イタリアの職人が北海道でチーズを作る!「ファットリアビオ北海道」

ここ北海道で、本場イタリアのチーズ職人による、北海道の牛乳を使ったフレッシュなイタリアンチーズが生まれています。新たに立ち上がったプロジェクト「ファットリアビオ北海道(Fattoria Bio Hokkaido)」の工場を訪ねました。
 
 
 
 

南イタリアの農場からチーズマスターが北海道へ

工場があるのは札幌市白石区。ファットリアビオ北海道のチーズマスターは、ジョバンニ・ グラツィアーノさんです。
南イタリア・カラブリア州の農場出身。父親から一家に伝わるチーズ作りのノウハウを学び、20歳のときにカラブリアのシーラ山脈にある大規模自然農場「ファットリアビオ」へ。4代続く歴史ある農場で、チーズマスターとして15年の経験を積んできたそうです。
そんなジョバンニさんが札幌に移り住み、北海道で搾られた生乳を原料にモッツァレラ、リコッタといったフレッシュチーズやカチョカヴァロなど、南イタリアのチーズを作っています。
 
 
 
 

北海道生乳100%。ファットリアビオ北海道のチーズたち

おじゃましたときは、リコッタ作りの真っ最中。リコッタはホエー(乳清)を原料として作るチーズで、『「リ」(もう一度)「コッタ」(煮る)』という意味だそうです。
 
 
 
 
その場でできたてを食べさせてくれました。牛乳の香りとほのかな甘みが感じられ、なんともやさしい味に思わず顔がゆるみます。リコッタがこんなにおいしいとは!
ジョバンニさんに北海道の牛乳について聞くと、「イイネ!ボーノ!北海道は地元よりチーズがおいしくできるよ」と話してくれました(通訳:ダリオさん)。
 
 
 
 
モッツァレラは、ジューシーでミルク感たっぷり。とてもピュアな味わいです。そして「これもどうぞ」といただいたのが、ブッラータなるフレッシュチーズ。モッツァレラと同じタイプの生地の中に、生クリームと裂いたモッツァレラを混ぜ合わせたものが入っています。この中身はストラッチャテッラというそうです。初めて食べたブッラータ、それも本場の職人さんが作ったもの。外側と中身で違う食感、ミルキーで濃厚な味わい…たまりません!
 
 
 
 
 
 
続いて、カチョカヴァロシラーノ。よく目にするカチョカヴァロはひょうたん型ですが、カラブリアでは細長い洋梨型のものが作られているそうです。そのまま食べてみると、牛乳の風味がしっかりと感じられます。厚めに切って表面に焦げ目がつくまで焼くと、コクが増して塩加減も絶妙で、これまたいくらでも食べたくなります。
 
 
 
 
 
 

食を通じて北海道とイタリアの架け橋に

そもそも、ファットリアビオ北海道とは?高橋社長にお聞きしました。
「東京のレストランのイタリア人オーナーと共に、高品質な北海道の牛乳と、イタリアの技術で最高のチーズを作ろうとスタートしたのがこのプロジェクトです。
イタリアでは3,000年にわたってチーズが作られてきました。テーブルにチーズがあるのが当たり前で、生活に根付いています。作り方に大差はないはずなのに、本場で食べるフレッシュチーズはどうしてこんなにもおいしいのか?現地でチーズ文化を体験して、長い歴史の中で積み重ねられてきた文化の厚みというものを実感しました。
日本に豆腐職人がいるように、イタリアには伝統を受け継ぐチーズ職人がいます。南イタリアのファットリアビオで出会ったジョバンニは、『北海道にイタリアのチーズの歴史とノウハウを伝えたい』という強い思いをもって来てくれました」。
 
 
 
 
イタリアのチーズ工場を再現するために、道具・機械はすべて現地から調達。今年1月から本格的に稼働をはじめました。ジョバンニさんが作るチーズは「イタリアで食べたチーズそのものだ」と、札幌のシェフたちの心を動かしています。
 
「本場のフレッシュチーズのおいしさを体験してもらいたい。北海道にもっとイタリアの食文化を根付かせたい」と高橋社長。近い将来、イタリア人も日本人も多くの人が訪れてくれるような、ファットリアビオ北海道の牧場をつくることを考えているそうです。