北の若者が拓く未来 NPO法人ezorock

ロックフェスを契機に2001(平成13)年、札幌にezorockという団体が発足しました。“Rock the Life, Rock the Future”を合言葉に、環境をはじめ身近な課題に、若者260余名が北海道各地で挑戦中。活動拠点のNPO法人ezorockを訪ねました。
 
 
 
 
2001(平成13)年の「ライジング・サン・ロックフェスティバル」をきっかけに始めた環境活動は、音楽好きや環境に関心をもつ人、ボランティアに興味のある若者に広まりました。若者はフェスを楽しみつつ「ごみを拾わないごみ対策」を展開。ごみを出した人が自らの手で分別するのを、声がけしながら笑顔でナビゲートし、従来のごみ拾いボランティアと異なる「啓発ボランティア」という関わりを示しました。
 
 
 
 
北海道Likersで紹介したRISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZOはこちら↓
http://www.hokkaidolikers.com/articles/646
 
ezorockは以来13年間、常に若者が出入りする柔軟な組織として存在し続けています。出迎えてくれたのは、タケシこと代表理事の草野竹史さん。「去年のやりかたにこだわらず自由につくれるのがezorockの面白さです。課題が山積する地域を前に、チャレンジを奨励し対等な議論をすることで、ボランティア活動に関わる若者は、自らの意思を吹き込むようになります」と語ります。
 
 
 
 
環境で食べていけるのか自問し迷いながらも「やらずに後悔するよりもやって後悔せよ」という親の教えに、勤めを辞め、強い決意を持ち活動してきた環境団体のezorock代表に就任。若者と高齢者、都市と地方など、人も含めたあらゆる地域資源をつなぎ、任意団体だったezorockを、6人の有給職員をもつNPO法人に育てました。
 
 
 
 
 
 
ezorockにはどんな若者がいるのでしょう。“きゃん”こと小林彩佳さんは北海道大学工学部の3年生で、寮生から活動を聞きezorockに加わりました。フェスでのごみ分別ナビなどをする「アースケア」や、聞かなくなったレコードを家庭から集めたレコードを異なる世代間の交流に生かす「レコ」活動を彼女は担当。「ひと月1000枚集まることもあり、眠れる資源が多くの人を喜ばせています。ezorockは楽しく、活動がなくてもここに授業の課題をしに来ることも。就活するか、しばらくNPO活動をするかは考え中で、まだ明確ではないですが、親はやりたいことをやりなさいと応援してくれてます」。
 
きゃんの話からは、ボランティアの垣根が大変低いことを感じます。「なんだか楽しそう」とか「ボランティアしながらフェスで音楽を聴ける」など加わる動機はその程度な人が、むしろ大多数。
 
“ポッポ”こと安保翔太さんは教育学部を卒業。就職はまだ決めずフリーターとして仕事をしながらezorockで震災関連の事業「ふくしまキッズ」を担当。「自分がやってみたいこととezorockは近いんです。ここで1年ほど勉強し、ezorockの考え方をもって地域で働きたいです」。着実な将来に向けた準備が、ezorockでの学びにあることが伺えます。
 
 
 
 
高校や専門学校、大学生など10代20代の学生が多いこの組織で、100余名のアクティブなボランティアを統括する草野さん。「僕は相手が子供からおじさんおばさん、祖父母までどの世代と話す際にも、苦手意識を感じないんです」。常に若者と同じ目線で接してくれるコアメンバーから、地域への馴染みかたや自己表現を学んだ学生スタッフは、道内各地でボランティアを実践しています。
 
 
 
 
過疎化が進むまちや地縁が希薄な町内会に、ezorockでは課題があれば解決にむけたプロジェクトチームが結成されることが常。いまは7チームあり、その活動内容は山岳の環境保全、コミュニティFMやインターネットラジオでの発信、サイクルシェア、野菜づくり、薪割りなど多角化しています。
 
 
 
 
札幌市内ではサイクルシェアサービス「ポロクル」の現場運営を2011(平成23)年からezorockが担い、2013(平成25)年にNPO法人格を取得。信用の度合いも社会的な責任も増しました。個々人がゆるやかにつながる心地よさの一方で、組織を回すためezorockでは事業チームで情報を共有する定例ミーティングを開きます。発言を否定せずフラットで楽しい場づくりに努める会議には、心地よいスピード感がありました。
 
北海道Likersで紹介したサイクルシェアサービス『ポロクル』はこちら↓
http://www.hokkaidolikers.com/articles/532
 
 
 
 
「facebookやグループウェアなど多様な媒体でezorockの活動を発信していくことは重要です。デザインを本業とする理事が担当し、相当意識してつくっています」。草野さんが示したニュースレターは完成度が高く、洗練されています。これも学生メンバーが撮影を覚え、記事を書き編集するまでを学び、皆でつくりあげたもの。
 
 
 
 
ezorockは、じつは道内のあちこちで活動しています。皆さんが訪れる町や観光スポットにも、ezorockの若者がいるかも知れませんよ。高齢化や札幌一極集中が進む北海道。その現実を直視し地域と若者の接点を増やし、ボランティアの垣根を取り払おうと活動するNPO法人ezorock。「若者が活躍する姿が、当たり前の日常」に向け、楽しく豊かな北海道を目指して前進します。