「源泉かけ流し宣言」の白老町、虎杖浜地区を訪ねて

北海道白老町(しらおいちょう)の虎杖浜(こじょうはま)・竹浦の11温泉施設では、道内で3番目、全国で10番目の「源泉かけ流し」を2011年に宣言!名湯登別に隣接する虎杖浜は “知る人ぞ知る”温泉。その魅力を探しに、ライターすすきのがお邪魔して話を伺いました。
 
 
 
 
虎杖浜地区は白老町の市街地から西に約10km登別市寄りにあり、室蘭本線と国道36号線が併走する横軸の沿線に、温泉施設が点在しています。この地で温泉のボーリングに成功したのは1963(昭和38)年。モータリゼーションの発達と共に、国道を走るドライバーの食事や入浴、休憩や宿泊サービスを提供する温泉施設が形成されました。
 
 
 
 
虎杖浜では、海の別邸ふる川など8つの宿泊施設と、日帰り施設3館で、2011(平成23)年、揃って温泉の“モト”である源泉かけ流しを宣言しました。宣言文は全5条。「源泉かけ流しの良質な温泉の提供」を筆頭に、衛生管理、温泉資源の保全、温泉の効果的な利用の普及、そして顧客満足度を高めることを表明して、宣言文を結んでいます。
 
 
 
 
北海道Likersで紹介した記事はこちら↓
北海道のお・も・て・な・し 憧れの大人の温泉宿 「海の別邸 ふる川」編
 
 
 
 
宣言のきっかけは、“温泉博士”として知られる札幌国際大学観光学部の松田忠徳教授が「白老町の良質な温泉を地域としてPRすることが、地域の活性化に有効ではないか」と提案したことから始まりました。以前から松田教授は白老観光協会に対して「温泉の正しい入浴法」を指導する人材育成事業などで、町の温泉振興に関与。いまも“プチ湯治”の普及など、継続的に町の観光に積極的に関わっています。
 
 
 
 
宣言を行ったお宿は、民宿・ホテル・旅館タイプがありどこも個性的です。浜辺に面した露天風呂を持つ宿や、視界を遮るものがない太平洋の眺望を楽しめる施設、料理が評で予約が取りにくい宿など、訪れた数だけ発見があります。日帰り施設は、白老町の近隣のまち、苫小牧市・登別市・室蘭市など胆振(いぶり)地域の人びとが入浴に通う光景が、日常的に見られます。
 
 
 
 
早速お風呂に直行。まろやかなお湯が肌や呼吸を通して、体に有効成分として染みこんでくるようでした。湯上がりにお会いしたのは、坂元秀樹さん。坂元さんは日帰り温泉施設の店長を務める傍ら、虎杖浜竹浦観光連合会の事務局長を兼務しています。温泉に携わる事業者自らが“宣言”してから2年あまりが経ち、地域はどう変わったのでしょう?
 
「水産加工販売を行う卸売業や小売業者さんと、温泉旅館や日帰り施設の私たちが、宣言後はより一層、連携する動きが見られるようになりました。地域のイベントでは、業種の違いを超えて、虎杖浜を我々はどう盛り上げていこうかと、考えて動くようになりました」(坂元さん)。温泉で虎杖浜を売りだそうという意識が、近年は一層高まっているようです。
 
 
 
 
さらに宣言後は、顧客の顔ぶれにも変化が現れているようです。「地元の常連のお客様に加えて、遠方からお越しになる温泉好きなお客様が増えました!」と坂元さん。地元で見られる変化を語ってくださいました。
 
普段着で行ける“ゆるさ”が、虎杖浜温泉の魅力。レトロな施設をいまも大事に使い続ける施設や、大規模な改修でお洒落に生まれ変わった宿など、海辺のドライブがてら、季節を変えて数回訪れて楽しみたい温泉地です。源泉かけ流し宣言を行った北海道内の温泉地は、ぬかびら温泉郷と川湯温泉、そして白老町の虎杖浜温泉。ぜひ記憶にとめて旅行の際は、自らの肌で温泉を実感してください!