2014年03月30日 | HASE

カウンターのうんちく小話 寿司のまち小樽の意外なルーツ

小樽市といえば“寿司のまち”として知られ、日本国内はもとより、ここ数年は台湾や香港をはじめ世界各国から観光客が訪れます。小樽市にとって寿司は主要な観光資源のひとつ。そんな寿司に関する勉強会が行われる(しかも無料で!)と知り、「観光資源についての勉強会 お寿司について知っていますか?」に参加しました。
 
 
おたる政寿司本店の外観
▲勉強会の会場は寿司屋通りにある「おたる政寿司本店」。小樽を代表する老舗におじゃまするとあって、なんだか緊張します
 
 
そもそもこの勉強会は、小樽の観光資源について市民の理解を深め、おもてなしの気持ちを醸成することを目的に小樽観光協会が主催したもの。ってことは、市民以外は参加不可。部外者立入禁止。なんちゃら禁制。よそものあっちいけ、のはず。
 
そうなりゃこっちも覚悟の上。腕まくり、袖まくり、膝まくりでと、せっせといろいろまくっていたら、小樽観光協会の永岡朋子さんから「どうぞ。いいですよ。お入りください」とやさしいお声が。…本日は、よろしくお願いします。
 
 
おたる政寿司常務取締役・中村圭助さん
▲おたる政寿司三代目・中村圭助さん。2007年北海道すし技術コンクールで金賞を受賞した腕前
 
 
講師を務めるのは「おたる政寿司」常務取締役の中村圭助さん。東京での修業を経て、現在は本店のカウンターで寿司を握っています。とはいえ今日は寿司を食べにきたわけじゃありません。永岡さんのお許しをいただいた以上、しっかりと学ばせてもらいます。
 
 
小樽観光協会・永岡朋子さん
▲小樽観光協会の永岡朋子さん。会場には小樽市民やおたる政寿司の職人さんなど約40名が詰めかけた
 
 
永岡さんの司会で勉強会がスタート。中村さんの軽妙な語り口についつい引き込まれていきます。カウンターでの客あしらいになれているとあって、このあたりはさすがです。
今回は、「小樽と寿司の歴史」「旬のネタ、四季のネタ」「政寿司の取り組み」の3つのテーマでお話がありきました。このうち特に印象に残ったのが「小樽と寿司の歴史」。
 
 
小樽観光協会永岡朋子さんとおたる政寿司中村圭助さん
▲永岡さんが質問し、中村さんが答える形で進められた勉強会
 
 
寿司のまちとして名高い小樽ですが、その名が全国的に知られるようになったのは約25年前のこと。北海道の経済・金融の礎を築いた港町として、小樽では古くから寿司屋の文化は根付いていましたが、まだ観光客はそれほど多くはありませんでした。
 
その頃、中村さんの父・全博さん(代表取締役)は、本州のある港町で魚たちに感謝するための「感謝塔」を建立してお参りしたらマグロの大群が押し寄せてきたエピソードを聞きます。そこで、小樽にもかつてのようにニシンが戻ることを願い、4軒の寿司屋仲間(日本橋、寿司・和食しかま、おたる大和家、町の本店)に声を掛けて1987年7月に魚供養感謝祭を開きました。
 
「すると、ニシンじゃなくてバスがやってきたんです」と笑う中村圭助さん。
どうもその頃、父・全博さんが「魚供養感謝祭のメンバーで寿司屋横丁を作りたい」という夢物語を飲み屋でしゃべったところ、それを聞いていた新聞記者が翌日の新聞に書き立ててしまったそう。それが、寿司屋通りができる(作らざるをえなくなった)きっかけだったと中村圭助さんはいいます。
 
その後、小樽寿司屋通りは全国ネットのテレビなどで取り上げられ、小樽は一躍有名スポットに。こうして現在、小樽のまちにはおよそ130の寿司屋が軒を連ね、遠く海外からも観光客が数多く訪れます。
 
 
白熱する勉強会
▲中村さんの話にメモを取りながら真剣に聞き入る参加者のみなさん
 
 
民間の取り組みによって、食による観光地づくりが行われた小樽。
だからこそ25年を経た今でも、「寿司屋はただうまい寿司を出していればそれでいいわけじゃない。小樽に来た人が楽しむためのお手伝いをする、飲食業にとどまらない“お楽しみお手伝い業”だと思っています」と中村さんはいいます。
 
新鮮なネタを使い、おもてなしの心を込めて握る小樽の寿司。その心意気が寿司のまち小樽を支えているんですね。
 
小樽の寿司
▲北海道の各地から集まる旬のネタを、職人のおもてなしの心とともに堪能したい
※提供写真/おたる政寿司本店
 
 
小樽観光協会 HP「おたるぽーたる」

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HASE

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