡せるものの、背後に見えるはずの知床の山々の姿は白い霧に覆われていました。
天気がとてもよい日はこんな光景が広がります!
 
 
 
 
静かな湖面にはマガモが泳ぎ、湖畔にはキタキツネのフンがありました。しばし静寂な自然を楽しみ、五湖を後にしました。
引き続きお話を聞きながら森の中を歩いていき、四湖を目指します。
 
 
 
 
天気がよければこのとおり。
 
 
 
 
湖畔近くで新しく生えてきた若い木の上には、ふさふさの鳥の毛がありました。世界最大級のフクロウで絶滅危惧種にも指定されているシマフクロウの羽で、滅多に見ることができないそうです。
 
 
 
 
知床五湖は湖が5つありますが、融雪期は5つの湖の他にも小さな湖が見え、春から初夏にだけ現れる幻の湖とも言われています。
 
 
 
 
鏡のように森を映し出す幻の湖や動物たちの足あとを眺め、「ホホー、ホホー」というツツドリの鳴き声を聞きながら、散策路を進んでいきます。
 
 
 
 
この日は残念ながら遠くの霧がなかなか晴れなかったため、五湖と四湖同様、別の日のカットで3つの湖を紹介します。
 
 
 
 
 
 
 
 
当たり前ですが、いつも天候がよいわけではありません。仮に少しくらい曇りや霧でもがっかりする必要はありません。すぐ脇の木や足元の草花にも目が行きやすく、普通に歩いていては見過ごすような動物の痕跡や新たな生命を見つけることもできます。
さらに、ガイドツアーだからこそ、自然の摂理や奥深さを知ることができます。
「これは小熊のフンです。どうやらチェリーのような実を食べたようですね」と語る綾野さん。このような話が聞けるのはガイド同伴ならではです。
 
 
 
 
 
 
一湖まで来ると、「地上遊歩道」ルートでの散策は間もなく終わりです。
「高架木道」ルートの終点部分に合流し、あとは歩きやすい綺麗な木道を歩いてスタート地点に戻ります。
 
 
 
 
 
 
自然に触れられる「地上遊歩道」の区間が終わっても、「高架木道」からも雄大な大自然を眺めながらスタート地点へ帰りました。
 
 
 
 
知床五湖の「地上遊歩道」を歩くにはレクチャーを受ける必要があり、時期によりガイドツアーへの申込をしないといけません。少々手間がかかりますが、その分素晴らしい大自然が残っていて、気軽に触れることができます。
さらに、できればガイドさんに案内してもらいながら歩くのがおすすめです。自然の奥深さを感じられますよ。日本語でのガイドはもちろん、英語でのガイドも可能なので、外国からの観光でも安心して楽しめます。
 
 
 
 

知床五湖での散策ルールについて

「1」地上遊歩道

●5月9日までと、8月1日~10月20日 「植生保護期」
250円(12歳未満100円)の立ち入り使用料を支払い、知床五湖フィールドハウスで約10分間のレクチャー受講後、自由に散策可能。ガイド引率(別途有料)は任意。1日最大3000人まで。
●5月10日~7月31日 「ヒグマ活動期」
知床五湖登録引率者によるガイド同行(有料)が必須。ガイドツアーへ申込のうえ、知床五湖フィールドハウスで約10分間のレクチャー受講後、ガイドとともに散策可能。1日最大300人まで。
●10月21日以降 「自由利用期」
受付手続きなしで自由に散策が可能(無料)
 

「2」高架木道

開園期間中はいつでも無料、手続きなしで自由に個人散策可能。ベビーカーや車いすの利用も可能(車いすは知床五湖フィールドハウスでレンタル可能)
 
★注
2014年度は、秋に駐車場工事があるため、知床五湖への立ち入りは10月13日が最終日です。10月14日以降は入れません。
冬季は知床五湖へ通じる道路が積雪のため通行止めになります。2015年度の開園は4月下旬を予定(積雪状況により異なる)。