情熱の仕事人。北海道のお土産菓子の新境地を開く。YOSHIMI代表「勝山ヨシミ」

「札幌カリーせんべいカリカリまだある?」や「札幌おかきOh!焼とうきび」をはじめ、手がける商品が立て続けにヒット。北海道土産の新たなスタンダードに。お菓子のみならず、料理人の発想で様々な商品をプロデュース。挑戦に燃える、仕事人に迫ります。
 
札幌を中心に全国各地でレストランやカレー店などを展開するとともに、道内観光土産品市場で着々と存在感を強めている「YOSHIMI」。お菓子、レトルトスープカレー、ラーメン、サンドイッチなど、様々なおいしさを生み出しているのが、経営者でありシェフである勝山ヨシミさんです。
 
 
 
 

味、ネーミング、デザイン。すべてに妥協なし

商品開発のオファーを受け、2006年にレトルト商品のスープカリー「じゃがいもチキン」をプロデュースしたことがお土産品開発の始まり。その3年後に発売した、ピリッとした辛さが後を引くカレー味のせんべい「札幌カリーせんべいカリカリまだある?」が一躍大ヒット。続く、「札幌おかきOh!焼とうきび」、ポテトチップス「ジャガJ」、上質なショコラを前面に打ち出したスイーツ系菓子「Collet(コレット)とうきびショコラサンド」、新商品の「北海道クッキー」など、いずれも高い人気を得ています。
 
大手食品メーカーなど他企業とコラボレーションして、料理人の発想から商品を企画開発。開発期間は概ね1年、長いもので2年かけるものもあるそうです。
 
「従来から『自己消費できるお土産』をコンセプトにしています。自分がまた食べたくなる味だろうか?常にそこを考え、納得のいくまで試作を繰り返す。土産品としてものをつくるのではなく、おいしさと品質にこだわった商品を送り出すという意識で開発にあたっています」と、勝山さん。
 
また、発売後も少しずつ味を変えていく必要があるといいます。「長く愛される商品に育てていくためには、変化する時代とニーズの流れを読み、進化させていくことが大切です」。
 
 
 
 
商品名やパッケージのデザインも、そのほとんどを自ら考案しています。包装紙や箱を開いたとき、食べたときに感じるのは、身近な人と共有したくなる楽しさや新鮮さ。こだわりは味だけではなく、すべての要素に貫かれています。
 
「ゼロから1を作るのが僕の仕事。味、デザイン、ネーミング、いつも新たな表現をどうできるか?と考えています。そう簡単にコレだ、というものは出てこないですよ。だから徹底して考え抜き、考え続けています」。
 
 
 
 

お土産品を通じて、北海道の食の魅力を伝えていく

勝山さんが日本各地、海外へ行って感じるのは、北海道は食と観光の魅力が際立っていることだといいます。
「北海道は良質な食材に溢れた土地です。その食材をしっかり使っていきたいという思いがあります。農産物でいうとジャガイモやトウモロコシ。これらは、当社の商品でも主力素材として使っています。
昨年、海外から日本に来た観光客は1,000万人、その前の年は835万人で世界ランキング33位というデータがあります。北海道は高いポテンシャルを備えているわけですから、世界の人たちにもっとよさを知ってもらい、多くの人に来てもらいたいですね」。
 
今後もさらに新しいお土産品の開発を強化し、積極的に市場に打ち出していくそうです。
「北海道のお土産をお求めになるお客様に新たな選択肢が増えていくことは、北海道の魅力、食材のおいしさを広く知ってもらうことにつながります」。
 
 

自分で自分の限界を決めず、前へ

勝山さんが現在に至るまでに辿った道は、決して平坦ではありませんでした。10代で独立して商売の道へ入り、83年、31歳でススキノの中心に現在の「YOSHIMI」本店を開店。料理を始めたのは39歳のときです。「このカレー、ものすごくおいしいよ」。きっかけは、レストランスタッフのまかない用につくったカレーを常連客に出したときの一言でした。当時事業の経営は厳しい状況下に。心機一転、料理人になろうと決め、再スタートを切ったのです。
 
そこからは、ひたすら料理に打ち込む日々。行列店となった「YOSHIMI」は軌道に乗り、02年に札幌パルコにレストランとカレー店をオープン。フレンチの手法を取り入れたスープカレーが評判を呼び、レトルト商品開発のオファーにつながったのです。
 
 
 
 
「自分が料理人になるなんて、思ってもみませんでしたね。たまたま一杯のカレーから人生が変わり、多くのお客様から支持を得られるまでになりました。でも僕の本当の成功は、開発という自分の得意分野を見つけられたことにあります。商品を世に送り出し、世を幸せにしていく。それができるとわかるまで何十年もかかりました。人は誰でも何かしら能力を持っているものです。みんなにチャンスがあるということです。
僕は大きな失敗もしました。でもそれで強くなれた。夢を持って、そこに向かって前進することが大事です」。勝山さんは熱を込めてそう語ります。
 
数々の商品開発が進行中で、今年は札幌で新店舗のオープンも控えています。
今、勝山さんにはこんな夢があります。「当社の北海道クッキー、もしくはColletの店をパリに出すことが目標です。北海道発の味で、食と観光の本場フランスに挑んでみたいと考えています」。
そう語る表情にも自信がうかがえました。さらに前進するために、勝山さんは挑戦をし続けます。