「江差町・五勝手屋羊羹」~ほっかいどうお菓子グラフィティー(1)

「北海道の懐かしいお菓子」シリーズです。
「これは懐かしい!」「えっ!!これは北海道限定だったの!?」などなど、
お菓子とともに、昔の思い出がよみがえる連載です。お楽しみください!
 
 
江戸時代のニシン漁最盛期には、「江差の5月は江戸にもない」といわれたほど賑わいをみせた江差町。その歴史あるまちで、明治初期に生まれたのが「五勝手屋羊羹」です。
 
 


 
この羊かんをつくるのが、江戸末期からこの町で菓子店を営む「五勝手屋本舗」。その存在感ある濃厚な餡は、十勝地方で栽培される金時豆を使った自家製です。煮上げた豆に寒天と砂糖を合わせ、時間をかけて練りあげますが、この熟練の技が味の決め手だとか。コクのある味わいと、口に残らないさっぱりとした甘みは、誕生から140年ほどたった今も、変わらず愛されています。

 

 
ベーシックな流し羊かん(棹状タイプ)に加え、昭和初期にはビビッドな赤のパッケージが印象的な丸缶羊かん(筒状タイプ)も登場。円筒形の容器の底を押して飛び出した羊かんを、好みの長さに糸で切って口に放り込むだけという手軽さと、手を汚さない便利さで、こちらも幅広く支持されています。

 

 
ちなみに「丸缶」という呼び名は、かつてフタが金属製だったころの名残。
今はプラスチック製に代わっていますが、呼び名だけは昔のまま使われています。

 

 
店の屋号になった「五勝手」の名は、明治後期に江差市街と合併した五勝手村にちなむもの。江戸期から栄えた江差のまちにふさわしい銘菓、それが五勝手屋羊羹なのです。
 
 
*詳しくは『ほっかいどうお菓子グラフィティー』(塚田敏信・著)をご覧ください。